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子どもたちが自分の上達を実感!
『考える部屋』3期生大発表会より

子どもたちが自分の上達を実感/『考える部屋』3期生大発表会

子どもの成長を促し、自信を築いていくためには「成功体験」が重要と言われています。

成功体験。簡単にいうと、「こんなことができるようになった!」「やればできるんだ!」と子ども自身が上達を実感できる経験が大切、ということではないでしょうか?

シナリオ・センターで毎週火曜日に実施している小学校高学年~中学生向けオンライン創作クラス『考える部屋』基礎科(全24回)の最終回で開催する「大発表会」は、まさに子どもたちが上達を実感できる場。

『考える部屋』では12回目に「中間発表会」を開催し、自分で書いたシナリオを自分で発表します。2023年開講クラスの3期生たち9人も素敵な作品を発表してくれました。
>>3期生 中間発表会の模様はこちら 

最終回の「大発表会」では、自分で読むのではなく、なんと『ちびまる子ちゃん』の“藤木の声”や『ONE PIECE』の“ヒナの声”などを担当されている声優の中友子さんが子どもたちの作品を読んでくださいます!

※これまでの大発表会の模様はこちら
1期生 大発表会

2期生 大発表会

3期生の皆さんは、自分の作品を中さんに読んでもらえたことに大感動!

そして、書く力が上達したことを自分自身でも実感したようでした。今回はその模様を広報の齋藤がリポートいたします。まずは、9名全員の『考える部屋』基礎科を受講した感想からご紹介。

『考える部屋』基礎科 半年間の感想
「わー、昔の私やばっ!って思いながら、一人で書いていたときの作品を読み返しています」

※『考える部屋』では「先生」とは呼びません。基礎科を担当している新井は「かずちゃん」、もうひとりの講師は「ヒロくん」と呼んでいます。また、『考える部屋』レギュラーメンバー(主にキッズ本科・研修科クラス)として、子どもたちと同じ“勉強する側”でご参加いただいているシナリオ・センター出身ライターの田嶋久子さんは「ちゃこさん」と呼ばせていただいております。

〇Mさん:もともと小説は書いていて。でも訳も分からないまま書いていたので、どうやったら人の心に残るのか、心に訴えられるのか、ということは全然考えてもなかったんですけど、半年間こうやって沢山シナリオのことを知ることができてすごく楽しかったです。あと、『考える部屋』で教えてもらったことを紙にメモしていたんですけど、それを全部並べてみたら本当に沢山あって。読み返してみたんですけど、すごく上達というか、小説とかシナリオのことを学べているんだな、よかったなと思いました。私はちょっと勇気がない性格なので、いつか自分が書いた作品を学校の人たちとかに読んでもらえるくらい自信をつけたいです。作家として誇りがもてるように、これからも頑張りたいと思います。

〇Aさん:毎週火曜日が楽しかったですし、この半年間のノートを読み返してみると、めきめきと上達しているのが分かる。それはやっぱり、かずちゃんとかひろくんとかちゃこさんが、粘り強く教えてくださったからなんだなと思って。あと、フレンドリーな雰囲気でやってもらえたのが自分にとっては身についたポイントだったかなと思います。すごく感謝しています。

〇Yさん:もう半年も経ったの!?って一瞬思考が停止した感じで。『考える部屋』に入ってから楽しくて、次の週になるのが楽しみで。かずちゃんとかひろくん、たまに来てくださる ちゃこさんも、すごく的確なアドバイスをしてくださって。私がこんなことを言うのはヘンかもしれないけど、でも、一緒に学んでいるみんなもちょっとずつレベルが上がっていく感じがうれしくて。ありがとうございます!ってお礼を言いたいです。すごく感謝してます!ということを言いたいです。

〇Cさん:毎週火曜日がとてもお待ち遠しかったです。みんなもそうかもしれないけど、私は前から創作活動をしていたんですけど、そのとき書いていたものを読み返してみると、「あ、ここ直したほうがいいな」というのが沢山あって。なんか、「わー、昔の私やばっ!」って思いながら、昔の作品を読み返しています。だから、それほど上達したんだなってとても感じました。学べて楽しかったです。

