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『 覚悟はいいかそこの女子。 』を作って/脚本家 李正姫さん×プロデューサー 木村元子さん

2018.10.16 開催 THEミソ帳倶楽部「映画『覚悟はいいかそこの女子。』を作って」/映画企画とシナリオの極意」
ゲスト 李 正姫さん(脚本家)、木村元子さん(プロデューサー)

シナリオ・センターでは、ライター志望の皆さんの“引き出し=ミソ帳”を増やすために、様々なジャンルの達人から“達人たる根っこ=基本”をお聞きする公開講座「ミソ帳倶楽部 達人の根っこ」を実施しています。そのダイジェスト版を『月刊シナリオ教室』(今回は2019年1月号)から。
今回は、映画『覚悟はいいかそこの女子。』の公開を記念して実施した講座の模様をご紹介。ゲストは同映画のプロデューサー 木村元子さんと、脚色を手掛けたシナリオ・センター出身の脚本家 李正姫さんのおふたり。それぞれの立場から、『覚悟はいいかそこの女子。』の企画の成り立ちや、決定稿となるまでの執筆の経緯、また、監督やプロデューサーとのコミュニケーションの取り方などもお話しいただきました。「脚本家を目指す今やっておくべきこと」と「なってから気をつけた方がいいこと」が良く分かりますので脚本家になりたい方は是非参考にしてください。

俳優さんありきで企画

〇木村さん:この映画は私が立てた企画なので、まずは私のほうから話させていただきます。

ある日、『夜行観覧車』というテレビドラマ(TBS)を見ていたら、中川大志くんが出ていました。当時はまだ子役でしたが、素晴らしい俳優だということは知っていましたので、絶対この人と仕事がしたい、プロデューサーとして、この人の別の一面を引き出したいと思いました。

マネージャーさんに、彼が今後どんな方向の作品をやってみたいのか伺うと、少女漫画を原作としたキラキラものをやりたいんですと。こういった作品は演じられる時期が、つまり年齢が限られてくるんですね。私はもともと少女漫画が大好きで読んでいるものですから、原作を探せてくださいということになりました。

そして『きょうのキラ君』という映画を製作させていただきましたが、中川くんの演技がとにかく素晴らしいんです。いろんな引き出しが見えてきたのですが、若いので、どこにどんな引き出しがあるのか本人もまだわかっていない……という中で、私がぜひやってみてほしいと思ったのがコメディでした。

コメディでもう1回、中川くんと一緒にやりたいと思って探し出した原作が、今回の『覚悟はいいかそこの女子。』でした。 

『覚悟はいいかそこの女子。』は、原作探しにフラっと本屋さんに入ったら、たまたま本屋さんにコミックス版が平積みになっていて、タイトル買いですね。読んでみたらスゴく面白い。すぐに集英社に連絡しました。そこから映画会社さんとお話をして、脚本家をどうしようかということになりました。

私は脚本家のマネジメントもしていまして、その中に李さんもいらっしゃるんですが、どなたかに頼みたいなと考えた時に李さんの名前が浮かびました。

李さんとは今まで若い人がターゲットのものをやったことがなかったんですが、コメディセンスがスゴくある方だと思っていました。ドタバタとキュンキュンの間を狙っていくのに、ちょうど適しているのではないかと思い、スケジュールを聞きました。李さんのマネジメントをしているはずなのにスケジュールを聞くという……。(笑)

〇李さん:そうなんです。「李さん、空いてますか?」って(笑)。『科捜研の女』(テレビ朝日)のシナリオがちょうど脱稿するタイミングで、出来ると思いますとお答えしました。私は2009年から『科捜研の女』を書いていまして、プロデューサーの皆さんからはサスペンスの李~と思われているようなところがありました。

なので木村さんから「『覚悟はいいかそこの女子。』の原作を読んでみて」と言われた時は「私でいいんですか?」って、ちょっと思ったんです(笑)。でも自分はもともとラブストーリーが大好きなので、ぜひやらせてくださいとお話しました。

〇木村さん:企画が決まると、かなりスピードが早く動くことが多いです。中川くんのスケジュールは、だいたいこのへんが空いていますと言われて、そうすると逆算して、このあたりですべてが揃っていなくてはいけないっていうことになる。そのスケジュールがずれてしまうと、もう組めないということになってしまうので、こればかりは運ですね。

