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脚本家になったら 思い出してほしい 脚本家 渡邉真子さんの言葉

(C)日本テレビ

脚本家になったら 思い出してほしい。プロット&脚本問題を解決するヒント

毎週木曜日24:59~25:29放送中のドラマ『プリティが多すぎる』。
同名小説を映像化した本作。
脚本は出身ライターの荒井修子さんと渡邉真子さんがご担当。

舞台は、Kawaii文化発祥の地・原宿。

主人公・新見佳考(通称:南吉【第1話で「新見といえば南吉よね」と命名】)は、大手出版社文芸編集部のエース。
しかしある日突然、原宿系ファッション雑誌「ピピン」への異動を命じられてしまう。不貞腐れて出社した新見を待ち受けていたのは勝気な利緒をはじめ、曲者揃いの女性スタッフ&ド派手ファッションのわがままモデルたち……。「エリートの俺がなんでこんな仕事を!」。カワイイ至上主義の世界に放り込まれた男子の運命は!

(C)日本テレビ

脚本を担当された出身ライターの渡邉真子さんに、ドラマ『プリティが多すぎる』についてコメントをいただきました。

その中で、特に印象的だったのは、
【(初稿を書く際に)いったんプロットを忘れてみると、頭デッカチな本ではなく勢いのある初稿になれるのではないか、と自分なりに思ったりしました】という言葉。

これは、脚本家デビューした後に、もしこんなことがあったら思い出してほしい言葉なんです。

プロの脚本家としてやっていく上では、脚本を書くチカラだけでなく、プロット(企画書)を書くチカラも求められます。
プロットが通らなければ、脚本を書くまでに辿り着かない。でも、面白いプロットが書けたとしても、今度は、そのプロットの面白さを超える脚本が書けないといけません。

だから、プロットの内容を意識しすぎると、勢いのある初稿にならないということも、あるのです。

こういった“プロット&脚本問題”は、脚本家として活動する上では必ずといっていいほどぶつかる壁。現在活躍中の脚本家の多くの方々が通ってきた道と言われています。

だからこそ、渡邉さんのこのコメントは、こういった壁にぶかったときの大きなヒントになるのでは?

この他にも、
■今回のドラマに対する脚本家としての想いや
■脚本家志望者には必読の“脚色”に関するコメント
■脚本家志望者へのメッセージ
――等々、参考&勉強になるコメントを沢山いただきましたので、是非ご覧ください!

Q1:ドラマ『プリティが多すぎる』で「ここは特に注目してほしい!」というところは?

〇渡邉さん:千葉雄大さん演じる、主人公・南吉が、意に沿わない仕事をすることになる中で、本来の自分の夢と現実、双方にどう折り合いをつけるのか、どう成長するのかを見て欲しいです。

原宿の若者文化を題材にしているので、人によっては自分とは違う世界のドラマだと思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、このドラマの伝えたいことは、多くの人に共感していただけると思っています。

きっと誰しも、自分の意とは沿わない状況にいたり、努力が報われないと感じることはあると思います。

そんな時にどうするのか。

南吉の悩み、葛藤を通して、人知れず日々頑張る皆さんにエールを送る作品になれればと思っています。

とは言いつつ…、難しいことは抜きにして、原宿ファッションが好きな人はこだわりのド派手衣装に注目していただき、分からない人は南吉と一緒に「なんだコイツら!」と新人類を見るような気持ちでツッコミながら見ていただければ嬉しいです。

Q2:「ココは外せなかった!」というシーンはありますか?

