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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ゴールデンウイーク雑感

ミュシャ展から(新国立美術館内)

学ぶということ、働くということ

シナリオ・センター代表の小林です。4月29日から長いお休みをいただいておりました。みなさんはどちらかへお出かけになりましたか。
シナリオ・センターは、5月6日に130期シナリオ作家養成講座の直前説明会を行うため、事務局は6日出勤でした。
休み癖がついた私は、ぼんやりした頭のままちょっと遅刻して出社したところ、全員がきびきびと働いているではありませんか。
身内を褒めるのはなんですが、本当によく働いてくれます。社長だけでした怠け者は。
いい事務局に支えられている小林です。

そして、休みのラス前で良いお天気にもかかわらず説明会においでくださった皆様ありがとうございます。 9割の方が入学してくださったのも嬉しい限りです。
伝える力を身につけていただいて、ご自分の想い、考えを表現していってくださいね。 

観るということ、知るということ

私のゴールデンウイークは、テニスと惰眠の繰り返しで、唯一出掛けたのは、ミュシャ展と草間弥生展です。
どちらも圧倒されました。
ミュシャ展のスラブ叙事詩をみたくって、前々から行くつもりだったのですが、なかなか時間が取れませんでした。
でも、出身ライターの山本むつみさんが、観ていらした帰りに寄られて、スラブ叙事詩のお話しをしてくださったこともあり、休み中には絶対に観に行こうと心に決めていました。
山本さんが、ドラマは叙事詩だとおしゃっていたのですが、本当にそう思いました。
スラブ叙事詩は、チェコの苦難の歴史を描いたもので、ミュシャはチェコの国民のために過去の歴史と向きあえるように描いたのでした。
人が紡ぎだしてきた歴史はとても深いものがあります。ミュシャが描いた絵画からは、庶民のそれぞれの苦悩や喜び、涙の歴史がみえてきます。
背景がないドラマは、深みがないということはこういうことだと思いました。最近のドラマに力がないのは、背景を創らずに今だけを切り取って描くドラマが多いからのような気がします。

またまた岡田惠和さんの「ひよっこ」(NHK朝ドラ)を例にしてしまいますが、「出稼ぎ労働者のひとりではなく奥茨城村で生まれ育った谷田部実という男」でなければいけないのです。
そこに出稼ぎに行かねばならない背景事情がなければ、行方不明になる意味も生まれずドラマにならないのです。
森下佳子さんの「おんな城主直虎」の但馬が、愛する直虎と対峙するのは、出自からくる辛い立場、過去、直虎への想いがあるからです。そこが描かれていないと但馬の今が、感情が伝わらないのです。そして、もちろん、歴史的背景も。大きな関係ですから。
プロから、先輩たちから学ぶことは多いですね。

過去ときちんと向き合わないと、未来がみえないのは、ドラマだけでなく現実も一緒です。

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