〇李さん:そうですね、やりたいのに、(スケジュールが)重なる時は重なるっていうことがありますね。

〇木村さん:不思議ですけど、そうなんですね。でも今回はスパっとハマって、李さんにお願いすることが出来ました。それでまず映画でスタートして、そこから広げたいなと思い、ドラマの企画を立ち上げました。広げたい理由は2つありました。

1つは作品の認知を広めるため。もう1つは映画単体だとパッケージとして売りづらいという時代だからです。これはメーカーによっても違うので、ケースバイケースではあるんですが、2時間単体で売るよりも、ドラマがあったり、多少長尺のほうが売りやすいということがあります。

今回はMBSの深夜枠ということで、以前の中川くんのドラマ『監獄学園-プリズンスクール』(2015年)がとても成績が良かったので、話はすぐにまとまりました。今回は企画が立ち上がってから、比較的スムーズな流れで進行したと思います。

ラスト部分の直しを経て決定稿に

〇木村さん:今回プロデューサーは、東映さんから1名、MBSさんから1名、私の計3名と、監督、李さんの5名で主にホン打ちをしていました。だいたいこのくらいの人数になります。

原作は2巻しかないのですが、そのエピソードを生かしたのが映画のストーリーとなりました。まず映画のシナリオを作り、そこからテレビのエピソードに移行しました。

〇李さん:原作をまず読んだ時に一番伝えたいなと思ったのは、恋することの素晴らしさですね。

主人公の古谷斗和は超絶イケメンの愛され男子ですが、実は本当の恋をしたことがない。そんな斗和が好きな子のために頑張って想いを伝えようとするピュアで素敵な話です。その良さをどうやって生かせばいいかを考えながら、シナリオに入りました。

原作ものだからということではなく、伝えたいメッセージをどのように映像化していくか、それが一番の課題でした。ドラマの場合は、スケジュールが厳しくて稿を重ねることがあまりできなかったりするんですが、この映画はスケジュール的にも時間があったので、どうやって伝えればいいのかというところを、木村さんやプロデューサーの方と何度も意見を交換しました。

ラストシーンは、どうしたらメッセージが伝わるのか考えて何回も書き直しましたが、ずっと書いていると何が正解かだんだん分からなくなってくることがあるんです。でも、そういうときはいつも、最初に原作を読んだときの気持ちを忘れないようにしようと、何が一番面白いと思ったのか、ピュアな気持ち、頑張る姿を思い出して、そこを素敵に見せるようにと思い、脚本の直しをしました。

それで、映画は一回準備稿の段階で止めておきましょうっていう話になりました。ドラマを書くことによって、またキャラクターが膨らんでいく可能性もあるので、映画を先に決定稿にしてしまうと、あとから反映できなくなってしまう恐れがあるわけです。

2時間だと主役やヒロインのことは書けても、周りの登場人物のことまであまり書けない。それをドラマのほうで書くことが出来て、私はとても良かったと思います。ドラマでキャラクターがしっかり掴めているので、映画のほうでは、セリフは1行たりともブレませんでした(笑)。

〇木村さん:映画の脚本を大直ししたのは、ドラマを書いた後でしたよね。

〇李さん:そうですね。もうちょっとで決定稿にしましょうという時でした。木村さんのほうから話があるから、ご飯を食べましょうと言われたんです。何となくドキドキして行ったら、想像通りというか、案の定というか、ちょっと直しましょうということで。どこがちょっと?っていう内容だったんですけど(笑)。

〇木村さん:全体のバランスを考えて、映画っぽいクライマックスというかイベントを作らないといけないということで、原作にも完成した映画には影も形もないシーンを考えて作っていたんですが、それがずっと引っかかっていて、多分、李さんもそうだったと思うんですよね。

〇李さん:そうですね。

〇木村さん:何かが上手くいっていないんです。まとまってはいるし、商品としてお出ししても恥ずかしくないレベルにはなっているんですが、何かストンと落ちない。

私は、なんとなく李さんもそれを感じているんじゃないかなと勝手に思いながらも、読んでくださって面白いと言ってくださる方もいて正解なのかなと思ったり……。李さんがドラマのほうにかかりきりだった時期に、私のほうでずっと考えていました。

映画っていろいろな作品がありますが、今回はシンプルに作りたかった。お客様にとって日々大変なことがあっても、カッコいい男の子たちと綺麗な女の子をポーっと見ているうちに、心をフっと打たれるような作品にしたかった。

