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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人間だから

シナリオ力をつける本(ビッグビヨンド社)

言葉を持つ

シナリオ・センター代表の小林です。渡辺謙さんが、森下佳子さんの大河ドラマ2025年放送のNHK大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」に田沼意次役で出演することを発表されました。
娘さんの杏さんが森下さん脚本の朝ドラ「ごちそうさま」でお世話になった恩返しだそうです。
脚本家に恩義を感じるって、謙さんはいい役者さんだなぁと思いました。
この脚本だったら出演したい、この脚本家が描かれた作品だったら出演したいと役者さんに言わしめる脚本を描いていきたいものです。

こういうご指名は嬉しいですが、日本中を揺るがしているジャニーズ問題。
記者会見に発言させないためのNGリスト、顔写真付きで指名してはいけない記者をリスト化していたという驚くべき事実に、情けなさを感じました。
NGリスト、1社1問、更問なしというものを創りだしたのは、安倍政権からでしょうか。政界はどんどんひどくなってきています。
本質を突かれては困るような質問、自分達を傷つけるような人、反対意見を持つ人たちを一切排除したい一心から生まれたことなのでしょうが、これは言葉を持つ人間がすべきことではないと思います。
人は皆違います。一人ひとり想いも考えも違って当たり前。
だからこそ、言葉を尽くすことでお互いの考えを知り、新しいものを生みだすための力にしなければならないと思います。
自分だけが正義ではなく、それぞれの正義を理解しようと言葉を尽くして探り合っていくことが大切なのです。
記者会見のNGリスト、1社1問、更問なしは、完全にコミュニケーションを否定しています。
少なくともジャーナリストであるなら、唯々諾々と従っては存在の意味すらありません。今回のことを黙認している記者さんたちは、少なくとも記者としての己を恥じるべきだと私は思います。
また、このNGリストにジャニーズ事務所が関わっていようがいまいが、知らなかったではすまない、責任はすべてジャニーズ事務所にあります。加害者は亡くなっていて、代理でトップになってしまったので気の毒かもしれませんが、責任者となったからには、そこまでの責任も背負わなくては、今後の一番大事な部分の解決に結びつかないのではないかと危惧してしまいます。
私たちは言葉を持つ人間なのですから、伝えあっていくことを大切にしていきましょう。

シナリオ日記

こういうことがあると、ついついシナリオを学んでほしくなります。
シナリオはドラマを描くだけでなくてこんな風にも使えます。
私は、シナリオ日記とというものを20年前から提唱しています。
日記は、自分の思いを吐露するものですが、ちょっとシナリオで描いてみてください。
今日あった嬉しかったこと、悲しかったこと、不愉快だったことなどなどのシーンを思い出して、そのままシナリオで描くのです。
Aさんがどう言ったのか、どんな態度だったのか、Bさんは?自分は?
思い出して、ビデオテープを巻き戻すように、その時のシーンを忠実に描いてみてください。
シーンをそのまま描くことで客観的にとらえることができます。

次の日または2,3日してから読み返してみてください。
嬉しかったわけも、不愉快だった彼の態度もセリフも一歩引いてみえるから不思議です。
ここまで申し上げればおわかりのように、シナリオを描くには、俯瞰で物事を見なければ描けません。
登場人物すべての人が、どんなキャラクターでどんなことを思って生きていいるのか考えることから始まります。
自分が思うことを伝えるには、一方的では伝わらないということです。

過去記事一覧

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