〇Tさん:最初のほうはちょっと緊張していて、あんまり意見とか言えなかったけど、今もそんなに意見を出せていないかもしれないけど、でも昔よりは言えるようになったかなって。みんなの意見やアイデアを聞いているのが面白くて、すごいなと思いながら、自分も頑張ろうと思えるようになりました。

〇Kさん:半年間、火曜日が楽しかったです。できるようになったことが沢山あって、みんなと一緒に学習できて、楽しかったです。

〇Rさん:『考える部屋』に入る前はト書とかまったくできなくて、セリフしか書けなかったんですけど、いろいろ教えてもらってからはどんどんト書とか、いろいろな表現の仕方で書けるようになってすごいよかったです。

〇Nさん:毎週、みんなそれぞれ違う角度から見て考えたシナリオを聞いて、アイデアをもらったし、ほんとに有意義な時間を体験できて、すごいよかったです。

〇Bさん:いろいろ学べて良かったです。ひとりじゃできないから。それと、「テーマ」を設定するのはやっぱり大事なんだなって思いました。

「そうなんじゃないかな……とさりげなく思わせる描き方がすごいと思いました」

大発表の課題は「手袋」(できれば社会問題を描いてみる)。規定枚数はペラ6枚以内(=1200字程度。400字詰め原稿用紙なら3枚)。主要な登場人物は3人程度(※3人だと本音と建前が交錯して物語が面白くなるので)。

当日は、新井・ひろくん・ちゃこさん、中さん、そして『考える部屋』キッズ本科・研修科担当講師の「てっちゃん」「もんちゃん」も参加。また、オーディエンスとして3期生の保護者の方々、『考える部屋』1期生・2期生、シナリオ・センターの生徒さんも参加してくださいました。そんな皆さんに見守られながら、9名全員の個性豊かな作品を発表。

その中で今回は、「もともと小説は書いていて、でもわけも分からないまま書いていたので、どうやったら人の心に残るのか、心に訴えられるのか、ということは全然考えてもなかった」と振り返ってくれたMさんと、「ノートを読み返してみると、めきめきと上達しているのが分かる!」と感想を言ってくれたAさんの作品&発表の模様を順にご紹介。

★Mさん
タイトル『騒がしい学校』

〇新井:一言で言うとどんなお話でしょうか?

〇Mさん:あんまり目立ちなくない性格の佐々山小槌(ささやまこづち)という女の子が、あまりの身長の低さに、周りの人たちから、がんがん慕われてしまうという話です。

--発表後、まずはヒロくんの感想から。

〇ヒロくん:主人公の小槌という名前。『一寸法師』が使った打出の小槌から使っているのかなと思ったんだけどそう?(頷くMさん)。あ、やっぱり!この名前の使い方もうまいなと思いました。

それから、クラスメイトの男の子・騒也が小槌の背が低いので机の高さを調整してくれるんだけど、サラッと「ありがとう」って言ってる。で、その後でてくる、同じくクラスメイトのくるみとの2人のシーン。小槌はくるみに対しては結構ズバズバと思っていることを言えている。たぶん、くるみと接するときと他のクラスメイトと接するときとでは、なんか違ったりするのかなと思って。でも、本音が言い合える仲なんだけど、その中でもお互いに言葉を選んでいるところにすごくリアリティを感じました。そういったところの「関係性」がすごく上手に描けていました。

小道具である手袋の使い方としては、たいてい「手袋は寒いからつける」と考えがちだけど、Mさんは「小槌の手のあざを隠す手段」として手袋を使っています。そういう考え方・使い方もうまいなと思いました。

――“先輩”である2期生やちゃこさんからはこんな感想が。

〇2期生:手にあざがあるというト書から、小槌の家庭環境が気になりました。社会問題の「虐待」を描いているのかな、小槌は虐待を受けているのかなと思ったんですけど、それはこの時点ではまだわからないし、推測でしかないんですけど、「そうなんじゃないかな」とさりげなく思わせる描き方がすごいなと思いました。

〇2期生:小槌の背が低いということが、「机の高さを調整する」ということから分かる。表現の仕方が上手いなと思いました!

