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趣味から始めるシナリオ/第33回フジテレビヤングシナリオ大賞にみる

趣味から始めるシナリオ/第33回フジテレビヤングシナリオ大賞

受賞者の皆さん。一番左が深澤伊吹己さん(元本科)、左から三番目が金 民愛さん(元研修科)。

シナリオは気軽に、趣味から楽しく始められます

「意外と身近にできるものなのかなと思い、シナリオを趣味として始めました」
「心が荒んでいた時期に、明るくて楽しいドラマを観て、救いを感じました」

これは、第33回フジテレビヤングシナリオ大賞で佳作を受賞された、シナリオ・センター出身生の、金 民愛さん(元研修科)と深澤伊吹己さん(元本科)の受賞会見での言葉です。「あ、分かる!」と共感されるかたも少なくないのではないでしょうか?

今回は、金さんと深澤さんの受賞コメントを中心に、第33回フジテレビヤングシナリオ大賞の審査講評を広報・齋藤がご紹介。趣味を探しているかた、ちょっと心がカサカサしているかた。「シナリオを始めてみようかな」というキッカケになるかもしれませんよ。

なお、おふたりの受賞作は『月刊シナリオ教室』(2022年2月号)に掲載予定ですのでお楽しみに!
まずは、その受賞作のあらすじと選考理由から。

金 民愛さんと深澤伊吹己さんの受賞作品について

第33回フジテレビヤングシナリオ大賞の応募総数は1978編(前回1567編)。最年少応募者は15歳(前回13歳)、最年長応募者は72歳(前回同様)。大賞1編、佳作3編が決定。

・佳作受賞 金 民愛さん『消え失せろ、この感情』

【あらすじ】顔出し一切NGの小説家・加賀美茜(40)は、次作の取材のため、自分を偽り、ある会社に派遣社員として潜入する。人生初の会社勤めだったが、上辺だらけの人間関係に早くも嫌気がさす。特に上司の梶は、あからさまな八方美人で茜の苦手なタイプ。ある日、ひょんなことから、梶が自分に好意があると勘違いした茜は、担当編集者の尾畑に相談。すると、尾畑は急に怯えた表情で震え出した――

【選考理由】タイトルのごとく圧倒的な熱量が感じられる作品。混沌とする現代社会に抱くモヤモヤとした感情をバッサリと斬るような作家の勢いを感じた。

・佳作受賞 深澤伊吹己さん『すりーばんと』

【あらすじ】東京郊外の河川敷。ユニフォーム姿の大人たちが草野球をしている中、ベンチでひとり、マネージャー仕事を押し付けられているジャージ姿の吉川華(26)。いよいよ腹が立ち、「私も出たいです」と言い出す華。代打として出場するも、打ち方はめちゃくちゃ。空振りした挙句に三塁に走り出す有り様。来月の試合でのリベンジに向けて、バッティングセンターでがむしゃらに練習する華。見かねた店主・大久保は、従業員で元甲子園球児の野尻秋則に華の指導をお願いする――

【選考理由】クスッと笑える軽快なセリフと、独特の空気感が魅力。重くならず語り過ぎず、あえてポップにライトに描き切ったところに作者のセンスを感じ、好感がもてた。

金 民愛さん「趣味感覚でシナリオ・センターに」

*

〇金さん:今回、締切ギリギリに書こうと思い、その勢いと「どうしようかな……」というモヤモヤした気持ちを作品に込めました。

シナリオを書くことは、趣味から楽しく始めました。

以前、社員として飲食店に勤務していて、同僚など周りにもすごく恵まれていたし、すごく楽しかったんですが、本当に激務で体調不良で辞めてしまいました。

その後、何をすればいいか分からなくなってしまったんですけど、そんなとき、友達のお姉さんが脚本家をされていまして、「シナリオって意外と身近にできるものなのかな」と思い、趣味として始めることにしました。

ほんとに趣味感覚でシナリオのスクール「シナリオ・センター」に通いました。課題を褒めていただいたり、「ここはこうするともっとよくなるよ」とご指摘いただいたんですけど、そのときは特に脚本家を目指すことはありませんでした。

脚本家を目指し始めたのは2・3年前くらいですかね。自分の好きな小説やマンガがテレビドラマ化されていて、「自分も書いてみたい」と思ったのと、それからこれはちょっと語弊がある言い方かもしれないんですけど、「え、私だったらこう書くのに……」とちょっと悔しさもあったりして。それで、目指し始めました。

