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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

第37回フジテレビヤングシナリオ大賞
登場人物の心情を丁寧に描くことで読み手を最後まで惹きつける

第37回フジテレビヤングシナリオ大賞/登場人物の心情を丁寧に描く

第37回フジテレビヤングシナリオ大賞。
応募総数1477編(前回1585編)の中から大賞1編、佳作4編が決定。

その中で、河内大輝さん(シナリオ作家養成講座  修了)の『もうええわ』が大賞を、平木理裟さん(元研修科)の『海になりたい』と、金子力さん(本科修了)の『青と花』が佳作を受賞!

先日、開催された受賞記者会見の模様を広報の齋藤がリポート致します。
受賞作の選考理由、受賞者お三方のコメント、そして審査委員長・宋ハナさん(プロデューサー)の審査講評をご紹介。お読みいただくと、「登場人物の心情を丁寧に描くことで読み手は最後まで夢中になる。そこが受賞の決め手なんだな」ということがお分かりいただけるかと思います。次回応募される方、是非参考にしてください。

大賞受賞:河内大輝さん『もうええわ』
構成・キャラクター描写・テーマ性のいずれにおいても突出

=あらすじ==
吃音を持つ高校生の谷本凌(18)は、特にこれといった目標もなく高校に入学したが、芸人を目指す同級生の松岡颯斗(18)に漫才コンビに誘われる。自分が漫才……?と戸惑うが、「その喋り方が絶対に武器になると」という松岡の熱意に負け、コンビを組むことになる。全国学生お笑い大会で優勝、そしてデビューするという目標に向かって奮闘する2人。夢に向かって順調に進んで行くが、自分が重荷になっているのではないかと思い始める谷本と、そんな谷本を気遣う松岡は、ぎくしゃくしてしまう――。

【選考理由】
コンテスト本番と回想を滑らかに往復させる構成によって、読む人が迷うことなく、二人の関係性の積み重ねを理解できる設計になっており、その設計力が秀でていた。また、会話のテンポや間の扱いが精巧で、セリフそのものからキャラクターの質感を鮮やかに浮かび上がらせていた。青春ドラマとしての普遍的な魅力に、現代的な題材やお笑い表現が見事に融合しており、構成・キャラクター描写・テーマ性のいずれにおいても突出した力を感じた。

〇河内さん:核になっているラストシーンのセリフやツッコミは、自分の友達にツッコんだことをそのままセリフにしています。そのツッコんだときに笑いが起きて、「ここからお話ができそうだな」と考え出したことがキッカケで書いたのが本作です。

フジテレビヤングシナリオ大賞の応募は1回目。これまで2回くらい書こうとしたけど無理で、今回初めて応募できたという感じです。

普段はCMプランナーをしていまして、なので動画の企画やセリフは仕事をしていくうちに学んでいったのですが、脚本のほうはシナリオ・センターの講座()で勉強しました。

“映像を作る仕事”は、どれだけ突き詰めても「これが正解」というものがないので永遠に悩める。自分の人生をかけて永遠に悩める、というのはすごくいいな 楽しいなと思うので、これからもその“場”にずっといられるように、いっぱい考えて悩みたいと思います。

河内さんが学ばれた「シナリオ作家養成講座」についてはこちらを。
体験ワークショップも実施しています↓
https://www.scenario.co.jp/general/writer/ 

佳作受賞:平木理裟さん『海になりたい』
情感のコントロール、言葉の削ぎ落し方、象徴性の扱いが高い水準でまとまっている

=あらすじ==
小説家・北原冬子(36)は18年ぶりに地元・徳島県に帰省する。実家の母親との確執と、冬子がずっと密かに想いを寄せている幼馴染・井原千春(36)の存在が冬子を故郷から遠ざけていた。冬子には、千春に思いを告げられない苦しみから逃れようと無理やり上京した経緯があったが、思い切って千春の家を訪れる。千春は冬子との再会を心から喜び、昔のような時間を過ごす。千春は離婚を経験し、1人娘のしずく(16)と2人で暮らしているが、最近しずくの気持ちがわからず悩んでいる。ある日、千春に急な仕事が入り、冬子はしずくの御守(監視)を任されることになる――。

【選考理由】
象徴性と物語性がほどよく均衡し、情景描写と心情の変化が自然に重なり合う構成が秀逸。特に心理描写の繊細さが印象的で、日常の小さな行動や言葉の端々ににじませる形で表現されていて、情感のコントロール、言葉の削ぎ落し方、象徴性の扱いが高い水準でまとまっている。

〇平木さん:同姓の人を好きになって、そして諦めてしまった主人公が、その人の子どもとの関わりを通してもう一度自分の気持ちを再認識していくという話を書きました。「本当に欲しいものに対してどうにかする」というのはすごく難しいことだと思うんですけど、作品を通してその難しさや大切さを感じていただければな、と思っています。

フジテレビヤングシナリオ大賞の応募は3回目くらいかなと思います。大学時代の4年間、シナリオ・センターでお世話になり()、シナリオの基礎や書くことの楽しさを学びました。その後、映画学校のニューシネマワークショップで撮影の勉強もしました。