〇渡邉さん:たくさん書きたいことがあって、シーズン2、3をやりたいと打ち合わせで言っていたくらいなのので、外せないことばかりですが…、とくに7話(11月29日放送予定)です。

この回はちょっと異質な回にしていて、校了に追われる様子を、いつもの南吉目線とは違って、佐津川愛美さん演じる利緒という女性編集者の目線で書いています。

仕事を頑張れば頑張るほど、プライベートがなくなっていく悲しいアラサー女の様子を、コミカルにひたすらくだらなく書いています。

私自身も以前、雑誌の編集の仕事をしていたので、自分のことを思い返しつつ、プロデューサーの小田さんも女性なので、アドバイスをもらいながら、楽しく好き勝手作りました。笑 

働く女性たちに、利緒の奮闘ぶりをバカだな~と思いながら笑っていただければ幸いです。

Q3:「今回、こんなことを初めて経験した!」といった、思い出深い執筆中エピソードはありますか?

〇渡邉さん:初稿を書く際に、プロットをいったん全部忘れる、ということを知らず知らずにやっていた気がします。

『プリティが多すぎる』のチームは、プロデューサーも監督も、私が書いていったものに対してダメ出しよりも、どうしたらよりよい形になるかを一緒に考えていただける、本当に心強い方たちだったので、プロットで形が決まっているにも関わらず見たこともないシーンを書いて行っても怒られることはない器の大きな方たちでした。笑

なので、それに気を良くした私は、いったんプロットは忘れて「こうなったら次はこんなシーンが見たいかも」などと、いい意味で行き当たりばったりで初稿を書いていた気がします。

色々と縛られて「こうだ」と決めてかかると破綻はなくても面白味が欠けてしまうような気がするのですが、いったんプロットを忘れてみると、頭デッカチな本ではなく勢いのある初稿になれるのではないか、と自分なりに思ったりしました。

Q4:ドラマ『プリティが多すぎる』は同名小説を映像化した作品ですが、原作を脚色する際に特に気を付けていることはありますか?

〇渡邉さん:最初に原作を読んだ時に、どこに面白さを感じたのか、どこに感動したのか、泣いたのか、などを忘れずにいようと思っています。

そこを外さないようにすれば、原作の世界観から逸脱することなく映像化できるのではないかなと思います。

原作者の方がその作品を通して一番伝えたいこと、大切にしていることを自分なりに考えて、困った時はそこに立ち返るようにしています。

Q5:脚本家デビューを目指すシナリオ・センターの後輩にひとこと!

〇渡邉さん:脚本家になるために勉強をしている方たちの中には、すぐに結果を出せる人もいれば、何年もかかる人もいると思います。

私は長いこと、コンクールの一次にも引っかからないようなタイプだったので、後者です。

私の持論ですが、絶対に信じていることがあって、それは「チャンスはきっと誰にでも平等に訪れる」ということです。

遅いか早いかの違いだけ。なので、諦めないで努力を続ける限り、きっと道は開けると私は思っています。

大切なのはチャンスがめぐってきた時に、ものに出来るか出来ないか、です。

ものに出来る人になるために、いつチャンスが訪れてもいいように、日々の勉強を怠らないようにしようと、私もいつも自分に言い聞かせています。

今日まで何もなくても、明日急にチャンスが舞い込むこともあると思うのです。

そんな時に準備不足でせっかくのチャンスを棒に振らないように、毎日を一生懸命に過ごそうと肝に銘じています。

一緒に頑張りましょう!

※そのほか脚本家・小説家・映画監督の出身生コメントはこちらから。
シナリオ・センター出身の脚本家・小説家・映画監督の方々のコメント記事一覧『脚本家 ・小説家コメント記事一覧/脚本や小説を書くとは』をぜひご覧ください。

ドラマ『プリティが多すぎる』は海外でも!

(C)日本テレビ

日本の放送開始に先駆けて、フランス・カンヌで世界最大級の国際映像コンテンツ見本市『MIPCOM』において、ワールドプレミアを実施。なお、在京民放キー局制作ドラマの、MIPCOMでのワールドプレミア開催は初めて。また、韓国・台湾・カンボジア・香港・インドネシア・フィリピン・シンガポール・タイを含む9つの国と地域で放送中(配信も含む)。

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