考える力を身につけてほしい
シナリオ・センターの新井です。
大人なら誰しも、子どもたちに『考える力』を身につけてほしいと願うものです。
ここ数年、アクティブラーニング、反転学習、探求学習など、『考える力』を伸ばそうという動きが目立つようになっています。
詰め込み型の教育への反省とも言えるのかもしれません。実際、不確実性の高い現代では、詰め込み型の教育では、フォローできないことばかりです。
では、そもそも『考える力』とは、何か。
そして、『考える力』を伸ばすために、どのような方法が有効なのかを、整理していきたいと思います。
社会で必要とされる『考える力』とは
グリービスビジネススクールさんの記事『これからの時代に必須な「考える力」を身につける5つの方法』によると、
考える力とは、その言葉の通り「自分の頭で考える力」のことですが、これからの時代に必要とされる「考える力」とは、こういった能力のことを指します。
・自分が保有している知識を世の中にある情報と関連付けながら、今どのようなことが起こっているか、これからどのようなことが起こりそうか考察する。
・課題を見つけ、その解決プロセスを考案し、新しい価値を生み出す
出典URL:https://mba.globis.ac.jp/careernote/1333.html
実際、『考える力』は、2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」の1つ「考え抜く力」という形で、含まれています。
だたし、上記で示されている『考える力』は、あくまで、ビジネスパーソンとして、という条件のもとで示されています。
『考える力』を将来の子どもたちにとって大切な力、と考えたとき、半分は上記の通りだと思います。
なぜ、半分かというと、私たち同様、子どもたちは、ビジネスで活躍するために、生きているわけではないからです。
その意味でも、『考える力』をもう少し広い視野で捉えてみたいと思います。
子どもたちにとっての『考える力』とは
子どもたちが、生きていくうえで必要な『考える力』というのは、
・人生のふし目に、自分で考えて決められる。
では、ないかと思います。
小学校高学年になれば、友達との関係や、立ち振る舞い、やりたいこと、習いたいことなど、自分自身でどんどんと決めることができます。
そして、決めるべきではないかと思います。
その時、なぜ、自分はそうしたいのか、を考えることが必要です。
中学生、高校生、大学生ともなれば、考えるべき範囲が広がり、判断すべきことの重要度も上がってきます。
そうした時に、周りのアドバイスなども聞きながらも、最終的には、自分で考え、自分で決めること、ができなければなりません。
そうでなければ、どこかの時点で、自分の人生を誰かのせいにしてしまいかねないからです。
人生のふし目に、自分で考えるために
では、人生のふし目に自分で考えるために、必要なことはなんでしょうか?
それは、以下の3つ目を持つことではないかと思います。
・考えるべきことを自分で整理し、考えを深めることができる(虫の目)
・いろいろな人の視点から物事をみることができる。(俯瞰:鳥の目)
・自分のあるべき姿を想像し、逆算して考えることができる。(魚の目)
虫の目、鳥の目、魚の目をどう持つか
3つの目をもつためには、どうしたらいいのでしょうか。
・継続性
継続的に考える続ける仕組みの中に、身を置くこと
・フロー状態
自分で学ぶ楽しさを味わうこと
・自主トレ
自分で自分を成長されることができること
ひとつずつ、上記の要素を整理したいと思います。
①継続性
子どもたちを、継続的に考える続ける仕組みの中に、身を置けるようにするというのが、大切ではないかと思います。
映画『夢みる小学校』でも話題となった『きのくに子どもの村学園』などは、その最たる例ではないかと思います。
詳しくは、公式サイトなどでご覧ください!
https://www.dreaming-school.com/
② フロー状態
フロー状態とは、ウィキペディアによると、
フローとは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。
とのことです。
子どもたちは、好きなことをしていると、時間を忘れて、夢中で取り組みます。恐ろしいほどの、集中力です。ですが、今、その集中力はゲームやyoutubeに奪われてしまっています。
子どもたちの好きなことに、主体的に取組める場、そしてフロー状態に慣れる場を、子ども時代に持つことが大切ではないかと思います。
そしてそれは、将来のどんな場面でも、集中すべき時に集中してものごとに取り組む力となります。
③自主トレ
自主トレ、というのは、スポーツ選手などが実践する、チーム練習とは別の自分のためのトレーニングのことです。
夢中になれるものを見つけた時に、そこに必要なスキルを自ら考えて、磨くことが大切ではないでしょうか。
例えば、アニメにはまったのであれば、
・日本のアニメーションの歴史
・世界のアニメーションの歴史
・アニメーションを技法
などを自分で調べてみるなどが挙げられます。
よく中学生の時に洋楽にハマって、歌詞を理解したいがために、嫌いだった英語の勉強を頑張ったという話があったりします。
自主トレをすることで、自分の好きを基点にした好き文化圏を築くことができます。
これは、さまざまな情報を自分の力に変えていく力となります。
考えることは、自分にとって楽しいことだ
「ちゃんと考えなさい」「考えて行動しなさい」「考えなきゃダメじゃない」
子どもたちは、『考える』というのは、怒られる時に使われる言葉だと感じていないでしょうか。
考えることは、楽しいこと。
考える楽しさを、子どもたちに伝えていく、そういった大人のスタンスが、子どもたちの『考える力』を伸ばすために、必要なのではないかと思います。
子どもたちの『考える力』を伸ばす環境は、世の中にたくさんあります。シナリオ・センターでも、オンライン型シナリオ教室『考える部屋』で、小学5・6年生から中学生を対象に、考える楽しさを味わってもらっています。
大人のわたしたちが、何が自分の子どもに良さそうかを考え、お子さんと一緒に考えていく、そんな時間が作っていけたらいいですね。
シナリオ・センターの新井でした。