今年4月に放送されたドラマ『対決』(NHK/全5話)。
医大入試での女子受験生一律減点疑惑をめぐり、真相を追う新聞記者と保身を図る大学理事が対立する姿を描いた本作は大変な話題となりました。
この脚本を手掛けたのは、シナリオ・センター出身の脚本家 渡邉真子さん。
渡邉さんは、映画『余命10年』(2022)、ドラマ『プリティが多すぎる』(2018)、『恋はつづくよどこまでも』(2020)、『一億円のさようなら』(2020)、『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(2022)、『こっち向いてよ向井くん』(2023)、『先生さようなら』(2024)、『恋は闇』(2025) などの脚本をご担当。最新作は今年7月11日(土)放送『告白−25年目の秘密−』。
『月刊シナリオ教室』(2026年7月号)では主にドラマ『対決』に関してお話しいただきました。
本ブログでは 「シナリオ・センターでの学びで役立っていること」「シナリオ・センターの効果的な使い方」の2点を伺いました。
脚本家になりたい方や、シナリオ・センターでの受講を検討されている方にとって、大きなヒントになる内容です。是非参考にしてください【広報:齋藤】

20枚シナリオで鍛えた対応力や瞬発力は現場で武器になる
――シナリオ・センターで学んだことで現在役立っていること
〇渡邉さん:ゼミの課題(20枚シナリオ)は毎回テーマが決まっているので、自分が書きたいシーンではなくても、書かなきゃいけない。この積み重ねは大切だと思うんですよね。
というのも、プロになると「このシーンを書いてください」「ここをもう少しこうしてください」といった指定が必ず出てきます。求められた意図に合わせて書く対応力は、ゼミでの「与えられたテーマを満たす課題を書く」という練習の中で育っていくのではないかなと。
その意味でも、課題を書くことは “職業として脚本家になるための第一歩”という感じがします。
印象に残っている課題は、研修科ゼミの「裏切りの一瞬」「憎しみの一瞬」といった“一瞬シリーズ”。
課題を書くときに、大半の人が起承転結の「起」の部分から入るかと思うのですが、べつに「起」から入らなくても全然よくて、いきなり「転」から書いてもいいんですよね。
特に一瞬シリーズは、その練習になると思います。
どう書けばいいか分からなくても、ゼミには上手な仲間がいるから、その人の発表を聞いてみると「“起”から書かなくてもいいんだ」「こう書けばいいんだ」というのが分かってくると思います。
2014年にコンクールで受賞した後に(第4回TBS連ドラ・シナリオ大賞にて大賞を受賞)、受賞者が参加する勉強会があって、そこではプロデューサーやディレクターの方から「短いシナリオを書いてきてください」という宿題が出ました。
短いシナリオというのは、コンクール応募作や1時間モノとはちょっと違って、限られた中で自分が表現したい“その瞬間のこと”を的確に書かないといけない。
受賞者の中にはシナリオ・センター出身の方が何人かいらしたのですが、私たちはゼミで課題を書いていたので、こうした「瞬発力」には苦労しなかったように思います。
この力は現場に出てからも役に立ちました。
自分のホンを発表することに慣れて、人のホンのいいところを探す
――「脚本家」という職業に興味のある方へ、シナリオ・センターの効果的な使い方とは?
〇渡邉さん:自分のホンを発表することに慣れたほうがいい気がします。
人前で自分の作品を読むって恥ずかしいじゃないですか。
だけど、プロになったら本打ちでみんなに読まれます。
ただ、本打ちは「このホンをもっとよくするぞ!」とみんな同じ方向を向いている、熱量のある人たちの集まりなので、ビビることは全然ないんです。
だから、ゼミにいる間は「自分のホンについて話すこと」に慣れて、同時に、「人のホンのいいところを探すこと」もしたほうがいいと思います。
みんなラクして書いてきているわけじゃなくて、ちょっと辛い思いもしながら「よっこらしょ!」という気持ちで仕上げているから、絶対にいいところはあると思うんですよ。
そのいいところをゼミで伸ばせばいい。
うまくいっていないところをつつくのは批評家。
お互いの作品のいいところをみて、褒め合う。
「こういう描き方もあるんだ!」と、人の作品のいいところは全部見つけて、それを全部自分流に変えて取り入れる!くらいの気持ちで臨めば、みんな気持ちよく、発表していける気がします。
* * *
今回ご紹介した渡邉さんのお話から、シナリオ・センターでは、ひとりでは身につけにくい力を養うことができるということがお分かりいただけたのではないかなと思います。
脚本家を目指す方や、受講を検討されている方は、ぜひ参考にしていただき、受講をご検討いただければと思います。
※以前渡邉さんにお話しいただいた模様も併せてご覧ください。
▼脚本家になったら 思い出してほしい/脚本家 渡邉真子さんの言葉
- 「基礎さえしっかりしていれば、いま書いているライターぐらいには到達することは可能です」
この言葉は、シナリオ・センター創設者であり脚本家の新井一が述べたものです。
こうなるためにまずは、土台となる“基礎”をしっかりと身につけていきましょう。
シナリオ・センターでは、受講生・出身生が数多くシナリオコンクールで受賞しており、学びの成果が着実に実を結んでいます。受賞を狙っている方は是非、シナリオ・センター講座をご検討ください。詳しくは講座のページへ
※シナリオ作家養成講座とシナリオ8週間講座は、体験ワークショップも実施しています!












