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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

脚本家の時代

明日の光

ドラマ誌&ドラマ史

シナリオ・センター代表の小林です。3月号のドラマ誌をみていたら、ハタと気がつきました。
今年になって、毎号シナリオ・センターの出身ライターの方々の作品が掲載されていました。
1月号は、出身ライターではありませんが、フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞された沖原佳世さんの受賞作「笑顔のカタチ」。
2月号は、「相棒」で、山本むつみさんと森下直さんの2作品。
3月号は、「メゾン・ド・ポリス」で黒岩勉さん。
シナリオ誌3月号には、岡田惠和さんの映画「雪の華」
さすがに4月号は違うかもしれませんが(笑)、嬉しいですね。勉強になります。 

ドラマ3月号のこうたきてつやさんの著書「昭和ドラマ史」(映人社刊)のご紹介インタビューで「脚本家の時代」のお話をされていました。
そうなのです。脚本家の時代と言われたときがあったのです。
1974年の大河ドラマ「勝海舟」で倉本聰さんと主演俳優がスタッフと衝突して降板した事件がありました。
脚本家と主演俳優はドラマの命ですから、その時から危機感を抱いて、NHKは、脚本家の名前を冠したシリーズを創り始めて、それがいろいろなところに連動してもっと脚本家を大事にしなきゃいけないという方向になったそうです。
そして、NHKだけでなく民放も当たり前になってきて、 TBSの金曜ドラマもタイトルに「山田太一」と一番先に出てきて、その頃はタイトルでは必ず脚本家をまず出したそうで、バラエティでも「構成・小山薫堂」と最初にでていたと。
こうたきさんは、「それが今、ひどいもんですよね、最後の凄いスピードのエンディングロールに小さく出てくるだけ。脚本が誰かみようと思っても見逃してしまうぐらいのスピードで流れていくわけで。 作家をもっと大事にしなきゃいけないと思うのですよね。(略)
名ドラマにしても名バラエティにしても、作家をどれだけ大事にしているのかと密接にかかわっているわけです。
今、作家を大事にしていないというのがスタッフロールでわかる。」とおっしゃっています。
確かに、私もそう思います。
「シナリオありき」とすべての関係者が言いながら、なぜ脚本家を大事にしていただけないのか・・・そろそろ脚色のお尻が見えてきた現在、「脚本家の時代」にしていきましょう。HPでもニュースでも脚本家の名前は、出ていたらめっけもんの感じの今、まずは名前はきちんと載せて、プロデューサー、監督と同格で出していただきたいです。
もちろん、そのためには脚本家がしっかりと描いていかなくてはいけませんから、こちらはこちらで、重責を担うべく頑張っていかなきゃいけませんけれど。

脚本の根っこ

シナリオ・センターでは、講師育成のためのマイスター講座というものを行っているのですが、今年3期目を2月から始めました。
1年ちょっとかけて、講師になるべく新井一の作ったノウハウ「シナリオの基礎技術」、シナリオ・センターのポリシーを理解していただくために徹底的に勉強していただきます。
課題を出して、全員で発表しながら、なぜこういうことが必要なのかということを常にみんなで考えていくようにしています。
ただの新井一の受け売りでは、ちゃんと他人に伝えていくことはできませんから。
今週の課題は「ドラマとはなにか」根本ですね。
さて、どんな答えをみんなが持ってきてくれるのでしょうか。
もちろん、創作に正解があるわけではありませんから、こうでなくてはいけないというお話をするつもりはありません。
新井一だって、死ぬまで試行錯誤を繰り返していました。
講座でも、亡くなる前のシナリオ8週間講座は、今までのやり方と全く違った講義をして、講座担当講師たちを唖然とさせていましたから。(笑)
自分が作り上げたものだって、それを後生大事にするのではなく、前へ前へと変化させていこうとしていたのです。
シナリオ・センターの根っこは、ある意味なんでもありというところかもしれません。
すべてのものごとに対して、新井一は否定をしないところ始めています。どんどん他人の意見も考え方も取り入れます。
違うなとか反対だなと思うことも最初から否定しないで、なんで違うと思うのか、なんで反対なのかと、相手の言い分をきちんと聞いて考えることを大切にしていました。
だからでしょうか。まあいろんなことを知っていましたし、ふだん、他人に対して怒るということがなかった人でした。
シナリオの技術とともに、学び方の、他人への伝え方の基本も新井一の姿勢から学んでいきたいと思っています。
しかし、毎週毎週「シナリオの基礎技術」と「シナリオの技術」を読み直していくのは、案外しんどい作業です。(笑)
「脚本家の時代」を迎えるために、それでも頑張ります。

過去記事一覧

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