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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ゴールデン・ウイークの過ごし方

映画「渚にて」ポスターから

渚にて

シナリオ・センター代表の小林です。昨夜21時過ぎにハルの散歩に出かけたところひとっこひとり歩いておらず、日本テレビ通りにでても車も行き来がなく、お店はみんな閉まっているし、工事中の日本テレビの防御壁に、信号の色だけが鮮やかに彩り、まさにゴーストタウンでした。
ふと、子供の頃観た「渚にて」という映画を思い出して、立ちすくんでしまいました。

思い出した「渚にて」は、1959年に作られた映画です。
近未来1964年、米ソで水爆を落とし合い、すべての人類が死滅していくまでを描いているSF映画ですが、グレゴリー・ペックを主人公に(講座で「ローマの休日」をご覧になった方はあの記者役の人です)、エヴァ・ガードナー、フレッド・アステア、アンソニー・パーキンスなど当時の錚々たる俳優さんが勢揃いの映画でした。

原爆で、北半球が全滅し、南半球の様子を見に命じられ、潜水艦でグレゴリー・ペックたちは出港します。
北半球は死滅し、無線が入ったことに誰か生きていると喜ぶと風がなせる業だったりと失望しながら、潜水艦はオーストラリアにたどり着きます。
オーストラリアでは人類最後の自動車レースをしており、すべての人へ安楽死の薬が配られていました。
家族とともに最後の時を過ごし薬を飲む人、ひとり愛する人を探しに出ていく人等などそれぞれの死に向かっていく姿が描かれ再び死の海へと向かう潜水艦の姿がラストです。

全編流れる「渚にて」という音楽が、オーストラリア民謡なのだそうですが、心にしみわたり、子供心に恐怖だけでなく深い悲しみに陥ったものでした。
今でもあのメロディが時たま浮かぶほど深い絶望に胸が塞がれるほどの鮮烈な映画でした。(記憶に頼っているので、本当のシーンはどうだったかは自信ありません。すみません。(笑))
ちょうどいい機会なので、もう一度見てみようと思います。
今起きていることは、近くはないけれど遠くはないなと思いながら思い出したのです。

ゴールデンウィークは家から出ないことで、ピークアウトするのか、蔓延を防げるのか定かではありませんが、でも、世界中を見ても今はこれしか方法がないのなら、「自分は大丈夫かもしれないけれど、他人に感染させるかもしれない」と思って、家で楽しみを作りましょう。
幸いに私たちには、シナリオがあります。小説があります。創作があります。
楽しみがあることは幸せです。。

シナリオ日記

いまいち心の中がわさわさしてしまう昨今、ゴールデンウイークのお勧めが、私が提唱している「シナリオ日記」。
毎日、嬉しかったこと、腹立ったこと、楽しかったこと、悲しかったこと等などその瞬間をシナリオ形式で描いてみましょう。
録画を再生するように、自分の心の声は抜きにして、その場面をシナリオで描く。
そして、2,3日後に読み返してみる。
そうすると、自分の気持ち、相手の気持ちがくっきりと見えてきます。なぜかというと、ちょっと時間をおくことによって、俯瞰で見ることができるからです。
私たち、創作する者が大事なのは、俯瞰で物事を見つめることです。
普通の日記も書くとすっきりはしますが、それは主観的でしかないのです。ですがシナリオで起きた場面を描いてみると、客観的になるのです。

シナリオは初めての方、シナリオは文章ではないのでとても簡単。柱とト書とセリフの3つで成り立っています。
〇柱 場所の指定です。ここでドラマが始まりますよという場所を設定します。
ト書、このシーンには誰と誰がいて何をしているのか、登場している人のしぐさや動作を書きます。
セリフ、誰かとの会話ですね。
なので、シナリオの形式はきちっとあるのですが、初めてシナリオに挑戦してみようと思う方は、今はこの3つで描くことだけでいいので、書いてみてください。
ついでに言うと、ト書には気持ちは描きません。あくまで見えることだけを書きます。

〇古井家リビング(柱です)
   花子、テレビの前に寝転びながらザッピングしている
   横のソファでジュースを飲んでいるに佳子(16)に(ト書です)
花子「ねえ、私にもちょうだい」(セリフです)
   いかにもいやそうな顔をしながら、飲みかけのジュースを差し出す佳子
佳子「寝てばかりいないで、自分で取りに行けばいいじゃん」
    花子、急に起き上がって
花子「なによ、いつもやってあげているんだから、ジュース飲むなら、飲む?
 とか聞いてくれたらいいでしょ。誰が食べさせていると思うのよ。あんたは
 いつも、そうなんだから・・・」
佳子「起きれるじゃん!」
   佳子、ジュースのコップをガチャンとおいてリビングから出ていく

案外よくある風景ではないですか。毎日一緒にいると仲良し家族でも一触即発って感じの時もありますよね。(笑)
ま、これはドラマではなくスケッチ(情景を描く)ですが、シナリオ日記はスケッチでいいのです。
こんな感じで、場面を思い出しながら描いてみてください。
で、後から読んでみて、あなたが花子だったら、佳子だったら、もっと違った接し方があったかも・・・さて、さて。
ゴールデン・ウィークの毎日を、コロナ離婚やコロナ家庭崩壊、コロナDVなど等が起きないように、「シナリオ日記」を使って客観性を大事に、楽しんでいただけたら嬉しいです。

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