脚本を書き始めてもう10年ぐらい経つんですけど、今回でやっとスタートラインに立てたかなと。これからもスキルを磨いて、経験を積んで、自分が面白い!作りたい!と思うものに誠実でいられるように力を養っていけたらなと思ってます。

平木さんがシナリオ・センターで最初に学ばれた「シナリオ8週間講座」についてはこちらを。
体験ワークショップも実施しています↓
https://www.scenario.co.jp/general/8weeks/ 

佳作受賞:金子力さん『青と花』
日常の中の小さな揺らぎをすくい取る感性、丁寧かつ温度のある筆力が心に残るドラマ

=あらすじ==
川沿いの夜道で、喪服姿の富良野花菜(65)は落とした数珠を拾ってくれた三堀青(25)と出会う。後日、青は友人の篠宮月子(25)の勤める幼稚園に届ける絵本を探して、古書店を営む花菜のもとに現れる。経済的な事情で多くは買えないという青に、花菜は閉店する知人から引き取った大量の絵本を託す。二人は絵本を届ける道中、絆を深めていった。無事、幼稚園に絵本を届けた青と花菜はその夜、川沿いのベンチでビールを飲みながら、青は幼い弟を事故で亡くしたことを、花菜は息子を病気で亡くしたことを互いに話し、二人は互いを理解しあう。後日、青は月子からの電話で、弟の死に関わった男を見つけたと告げられる――。

【選考理由】
人物の心情を短い会話や、ふとした仕草、沈黙の置き方などその描き方に力を感じました。登場人物同士の距離が少しずつ縮まっていくプロセスが丁寧に積み重ねられており、過剰なドラマ性に頼らず、日常の中の小さな揺らぎをすくい取る感性、丁寧かつ温度のある筆力が心に残るドラマとして光る脚本だった。

〇金子さん:大切な人をなくしてしまった人が、大切な人がいない世界で生きていく、ということを書きました。実際にそういう方がいて、その人に向けて書いた作品です。今回賞をいただいたことで、この作品がより多くの人に届くといいなと思っています。

フジテレビヤングシナリオ大賞はこれまで5回か6回くらい応募していると思います。シナリオはシナリオ・センターで学び()、その後は独学で。

今後は、観た人が優しくなれるようなドラマを作りたいです。そのためには色々な人に観てもらえるように、ドラマ自体を面白く作らなければいけないなと。勉強してこれからも書き続けていきたいと思っています。

金子さんがシナリオ・センターで最初に学ばれた「シナリオ8週間講座」についてはこちらを。
体験ワークショップも実施しています↓
https://www.scenario.co.jp/general/8weeks/ 

審査委員長・宋ハナさんによる審査講評
「読む人を最後まで惹きつける魅力がある作品を選出」

*

〇宋さん: 全体的にすごくレベルの高い作品が多く揃った年でした。その最たるものが今回の受賞作品かなと思います。派手な出来事や事件に頼ることなく、登場人物の心情を丁寧に描いていて、読む人を最後まで惹きつける魅力がある作品を選出させていただきました。受賞作品について共通して言えるのは、「自分の居場所」「理解されにくさ」「相手との距離感」といった現代に通ずる問題をテーマにして、皆さんそれぞれの個性を出して描いている、ということ。人の心情に丁寧に向き合っている姿勢を強く感じ、そこを高く評価いたしました。

 

*     *     *

 

次回第38回フジテレビヤングシナリオ大賞の締め切りは2月末日。応募される方は、今回ご紹介したコメントとともに、これまでの記者会見の模様、特に歴代の審査講評を是非お読みください。どういう作品が心に残るのか、賞をとるのか、を考えるキッカケにしていただければ幸いです↓

第36回フジテレビヤングシナリオ大賞/審査員はどこに脚本家としての可能性を感じるのか

第35回フジテレビヤングシナリオ大賞/審査委員長・村瀬健さんに学ぶ

第34回フジテレビヤングシナリオ大賞/記者・編集者時代を経て脚本を書く

第33回フジテレビヤングシナリオ大賞/趣味から始めるシナリオ

第32回フジテレビヤングシナリオ大賞/受賞の決め手は何か

第31回フジテレビヤングシナリオ大賞/賞をとる作品とは

第30回フジテレビヤングシナリオ大賞/どんな脚本が賞をとるのか

第29回フジテレビヤングシナリオ大賞/審査のポイントと受賞者のシナリオ勉強法 

「基礎さえしっかりしていれば、いま書いているライターぐらいには到達することは可能です」

この言葉は、シナリオ・センター創設者であり脚本家の新井一が述べたものです。

こうなるためにまずは、土台となる“基礎”をしっかりと身につけていきましょう。
シナリオコンクールの受賞者の9割が、シナリオ・センターの受講生・出身生です。
受賞を狙っている方は是非、シナリオ・センター講座をご検討ください。

詳しくは講座のページへ
※シナリオ作家養成講座とシナリオ8週間講座は、体験ワークショップも実施しています!

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