脚本家になる夢を一瞬諦めかけたり、今回の応募ももう最後にしようと記念に書いた部分もあったのですが、このような機会をいただけたので、勉強不足なところを補いながら、社会問題を書ける脚本家を目指していきたいと思います。

深澤伊吹己さん「心が荒んでいた時期にドラマを観て」

*

〇深澤さん:三度目の応募でした。諦めようと思っていましたが、昔からずっと好きだったコメディという分野で、「こういう時代だからこそ明るく楽しんでいただける作品を書いてみたい!」と思い、“送りバント”というすごく小さなものをテーマにした、思いっきりくだらないコメディを書きました。

脚本を書き始めたのは3年半ぐらい前です。大学院生で法律を勉強していたんですけど、もともと法律を勉強しだしたキッカケもドラマ『HERO』(フジテレビ)で、それで間違えて、あ、間違えたわけじゃないですけど(笑)、「法律の世界カッコイイ!」と思ってどんどん勉強していたんですけど、いざ本当に直前までくると「あれ、自分が憧れていたのって法律の世界というよりは『HERO』の世界そのものだったんだな」というのに気づきまして。

そのとき、たまたまドラマや映画が大好きな おじ から『やっぱり猫が好き』(フジテレビ)のVHSを「すごく高かったんだ!」と自慢されて(笑) 観せてくれました。そのとき、ものすごいカルチャーショックを受けて。

心が荒んでいた時期だったということもあって、ほんとに明るくて楽しいそのドラマにすごい救いを感じまして、「あぁ、なんてステキな仕事なんだ!」と。

で、「やっぱり自分はたぶん法律じゃなくて『HERO』に憧れていたんだな。だからやっぱりドラマや映画をやりたいんじゃないか」と。ということで書き始めたのがキッカケです。

たとえ小さくても誰かの希望になるようなドラマを、これからの人生で追い求め続けたいと思います。なんとかプロになれるように頑張りたいと思います。

審査員はどこをみるのか
「受賞作はどれも粗削りな部分が多いが将来性を感じた」

「シナリオを書くの、面白そうだな」と思ったそこのアナタ。では、もっとその先のお話も。もし脚本コンクールに応募したら、審査員はどんなところをみるのか。第33回フジテレビヤングシナリオ大賞審査委員長の並木道子さん(フジテレビ編成制作局 制作センター第一制作部 副部長)のコメントもご紹介します。

〇並木さん:最終選考の会議では、あえて「選考で重視するポイント」を決めずに審査員それぞれが自由な尺度で作品を評価し議論を重ねました。

候補作の中で圧倒的に支持が集まったのが大賞の『踊り場にて』(生方美久さん)。構成・台詞ともに群を抜いていました。登場人物たちの点と点が繋がっていく構成の巧みさ。ユーモアのある台詞の掛け合いと、シリアスな感情シーンとのバランスの妙。学校の踊り場が目に浮かんでくるような描写も素晴らしい。読み終わった後、すがすがしい気持ちにさせてくれる作品でした。

惜しくも大賞を逃した佳作の3作品も、その個性を強く推す声が上がりました。

今回の受賞作はどの作品も完璧ではなく粗削りな部分も多いですが、これからプロとしてエンタメ界を牽引していく人材になり得る将来性を十分に感じました。

完全オリジナルで連続ドラマという10時間以上の物語を作りあげる作業はまさに至難の業。原作ありの作品が増え続ける昨今、多くのテレビドラマの作り手は、このままで良いのか自問自答しているはず。

オリジナルドラマの制作を放棄することを避けるためには、いまこそ力強い言葉を生み出す作家が切実に求められています。近い将来、受賞者の皆さんと共に戦い、あっと言わせる良作を世に送り出したいと願っています。

*     *     *

いかがでしたでしょうか?「シナリオを書く」というと、「なんか難しそうだな」と敷居が高い感じを受けるかもしれませんが、そんなことはありません。深澤さんのように「このドラマ楽しいなぁ」と感じたら、金さんのように気軽に趣味感覚で始めてみてください!

※フジテレビヤングシナリオ大賞に関するこちらの記事も併せてご覧ください。

第32回フジテレビヤングシナリオ大賞/受賞の決め手は何か

第31回フジテレビヤングシナリオ大賞/賞をとる作品とは

第30回フジテレビヤングシナリオ大賞/どんな脚本が賞をとるのか

第29回フジテレビヤングシナリオ大賞/審査のポイントと受賞者のシナリオ勉強法

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