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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

名前は大事

聞かなかった聞かなかった(幻冬舎刊)

シナリオ・センター代表小林です。いよいよ明日からゴールデンウイーク突入です。
シナリオ・センターは、明日4月29日から5月7日までお休みとなります。
5月6日は、130期シナリオ作家養成講座直前説明会です。
直前説明会参加ご希望の方は、直接6日土曜日13:30にシナリオ・センターにおいでいただければ大丈夫です。

聞かなかった聞かなかった

長いお休みを前に、内館牧子さんのエッセイを読ませていただきました。
「聞かなかった 聞かなかった」(幻冬舎文庫刊)
久々にすっきりとした気分になりました。
「見なかった 見なかった」「言わなかった 言わなかった」に続く最新版で「週刊朝日」の「暖簾にひじ鉄」を改題したもの。
内館さんのちゃんとしたものいいは、かっこいいんです。
「見なかった」「言わなかった」「聞かなかった」にしない。とても勇気と力がいることです。
名前を出さずにネットやSNSで発信することが当たり前の昨今、お顔も名前も知られているだけに、批判も攻撃も正面からぶつかってくることも多いかと思うのですが、昔も今も変わらないスタンスで、ご自分の意見をきちんと述べられる。
生半可な気持ちではできないことです。 といって、黒白だけをつける方ではなく、グレーゾーンも持っていらっしゃる。
ご自分の視点でものをみて、ご自分の言葉でものを言える人は、本当に少なくなっていますが、内館さんは失礼な言い方ですが希少価値な方です。
ジェームス三木さんとお話した時も感じたことですが、自分はどう生き、どう考えているか、常に向きあっていく姿勢が作家の佇まいではないかと思うのです。

名前を名乗る

SNSやネットなどで匿名で、名を名乗らずに言う人、書く人を私は信じません。
すべてのことに正義はお互いにあり、人は皆違うのですから、誰一人同じ考えはありえないのです。
人はついつい自分と同じ考えの人が好きだったり、ものごとを一面でしかみなかったり、それしかないように考えたりします。
神様ではないので万能ではありませんから、間違えも誤りもあります。
ですが、そこもわかった上で、きちんと個人としてものを言える人でありたいし、それができる社会でありたいと思います。

岡田惠和さん脚本の朝ドラ「ひよっこ」の中で、あまりのことに涙が止まらなくったシーンがあります。
出稼ぎに行って行方不明になった夫を探してくれと警察に行った主人公の母美代子が、
「出稼ぎ労働者のひとりを探してくれといってるんじゃありません。名前があります。茨城県奥茨城村で生まれ育った谷田部実を探してくださいといっているんです」警察官にいいます。
(セリフは明確ではありませんのであしから、岡田さん、すみません。)
まさに、個人というのはこういうことです。名前があるのです。

どんなに立派なことを言っても名前が無ければそこらの石ころと同じです。他人には伝わりません。
他人(ひと)共に生きているのが人間社会です。お互いを認め合って、お互いの想いをきちんと伝えあっていきたいものです。
明日からの長いお休みの1日に、5月3日は憲法記念日があります。今年は日本人の一員としてしっかりと向きあってみたいと思っています。

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