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ほめる が教育の基本では?子どもの想像力を奪わないために大切なこと

ほめ上手、と言われた創設者の新井一

ほめて伸ばす理由「創作は、否定からは生まれない」

シナリオ・センターの新井です。
シナリオ・センターでは、「ほめて伸ばす」というのが教育理念の中心にあります。なので、宿題のシナリオへの添削は、必ずいいところ探しを徹底しています。「創作は、否定からは生まれない」というのが、創設者の新井一の考えだからです。

もちろんプロの現場となれば、予算の制約など様々な面から、「これじゃダメ」「もっとこうしてほしい」などのダメ出しやリクエストはあります。創作過程に「否定」がないわけではありません。

ですが、学ぶ過程では「あれはダメ」「これはダメ」「ここはこうしろ!」と否定から入ってしまっては、初心者は身動きが取れなくなってしまいます。
だから、褒めて伸ばすというのを、新井一はモットーとしたのです。

「ほめる」というのは、シナリオ・センターにいると当たり前のような感じがするのですが、案外世の中では当たり前ではないのかも…そんなことを感じることがあります。

そこで「ほめる」ことが、どれだけ重要なことか、小学生など子どもたちを対象に実施しているキッズシナリオを例に考えてみました。
>>キッズシナリオの詳細はこちらからご覧ください。

「死ね、ブス」というセリフもほめる!

キッズシナリオでは、港区地域の小学校を中心に、シナリオの出前授業を実施しています。キッズシナリオでは、各学校やクラス担任の先生と打合せをして、内容を決めますが、必ずシナリオを書いてもらっています。
>>事例:子どもが映画のシナリオと映像を作るときのアドバイス法

ある学校の授業でこんなことがありました。
気になっている子から、「好き」と言われて、なんて答えるかという課題に対して、5年生の男の子がこんなセリフを書きました。

「死ね、ブス」

なかなか、インパクトのあるセリフです。書いた男の子も、「これ、教育的にまずいですか?」と聞いてきます。
一瞬迷いましたが、創作は否定から生まれません。そこで、「いいセリフだね!」と言いました。一瞬、男の子は戸惑った顔をしましたが、ちょっと嬉しそうでした。
そこで私は、「じゃあ、『死ね、ブス』って言われた子は、次になんて言うの?」と聞きました。すると男のはしばらく考えて「『生きる!ブスじゃないし!!』っていう。そんで、蹴って逃げる」と言い出しました。「おぉ~いいじゃん!で、その後は?」というと、もう夢中で書き続けます。

だから何だ…と思うでしょうか。
でも、ここ、とても大切なところだと思うのです。なぜなら、「死ね、ブス」はダメだよ。と否定することは簡単です。男の子も、そう言われれば消したでしょう。ですが、消した後おそらく一行も書けずに終わったのではないかと思います。

男の子には、消さずに次のセリフを考えてもらいました。その時に男の子は頭の中で、色々なことを考えたと思います。
「せっかく告白したのに、『死ね、ブス』って言われたら、どんな気持ちになるかな?」
「そういえば、なんて『死ね、ブス』って言ったんだろう?言った方はどんな気持ちでいったのかな?」
「この二人は、そもそもどんな関係なのかな?」などなど。

「死ね、ブス」を否定せず、次のリアクションを考え、書いてもらったからこそ、男の子は考える機会を失わずに済んだのではないかと思います。

創作は否定から生まれない。想像力も否定からは生まれない

創作したものに対して、否定しないというのは、その先の想像する可能性を奪わないということではないかと思います。

シナリオ・センターでは、キッズシナリオの他に、大学生向けのカレッジシナリオを実施しています。キャリアについてなど、シナリオを使って考えてもらう授業などをしますが、最近の大学生はとても素直で、真面目に授業を受けます。私のころとは、大違い。

ただ、気になることがあります。

なんか、真面目だけど、元気がないというか。積極的ではないというか…こちらの授業のやり方にもよるのかもしれませんが、少人数のクラスであっても活発に発言をする学生が少ないのです。

この雰囲気は、最近の若手のビジネスパーソンにも共通しています。
ここ6年くらい大手住宅メーカーの2年目営業担当者向けに研修をしていますが、年々大人しくなっていくように感じます。尖がった方というか、目立つ方というか、そういう方をあまり目にしません。研修する側は、ある意味楽なのですが、なんか物足りない感じがします。