〇ちゃこさん:手にあざがあったりとか、家庭に何かしらの事情があって、「何があるんだろう?」と聴く側をぐいぐい引っ張っていく。お話の続きがすごく気になりました。この先どうなるんだろうと思わせるのはすごく良かったなと思いました。

ただ、このタイトルね。『騒がしい学校』で本当にいいのか。最初、タイトルつけてなかったんだよね?今さっき急につけたからだとは思うんだけど、タイトルってお話のポイントとか、作者がこの物語を通して伝えたいこととか、そういうことが出るのでとっても大事なんですよ。だからもっとね、本当にこれでいいのか、タイトルをもう一度考えてみるといいかなと思いました。

――そして新井はこんな感想を。

〇新井:いやー、驚きました。中間発表会での作品よりも、一段とレベルアップしてるね。例えばト書。小槌に手袋を渡したくるみがちょっと恥ずかしがって先に帰るねって走り去るところとか、小槌が目をパチパチさせてそっと手袋をつけるところとか、そういったト書もすごく丁寧に描けていました。それから、みんなも言っていたけど、社会問題も織り交ぜながら書いていることが分かる。この短い中で、聴く側の想像を膨らませるような描き方は本当に上手でした!

「貧しいという状況を、小道具で表してから、セリフでも直接的に表現する。このシーンの並べ方が素敵だなと思いました」

――次にご紹介するのはAさんの作品&発表の模様。

☆Aさん
タイトル『冬の幸福』

〇Aさん:一言で言うと、すごく仲良しな親子がいて、兄と妹が母親に最高のクリスマスプレゼントを贈るためにある計画をする、という話です。

――新井は感動しすぎて、発表後、いの一番に感想を述べてしまいました。

〇新井:クリスマスというこの時期をうまく使ったお話でしたね!やさしいお話!すごく良かった!

――画面に映っているAさん、ニコニコしてくれています。

では、もんちゃんの感想から。

〇もんちゃん:心が洗われるような、とってもいいお話が描けていたと思います。いっぱいいいところがありました。まず最初のシーン。雪が降っているところにボロボロのマフラーをした小さな女の子が「サンタさん早く来てー!」と言っている。もうその絵をみただけでジーンときちゃって泣きそう。すごくいいシーンから入ってるなと思いました。

小道具である手袋の使い方もいいですね。お兄ちゃんと妹がそれぞれもらった手袋から、お兄ちゃんが片方、妹も自分のものを片方、それぞれお母さんにプレゼントする。2人が「こうしようね」って相談して決めたんだろうなとか、お母さんのことが大好きなんだなとか、そういうこの家族の「背景」「事情」がこのシーンだけですごく伝わってくる。とってもいいシーンが描けていたと思います。

――先輩の2期生や仲間の3期生、また、ちゃこさんからはこんな感想が。

〇2期生:ポロッと涙が出ました……。3人の関係性や「貧しい」という設定が活きていました。最初のシーンでボロボロのマフラーが出てきて、その後、「私が貧しいせいで」というお母さんのセリフで出てくる。「貧しい」という状況を、小道具で表してから、セリフでも直接的に表現する。このシーンの並べ方が素敵だなと思いました。

〇3期生:優しさというか、深い愛情が伝わってきます!2人の子どもが母親と一緒に料理をする最後のシーンがとても微笑ましくて、涙腺が破壊しそうでした!

〇ちゃこさん:この手袋をくれたサンタさんというのは、どういう設定ですか?

〇Aさん:サンタさんは離婚したお父さんという設定にしています。

〇ちゃこさん:あ、すごい、ちゃんとそういう設定もしてあるんだね。“伸びしろ”と“可能性”を非常に感じる作品でした。貧しい描写がすごくよくできていました。

この兄と妹は最初、「サンタさんに何を頼むの?」と母親に聞かれて、二人とも「手袋ひとつ」と答えていますよね。ふつう手袋は二つで一組なのに。それはなんでなんだろう?と思って。これは私の推測なんですけど、たぶんお母さんにいつも「1個しか食べちゃだめよ」とか「1個しか買っちゃだめよ」とか、いつも「1個しかダメよ」と言われているんじゃないかなと。だからサンタさんにお願いするのも手袋ひとつだけって言ったのかなって私は思ったの。

だからね例えば、日頃からお母さんに「1個しかダメよ」と言われているようなシーンが最初のほうにあると、なぜこの兄と妹が手袋をひとつしか頼まなかったのか、という疑問がとけるんじゃないかなと。それから、こういうシーンを1つ挟んでおくと、貧しい家庭環境をもっと表現できるんじゃないかなと思いました。

〇Aさん:ありがとうございます。こんな沢山感想を言ってもらえて、中さんにも読んでもらえて、人生で1度あるかないかの貴重な経験になりました。中さんが演じてくださった子どもの声がすごく元気で、母親の声も優しい感じで、ほんとうにキャラクターがよく出てて、これ私が書いたのかなって思うくらいすごかったです。

〇新井:中さんはAさんが書いたものから汲み取って演じてくれているから、ちゃんと登場人物のキャラクターが描けていた、ということだよ!

