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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

小説コンクールで賞をとる 2018/第14回深大寺短編恋愛小説
深大寺恋物語 調布市長賞受賞 奥村美紀さん

小説コンクールで賞をとる !

小説家になるためにはどうしたらいいでしょうか?
方法の1つとしてよく言われているのが、小説コンクールで賞をとること。
ですが、「小説コンクールに出したいけど自信がない…」「書こうと思っても途中で諦めてしまった…」というかたもいらっしゃるのでは?

書かなければ、出さなければ、何も始まらない。分かってはいるけど、書ききることができない…。
こんなときは、受賞者のコメントを読んで、自分自身に刺激を与えるのはいかがでしょうか?

そこで、今月受賞発表および授賞式が行われた「第14回深大寺短編恋愛小説 深大寺恋物語」において、『夏の五感』という作品で調布市長賞を受賞した奥村美紀さん(通信本科)にコメントをいただきました。

お話をお聞きすると奥村さんも、「書いているとアイディアが湧かずに諦めかける時は誰にでもあります」、でも、「とにかく誰よりも多く書いて何かしらに出す」と仰っています。

小説コンクールに出そうと考えている人たちは皆、同じ悩みや葛藤を抱えているんですよね。だからこそ、奥村さんのコメントを読めば、今度自分が挑戦するときのヒントになります。

今回は、受賞の感想や応募のキッカケのほか、どんな想いを込めて・どんなことに気をつけて作品を仕上げたのか、お聞きしました。

次回、「深大寺短編恋愛小説 深大寺恋物語」に応募するとき、また、他の小説コンクールに応募するときもぜひ参考にしてください。

第14回深大寺短編恋愛小説 深大寺恋物語 調布市長賞受賞 奥村美紀さん
「受賞作『夏の五感』執筆で心掛けた点は大きく3つ」

――第14回深大寺短編恋愛小説 深大寺恋物語 調布市長賞を受賞して
〇奥村さん:(受賞前と受賞後での)「気持ち」の変化は大いにありました。
入選の連絡を受けた時には足の裏からじわじわと汗をかくほど有頂天になりました。

それから授賞式まで約1ヶ月の期間があき、授賞式当日に入賞内容が分かるという流れでした。

やはり最優秀賞は誰もが望むものだと思うので、届かなかったと分かった瞬間には、ドキドキして待っていた分、正直悔しい思いが一気に込み上げてきたのを覚えています。

表彰式後、最優秀賞の方の朗読があり、さすがだなと思ったのと、きっと私にもいつか書けるはずだと自分自身への「怒り」のような感情が湧き上がり、次のステップへ進む上でモチベーションになっている気がします。

――応募したキッカケ
〇奥村さん:何かに挑戦して自分に自信を持ちたかったというのと、自宅の近くでこのような短編の地方文学賞があるのを今年の6月に知り、〆切が7/31までだったので、力試しにいけるかもと思い応募しました。

私にとっての生まれて初めての文学賞の挑戦でしたので、書いた後には多数の友人に読んでもらって、「大丈夫だよ!いいよ!」と甘い言葉をかけてもらって励ましてもらっていました。

――受賞作『夏の五感』に込めた想いや特に心掛けたこと
〇奥村さん:私は30代なので気持ちを入れやすいように同世代に設定しました。

そこからどんな話にしようか迷っていたのですが、ある日「彼の横顔が好きだ」というフレーズが頭に浮かび、その浮かんだ映像のままドキドキしながら言葉を紡いでいきました。

耳の聞こえない男性を主軸として、その横にいる女性視点で物語は進んでいきます。これは書いて行くうちにそうなりました。

私は即興型なので始めの一文が決まれば短編であれば大体一筆書きで一気に書き上げられます。もちろん、推敲は丁寧に行いますが。

執筆の上で心掛けた点は大きく分けて3つあります。

第1に、物語の縛りは深大寺や周辺地域が盛り込まれた恋愛小説であることでした。
ゆっくりと自然が描かれた絵画を鑑賞しているような物語にしたいと思っていて、深大寺の風景描写を出来るだけ細かく入れ込もうと思いました。

第2に、「恋」といえば一番始めに思い浮かぶのは「瑞々しさ」でした。
10代のような瑞々しさに30代しか出せないような「艶」を入れ込もうと思っていました。

第3に、最後の一文によって完結したはずの物語がまだこれから広がって行くような、男女の未来を感じさせるような作りにすること、この点は心掛けていた点です。

なにかしら機能障害を持った人をメインに持ってくる物語というのは難しい選択だとは思っていましたが、書いているうちにその人となりが匂い立ってきたので直感に従って、自分を信じて終わりまで書き続けようと思いました。

結果、実際に文芸作品として価値があると認めていただけたことは次作への糧となりました。

小説コンクールで賞をとる ために!
「とにかく誰よりも多く書いて何かしらに出す」

――小説コンクール受賞を目指すシナリオ・センターの仲間にひとこと
〇奥村さん:授賞パーティー時に、この文学賞に長く関わる方から言われたのは「とにかく諦めずに書き続けるしかない」というシンプルな言葉です。

書いているとアイディアが湧かずに諦めかける時は誰にでもあります。時間は有限です。
とにかく誰よりも多く書いて何かしらに出す。
それで落ちた時は、その悔しい気持ちが次の物語を作るためのエネルギーになると思います。

―― “通信講座仲間”にもぜひ一言
〇奥村さん:定められた期間で何本ものシナリオを提出しなければならないのは本当に苦しい作業だと思います。私も自分が定めた提出期限を何度破ったことか(笑) 。

今回の私の小説は、シナリオ作成に煮詰まった時に視点を変えようと思って書いたものです。

時には寄り道して書いたものが、それ自体にいきなり光が当てられることはあると思います。
苦しい時こその寄り道、おススメします。

※「深大寺短編恋愛小説 深大寺恋物語」については、こちらの公式サイトでご確認ください。

※「そもそも小説ってどう書けばいいの?」とお悩みのかたにオススメ!小説を書くヒントが詰まった「小説家・脚本家 柏田道夫の『シナリオ技法で小説を書こう』」ブログ記事一覧はこちらからご覧ください。

※公募のシナリオコンクールにも是非チャレンジ!
こちらのブログ「主なシナリオ公募コンクール・脚本賞一覧」をご覧ください。

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