では、なぜ、そんな雰囲気を私が感じるのか。この疑問が解けた言葉がありました。
長く大学でキャリアセンター長を務め、企業の採用担当者ともつながりが深い安田先生とお話ししている時でした。

「最近の学生や若手の社員の方は、大人しいでしょ?あれ何でかというと、彼らは常にお互いを監視してるんですよ。無意識のうちに。SNSあるでしょ?オンラインもオフラインも、突出できないの。
だから、昔みたいに○○デビューってのもない。一度できたクラスカーストの世界でずっと生きていかなきゃいけない。というか、そう思い込んでる」

私、この話を聞いて気づいたんです。
「そうか、みんな否定されるのを、恐れているんだ」と。

というよりも、ほめられることに慣れていないんじゃないかと。それって、自分のしたこと、言ったことを誰かに認めてもらう経験が少ないということだと思うんです。

だから誰もが、突出することを拒むのではないでしょうか。

ほめることは、考える機会を生み出す

「空気を読む」や「空気が読めない」と言う意味の「KY」という言葉が出てきたのが、2007年頃。2017年版が「忖度」でしょうか。

この10年、日本中がそんな雰囲気の中にいるということです。そんな日本で思春期を過ごしてきたら、そりゃ、突出なんてできるはずがありません。空気読んじゃうよね。

だからこそ、「ほめる」ということが、今、必要になるのではないでしょうか。「ほめる」ことは認めることだからです。たとえ考えが足りなかったとしても、一度認めることで、次に考える部分を示すことができるはずです。「死ね、ブス」のセリフに、続きがあるように。

大人が子どもに対して、経験ある者が経験ない者に対して、「ほめる」ことが大切になるのは、相手の考える機会を守るためためです。

ビジネスの世界で「心理的安全性」という言葉が、話題になっていますが、平たく言えば、相手を認めてあげることです。それをわざわざ言葉にしないいけない、というところに、今の社会の「心理的不安定性」があるのかもしれません。

人が人を認める場を増やしていく

誰かから、ほめられ、認められる。そんな場所が少しずつでも増えていけばいいのではないかと思うのです。「心理的安全性」を社会まで広げていけたら、ステキじゃないですか。

例えば、ちょっと前から、青山表参道界隈で話題になっている「(仮称)港区子ども家庭総合支援センター」。なんか、すっごい建物がその内、建つらしいです。
ただこの施設については、賛否両論あるようです。ワイドショーなどでも、取り上げられています。

私の元家庭教師で、現在は弁護士である石渡ゆきこ先生が、児童相談所の在り方や「(仮称)港区子ども家庭総合支援センター」の問題点など話し、みんなで考える『青山子どもミーティング』というイベントを実施しています。>>興味のある方は、石渡ゆきこ公式サイト

イベントの中で、児童相談所に詳しい弁護士の方のお話を聞いたり、親元を離れて暮らす子どもたちの支援をしているイチゴイニシアチブという団体のお話を聞いたりしていると、個人的には青山表参道エリアだからこそ、こういう施設があってもいいような気もします。

児童相談所が、青山や表参道にそぐわないという考えもあるようですが、いまや、ハイブランドほど子どもの支援や恵まれない地域への支援をしています。『地球上の誰一人として取り残さない』とSDGsを推進している国連大学だってすぐ近くにあるわけですし。

地域全体で、色々な状況の子どもに、それぞれができる関わり方をすることで、存在を認めてあげる、「大丈夫、安心していいんだぜ」って伝えるってこともできると思うのです。(もちろん、行政は反対している人の声に耳を傾け、丁寧に説明をする必要はあるでしょうが…)

シナリオ・センターは、シナリオのことならお任せあれ!なので、地域の人、日本中の人にシナリオを描いてもらいたいと思うのです。そしてほめて、ほめまくる!シナリオには、正解も不正解もないから、どんな小さな部分でもほめるべきところを見つけることができますから。

シナリオ・センターの新井でした。

シナリオ・センターとは

シナリオ・センターは、ジェームス三木さん、内館牧子さん、赤川次郎さん、鈴木光司さんなど600名以上の脚本家、小説家を業界一輩出する学校です。毎クールの連続ドラマの7割近くの脚本を、出身ライターが執筆しています。

シナリオの専門教育機関として、子どもたちの想像力と創造性を伸ばすお手伝いをさせて頂いています。
詳しくは、キッズシナリオをご覧ください。

お子様や親御さま向けの出前プログラムも実施しています。詳しい資料もお送りします。お気軽に下記より「キッズシナリオ」までお問合せください。

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