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シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

つながり

発起人の一人である版画家土屋金司さんの版画のチラシ

シナリオ・センター代表の小林です。節分です。
シナリオ・センターは、季節の行事好きですから、もちろん、今日のお昼はスタッフ全員、恵方巻をいただきました。
南南東をむいて、黙って恵方巻をかじる姿は、ちょっとシュールな感じですが、幸せな春を呼び込む気持ちをこめて食べさせていただきました。
夕方には、鬼役に向けて「福は内、鬼は外!」と元気に豆をまきます。
今年は、「ひみつのなっちゃん」ファンの鬼が出るという趣向で。毎年、趣向を凝らして、楽しみながら豆まきするスタッフ、やっぱりシナリオはシナリオ・センターです。(笑)
コロナ禍ですので、教室には袋入りの豆をまきましたので(机にそっと)、運のいい方、明日見つけたら立春にお豆を食べてください。きっと今年は、どーんと運が開けます。

今日は兵庫県の小学校で小学4年生のみなさんとzoom授業を行いました。
さすが関西、「なんでやねん!」と何かにつけて突っ込みを入れてくださる先生のノリに、画面越しながら楽しくシナリオの授業が展開できました。
小学生は本当に侮れない、大人顔負けというより、勝負にならないほどのものを作ります。
この感性を大事に育てたい、杓子定規な学習の中で想像力をつぶされないでほしいと切に願います。
全国どこでもシナリオを教えしますので、ご利用ください。
先生はじめ学校関係の皆さん、子どもたちが自分で想い、考え、表現できるよう、個性を失わないよう、ご一緒に見守っていきましょう。

今日の東京新聞の一面には、世田谷区の小学6年生36人が10項目の質問をまとめ、岸田首相にお手紙を出した記事がでていました。
岸田首相、なぜ防衛費をあげますか?
なぜ基地をつくるのですか?
辺野古に基地を移すのですか?
沖縄の人の声を聞いてますか?
日本に米軍基地があることについて、どう考えてますか?
なぜ平和憲法があるのに、日本に軍隊があるのですか?
戦争についてどう考えていますか?
なぜ自衛隊が、国を守る以外に攻めてもいいというルールになったのですか?
国債はどうやって返していくつもりですか?
子どもたちの自然な心から出た疑問に、岸田首相は、丁寧にお返事をしてくださいね。

千葉の東総エリアの東日本大震災で被害のあった旭市で、活性化を目指して、地元の皆さんが朗読劇を企画し、2月19日に上演します。
この朗読劇、出身ライターの佐野誠さんにお願いし、2月19日に開催の運びとなりました。

実は、ここまでに至るには、人と人の縁を大事にするとこんな素敵な出会いになるのだという驚くようなつながりがあります。
ちょっと長くなりますが・・・。
ジェームス三木さんがお描きになった朝ドラ「澪つくし」の舞台銚子に、その頃まだ脚本家の卵だった内館牧子さんがNHKの広報誌の仕事をもらって取材に伺ったそうです。「澪つくし」は1985年に沢口靖子さん主演で放送されたものです。
その時の地元の方と内館さんは今も交流があり「青い目の人形の物語の朗読劇をしたいのだがどうしたらいいか」と相談を受けられました。
内館さんから「こういう話があるのだけれどどなたか関わってくださるライターさんはいないかしら」と私に連絡があり、素人ばかりでやるとプロジェクトは動かなそうだったので、プロにお願いしようということで、脚本だけでなく制作の経験もおありの出身ライター佐野誠さんにお願いしました。
佐野さんは、5年前公開した映画「トモシビ 銚子電鉄6・4㎞の軌跡」を執筆されて、あの付近のことをご存じかと思って。
佐野さんは「そういうことでしたら是非!」と2つ返事で引き受けてくださいました。
なんと地元の方々は、みんなさん、この映画をご欄になっていて、映画にエキストラで出た方もいらっしゃったとか。
37年前のつながりが、こうして巡り巡り、またそれぞれに縁がありという、ちょっと幸せな気分になるお付き合いになりました。

佐野さんが描かれた朗読劇は、渋沢栄一と青い目のお人形のおはなしです。
昭和2年、日本とアメリカの民間交流のために、アメリカから1万2千体ものお人形が贈られ、全国の幼稚園・小中学校へ配るよう渋沢栄一翁が手配をしました。
そのお人形たちは、戦時中「敵性人形」として焼かれたり、目を黒く塗られたりと悲惨な状況に置かれるのですが、一部の教師や志のある人たちが守り抜き、今も300体ほどが全国で保存されています。
東総エリアにも数体残っていて、佐野さんは、その中から成東小学校の『アリス・プレーブル』と旭幼稚園の『イロエズ』というお人形を取り上げ、物語にされました。
アメリカとの交流、全国にお人形を届けた渋沢翁の想い、戦争で壊されようとしたお人形を守った人々、この歴史にも縁というもの、人との絆というものがあったからこそ、このお話が生まれたのです。

地元の文化を守ろうと、大きな絆で結ばれて生まれた朗読劇「渋沢栄一翁ゆかりの青い目の人形物語」は、2月19日(日)14:00開演、 千葉県東総文化会館大ホールで行います。

人としてきちんとしたお付き合いをしていくと、どこかでつながっていくものです。人とのご縁を大事にすることも創作のひとつです。

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