〇中さん:そのとおりです。“もと”がいいから、演じることができるんですよ!

――Aさん、またまたニコニコです!

“映像的”に描けるようになる

新井も言っていたように、中間発表での作品よりも明らかに今回発表した作品のほうがレベルアップしていました。具体的に言うと、より“映像的”に描けるようになりました。例えば、映像には映らない、つまり、目には見えない「登場人物の気持ち」「考え」「関係性」をセリフ(言葉)以外の方法でどう表現するか。こういったことを3期生たちは表現できるようになっています。

基礎科を修了した3期生たちは、次のステップである「キッズ本科」(隔週火曜日)に1月16日からご進級可能となります。このクラスでは1期生や2期生の先輩もいて、基礎科で習ったシナリオの技術を使ってバリバリ課題を書いていきます。

なお、『考える部屋』基礎科4期は6月25日(火)開講します。今回ご紹介した模様をご覧いただいて「うちの子にもこういった経験をさせたい!」という親御さんがいらっしゃいましたら、体験&説明会も実施しますので是非ご参加ください!
>>体験&説明会のご案内・お申込みはこちらを。

※『考える部屋』についてもっと知りたい!という方はこちらのブログも併せてご覧ください。

考える部屋Q&A

子どもたちの考える力を伸ばすには

小・中学生向けオンライン創作講座『考える部屋』講師紹介

小学5・6年生、中学生向けオンライン創作講座『考える部屋』まとめ

やりたいことが明確な子どもたちが集結!『考える部屋』開講

『考える部屋』エピソード3 キャラクターを描ききれ!

観客・視聴者・読者が 「おもしろい!」と思うシーンを考える/『考える部屋Ep6』 

『考える部屋』EP12 中間発表会/「物語を書くのが好き!」な子どものチカラ

書きたいことを形にするには/小学校高学年・中学生が物語を考える

子どもの考える力を伸ばすには/キッズシナリオ『考える部屋』大発表会

面白い物語が作れていない時は「起承転結」で考える/「考える部屋」1期 Season2よりご紹介

創作が好きな子どもにお薦めの習い事/好きな事を共有できる場所

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『考える部屋』2期生大発表会/書き手のイメージが読み手に伝わるように

「考える部屋」1期 Season2よりご紹介/面白い物語が作れていない時は「起承転結」で考える

『考える部屋』本科(Season2)/身につけた表現技術をさらに深める

小中学生でこんな体験が!/『考える部屋』3期生 中間発表会

キッズシナリオについて:出前授業やオンライン創作クラス「考える部屋」

・出前授業
シナリオ・センターは、1970年創立。優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に創設以来、700名以上の脚本家や小説家が誕生しています。2010年から「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」という思いから、小中学校への出前授業として『キッズシナリオ』プロジェクトを開始。創作を楽しみながら、想像力と表現力が身つくカリキュラムを提供しています。
>>ご参考までにこちらの動画をご覧ください。

※キッズシナリオの活動をアシストくださる方、随時募集中です!
シナリオ・センターが小学校・中学校で実施しているキッズシナリオの活動を後押ししてくれるアシストの方々(個人・法人)を募集中しています。手弁当で実施しているので、アシストしてもらえるととても助かります!
>>ご興味のある方はこちらをご覧ください。

・小学5.6年~中学生向けオンラインクラス「考える部屋」
創作が好きな子どもたちが日本全国から集まって、切磋琢磨する特別クラスです。創作を楽しみながら、考える力を身につけていきます。
>>こちらから詳細をご覧ください。

シナリオ・センターでは、小学校や中学校など教育団体への出前授業を実施しています。オンラインでも実施可能です。「こんなことを子どもたちに伝えてほしい…」というお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

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