でもその割に主人公が活躍していない。たぶん、シナリオ講座の最初に習うような基本的なことだと思うんですが、そこを洗い直していくと、ここが違うっていう点が見えてきました。私が勝手に思っている李さんとの信頼関係の中で、ご飯で釣って(笑)、全部話そうと決心しました。

〇李さん:「今日、決定稿の打ち合わせ」って聞いて行ったのに、ものすごい直しでした(笑)。

でも盛り上げようとするためのイベントを入れることで、逆にシナリオをこねくり回してしまったんじゃないか。メッセージを伝えるためには、もっとシンプルでいいんじゃないかと木村さんから言われて、確かにそうだと思いました。主人公が彼女のために何が出来るかっていうのを考えて、書き直しました。

〇木村さん:そこで直すということは、いろんなことを組み直していかなくてはいけない時期だったんですが、ほかのプロデューサーや監督にも快諾していただき、やりましょうということになりました。李さんの直しのスピードも、ものすごく早かったですね。

〇李さん:ドラマの直しもある時期で、ドラマはキャラクターだけ生かしたオリジナルストーリーで、大変は大変だったんですが、なんとかなるものですね(笑)。映画のラストをいかに感動的にするかということはずっと考えていたので、決定稿になる直前に直しができたのは良かったと思います。

〇木村さん:間に合わせていただいた、ということだと思います。今回、私の中で嬉しかったことの1つは、李さん1人に書き切っていただけたことです。映画もそうですが、最近テレビドラマはスケジュールが非常にタイトで、物理的に1人のライターさんで書けないような現状もあります。

〇李さん:連ドラで全話書けるというのはライターにとってとても嬉しいことです。複数のライターさんで書く場合には相互の調整も必要となりますが、1人で書く場合には様々なことに挑戦できますし、書き切ることによって愛着も湧いてきますね。

脚本と演出の狭間

〇李さん:今回、『覚悟はいいかそこの女子。』をやる時に、どこまでコメディ路線にするかについては、かなり話し合いました。

つまり、例えばギャグや変顔も、どの程度までふざけたものにするのか、実際撮影してみないと、脚本家にはわからない部分もあります。監督によってはト書きを拡大解釈して、ギャグの要素をいっぱい盛り込む方もいらっしゃいます。あとから「こんなこと書いてないのにな」っていうことにならないように、そのあたりはよく話をしました。

〇木村さん:皆さんが脚本を書かれる時に、ト書きが少なすぎると、スタッフによって受け取り方が異なってしまうんですよね。「青」って言っても、想像する青は人によって、みんな微妙に違う。私が思っている色よりも、李さんはもっと濃い色を思っているかもしれないし、監督はもっと薄い色を想像しているかもしれない。

そういう違いが、脚本家の書いたことを監督が膨らませてくれて、さらによくなるパターンと、脚本家からすると「え、ト書きに書いたのに!」となってしまうパターンがあるわけです。ト書きに正解はないんですが、ト書きをものすごく書き込む方が、最近の傾向として多い。

でも私はそれを正解だとは思っていないんです。クリエイティブがぶつかってなんぼの現場なので、あまりに書き込みすぎると、今度は監督の余地がなくなってしまう。ベテランの監督になると「ふざけんな、この脚本」って思われたりすることもあるわけです。

〇李さん:言われますよね。難しいところです。

私の場合は、現場の様子を見て変えることもあります。この現場ではいっぱい書いたほうがいいとか、書かないほうがよさそうっていうのは、自分の肌で感じることです。

でも、私は後悔したくないので、怒られてもいいから、私が作りたいのはこういうことで、こういうふうにしたいということは、基本的には細かく書きます。ト書きが多いと言われたら削ればいいわけですし。自分の頭の中を整理するためにも最初は書いておきます。

〇木村さん:あとは何回ご一緒しているかというのも重要であって、毎回新しい人と組む脚本家、プロデューサー、監督というのは、なかなかいないと思います。同じ現場を経験しているうちに共通言語が出来てきて、わかり合える組になっていく。

そういう意味で、皆さんもプロとしてやっていく時に、気の合うプロデューサーや監督と出会うというのが、すごく大事になってくると思います。

ただ脚本家としては「えっ」と思っても、そこは出さずにやっていくことも必要ですね。

〇李さん:そうですね。お仕事なので、そんなしょっちゅうケンカしていてもいけないので。この方の地雷はここだなというのを最初に見極めておいて、その中で自分のやりたいことを話して通すように心がけています。

