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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人の大きさ

女盛りはモヤモヤ盛り

やさしさ

シナリオ・センター代表の小林です。明日から確定申告が始まります。
お上が「適切に納税、申告を」と呼びかけたことが、多くの国民の気持ちを逆なでして炎上しているそうです。
その上、韓国で首脳会談が行われる時に、大谷選手のドジャース開幕戦を観戦するのではと報じられ、プラチナチケットを取るなんておかしい、一体なにをしに行くんだとまたまた国民の怒りを買っています。
この国のお上は、本当に人としてピントが外れているように思います。やっぱり天上人なんでしょうかねぇ。
今、一番言ってはいけないこと、やってはいけないことがわかっていない、他人の気持ちをわからない人がトップというのは悲しい国です。
人気が落ちた時スポーツ選手にあやかると歴代支持率が上がったそうで、今回もその態で大谷選手の人気にあやかろうという魂胆だという話も。
でも、どう考えても今回は無理。今やることじゃない、今言うことじゃない、火に油を注ぐだけだと思うんですけど。
金沢国税局が「納税よりもまず生活再建を優先して」と呼びかけたという話は、被災者に対して当たり前のことなのに「なんとやさしい」と感じてしまうことも悲しいです。
やさしさのない国に成り下がってしまった気がするのは私だけでしょうか。

モヤモヤハラハラ

週刊朝日が休刊になり、内館さんのズバッと斬りこむ姿が拝見できなくなり寂しく思っていました。
今年になって、週刊朝日に連載されていた内館牧子さんのエッセイ「暖簾にひじ鉄」が相次いで文庫本になりました。
「女盛りはモヤモヤ盛り」「女盛りはハラハラ盛り」(幻冬舎文庫刊)
毎週、週刊朝日を読んでは溜飲を下げていた時期があり、久々に懐かしく読みました。

内館さんのドラマは、魅力的なキャラクターはもちろんのこと、巧みな展開とさりげなく何気ないものへ視点の妙が面白く、いつもワクワクしながら見ていました。
小説もすぐにベストセラーになるのは、他人と違ったちょっとした視点の絶妙な切り口だからこそだと思うのですが、今回、まとめてエッセイを読んだら、ドラマも小説も一味違った面白さがあるのは、内館さんのこの視点だからこそだと感じました。

その昔、内館牧子さんが、シナリオ・センターの夏期合宿(東日本大震災までは2泊3日の泊りがけ合宿をやっていました)で講義をしてくださった時に、ドラマがうまくなるための練習方法として、「毎日少なくてもいいからエッセイを書きなさい」とおっしゃったことがあります。
その頃は私は今もよりももっともの知らずで、シナリオを勉強しに来ている人に、毎日シナリオを描けではなく、日記でもなくエッセイを書けと言うのは、どういうこと?と内心思ったのでした。
もう30年以上も前のことですが、内館さんがエッセイを書く意味を話された時、そういうことかと初めてわかり、無知を恥じたことを覚えています。
今回、内館さんのエッセイ集を読んで、今一度、エッセイを書くということは、自分の視点を磨くことなのだと改めて実感しました。
日常、想ったこと、感じたことを常日頃形にしてみる(書く)と、自分はものごとをどうとらえて、どう感じるのかということが如実にわかります。
その自分の視点の積み重ねが、自分の視座となり、ドラマを描く時、小説を書く時に誰にも真似のできない自分だからこその切り口が生まれるのだと思います。

私も「表参道シナリオ日記」というエッセイを18年間も書かせてもらっています。
出身ライターの方々に「小林さんならこういうと思った」「怒ると思った」と笑われます。ま、私の視座を見破られているということです。(笑)
ものを描くということは、常に自分と向き合うことだと思っています。
自分の視点を多くの方に共感してもらえるように伝えられるかは、技術の力です。
技術を磨くことはとても大事なことですが(シナリオ・センターの基だし(笑))、自分の視点なくしては、技術は生きません。

過去記事一覧

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