〇木村さん:それと、映画のシナリオ製作で気をつけたいのは、ターゲットをどこに定めるかという点です。

この作品は私が今までプロデュースした中で一番ターゲットの年齢が低い作品です。今、高校生がなかなか映画館に行かなくなっているということ、中川くんがやりたいことなども考えて、中学生のマインドで書いていただきました。

〇李さん:主人公の年齢は脚本上は高校2年生なんですけど、リアルな高2じゃなくて中2くらいのマインドで書きましょうということになりました。実際の高校2年生でも可愛い部分はあると思い、中学2年生くらいのピュアさで書くようにしました。

〇木村さん:ホン読みの時、役者陣全員と「中学2年生くらいのピュアさで」というのは共有してやっていただきました。このピュアさでやっていくと、こういうシーンがこういうふうに生きてくるという感じで説明いたしました。ターゲットって大事で、そこから広がっていくのはいいと思うんですが、ブレてしまうと作品自体の輪郭がボヤっとしてしまう。

映画『カメラを止めるな!』はいろんな余波で、ムーブメントになっていますが、最初から大勢の人に見てほしいというマインドでは作っていないですよね。監督の独自性をいかんなく発揮して、好きな人に見てほしいという作品だと思います。作る上でマインドがぶれないということは重要です。

〇李さん:好きな彼女のために、中川さん演じる斗和が変わっていく成長の度合いというのを、どういうふうに見せていくかというのは、段階を追って考えました。第一段階では愛され男子でモテるし何の苦労もない、彼は自分のことだけを考えている。

そこから、好きな彼女に出会ってどう成長していくか。それを表すために、柾木先生とのやりとりについては、特に気をつけて書いていきました。

〇木村さん:柾木先生は小池徹平さんが演じていらっしゃるんですが、作品全体のことと自分のポジションをしっかり押さえて現場に入ってくださって、素晴らしい俳優さんでした。

雪景色のラストシーン

〇木村さん:ラストシーンは雪景色なんですが、それは当初はまったく予定していませんでした。最初から雪を降らすことのできる日本映画ってバジェット的にほとんどありません。今回は撮影の時に、大雪が降ったんです。

バジェットとロケ場所の関係上、役者さんのスケジュールも引っ張れず、別日に撮影をずらすことも出来ず、なんとか撮らなくてはいけない。役者さんが到着しても照明車が立ち往生してしまって、朝から予定していた撮影を始められたのが夕方の4時すぎで、撮れる時間が非常に少なくなってしまいました。

撮影予定は2日間だったんですが、あたりは大雪ですから雪かきをしない訳にはいかない。でも、雪かきをしてしまうと、今日と明日のシーンを繋げられない。結果、雪を戻して撮影して、また雪かきをするという選択をしました。

電話をかけまくって、雪かきのアルバイトを探して雪かきをしました。そういう想いのつまったラストシーンを見ていただければと思います。それが脚本といちばん違うところです。

〇李さん:「降っちゃったんで、いっそ雪のシーンにしようと思います」って木村さんからお電話があって、聞いてはいたんですけど、出来上がった映画を見て「おおっ」って思いました(笑)。

〇木村さん:まずいことにラストシーンの前、中川くんが電車に乗っているシーンがピーカンの天気なんです(笑)。脚本家の李さんには申し訳なかったんですが、「雪だ」というわざとらしいセリフを入れて、CGで雪を降らすことでつなげさせていただきました。

コミュニケーション能力と理解力

〇木村さん:私がホン打ちで気をつけていることなんですが、代案なしには行かないことですね。私は脚本家のマネジメントもしているので、そういう場面にも居合わせることがあるのですが、プロデューサーの方でいるんですね。「うーん」って言って、そのあと沈黙が続いてしまう。それはクリエイティブにとってよいことではないと思うんです。

こちらが玉を打ち返すと、たとえ思い通りにはならなくても、何かしらの打ち返しがあって、結果じゃあこれで行きましょうってなる。それがホン打ちだと思うので、具体的な案を持って行くように心がけています。

〇李さん:「なんか違うんだよねー」って言われると確かに困ります。やはり代案を持ってきてくださる方がいいですね(笑)。やはりお互いに理解しようとするってことですかね。

プロデューサーさんはプロデューサーさんでこういうことをやりたいっていうことがあると思うんです。せっかく私を呼んでくださったからには、私の良さをわかっていただいて、お互いに正解を探して、最終地点まで目指していけるような仕事がしたいと思います。

〇木村さん:脚本家の方って、たぶん小説家とはちょっと違っていて、コミュニケーション能力と理解力が大切なんじゃないかと思うときがあります。

プロになってホン打ちに行くと、例えば3人くらいのプロデューサーが、それぞれ違うことを言ってくることがあると思います。そういうときに、「誰の意見を聞けばいいですかね?」って誘導できるようになれば、かなりスキルが上っている状態です。

最初のうちは、言われるがままに聞いて帰って来るしかないと思います。実際、マネジメントをしている若い作家さんから相談されて、ホン打ちに付き添ったことがあります。

私は担当プロデューサーではないので話を黙って聞いて、帰ってきてから「たぶん、あの人の意見を聞いたほうがまとまる」みたいなアドバイスをしたことがあります。

コミュニケーション能力と相手が言ったことを咀嚼して文字に出来る能力、これは良いセリフを書ける能力と同じくらい大事なことです。

私がマネジメントしている脚本家さんのシナリオは、名前が書いてなかったとしても誰が書いたのかすぐわかります。でも最近は、読んでもどなたが書いたのかわからないライターさんが増えてきているような気がします。

そうなると誰が書いても同じってことになってしまいます。カラーを見てプロデューサーは仕事を頼んできたりするので、そこは頑張ったほうが仕事に繋がると思います。

〇李さん:皆さんにとって「いつデビューできるんだろう」という不安な日々だと思います。私もシナリオ・センターに通っている時がそうだったので、皆さんの気持ちがよくわかります。今はデビューするために力をためる時期です。

私はいろんな作品を見て、20枚シナリオがいつかドラマや映画のもとになるかもしれないと思いながら、毎回書いて出していました。せっかく受講料を払って勉強しているのですから、課題は必ず出してほしいと思います。

〇木村さん:この世界自体が、何年頑張ると課長になり部長になるとか、そういう場所ではないので、足がかりをどこに持って行けばいいのか、皆さん悩んでいらっしゃるかと思います。

ケースバイケースですから、いろんなところにアンテナを張るというのがベーシックに大切なことだと思います。ひとつひとつの出会いを大事にしてほしい。もう1つは体力勝負。体力がないと、この仕事は絶対出来ません。

あと李さんがおっしゃったように、今しか作品を見る時間はないと思いますので、幅広く映画やドラマを見て、引き出しをたくさん増やしてください。

これからプロになろうとすると、プロット依頼があってやっと書けたと思ったら、プロデューサーにケチョンケチョンに言われて、お呼びがかからなくなる、なんてこともあるかと思います。でもそんな時でも、一緒に仕事をしたいと思ってもらえる人にならないといけないんです。

たまにいらっしゃるんですよ。若手のプロットライターさんで、ものすごく暗い雰囲気で部屋に入って来られたりする(笑)。そうなると、「ごめんなさい。それじゃなくても、今いろいろ目一杯なんで、次はいいかなー」みたいな気分になってしまうんですね(笑)。どんなに嫌なことがあったとしても、常に明るく前向きに頑張っていただけたらと思います。

〈採録★ダイジェスト〉THEミソ帳倶楽部「映画『覚悟はいいかそこの女子。』を作って」/映画企画とシナリオの極意」
ゲスト:李 正姫さん(脚本家)、木村元子さん(プロデューサー)
2018年10月16日採録
次回は9月28日に更新予定です

※李さんのコメントを掲載したこちらの記事「出身ライター李正姫さん/『覚悟はいいかそこの女子。』テレビドラマ&映画の脚本をご担当」も併せてご覧ください。

プロフィール

・李 正姫(り・じょんひ)
東京生まれ。広告代理店勤務を経て、2000年に脚本家デビュー。脚本を手掛けた主なテレビドラマは『真夜中のパン屋さん』(NHK)、『嘆きの美女』(NHK BSプレミアム)、『孤独の歌声』(WOWOW)、『お・ばんざい!』(MBS)、『世にも奇妙な物語』(CX)他多数。また、『科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日)で脚本を手掛けた作品がファン投票で第1位に選出され話題に。

・木村元子(きむら・もとこ)
兵庫県生まれ。上智大学比較文化文学部卒業。読売テレビに入社。 広報、バラエティ制作部でのディレクターを経てドラマ制作部へ。 映画『兄友』(2018)『覆面系ノイズ』(2017)『きょうのキラ君』などの映画の企画プロデュースの他、『ホテルコンシェルジュ』(TBS)『闇金ウシジマくん』(MBS/TBS)などの企画・プロデュースを手掛ける。

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