シナリオ・センターでは、学校や様々な施設で、子どもたちに向けた出前授業「キッズシナリオ」を実施しております。
先日は、武蔵野市立境南小学校3年生の子どもたちに向けて、出前授業「キッズシナリオ」を実施しました!
=今回の概要=============
・サービス名: シナリオを書こう
・目的:2月に地域の人に観てもらう映画を作る
・対象:武蔵野市立境南小学校さま(3年2組30名)
・時間:約90分
・形式:対面クラス授業
▼GIGAスクール対応プログラム「キッズシナリオ」詳細
https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
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きっかけは、境南小学校担任の先生からのこんなお電話から。
「総合的な学習の時間で、映画をつくろうということになり活動を進めているのですが、グループで映画を作ってみたところ、シナリオ作りが難しくて……。シナリオ作りのノウハウや楽しさを教えていただきたいと思っています」
承知いたしました!ということで、今回は唐下講師が皆さんのもとへ。
では、今回のキッズシナリオの模様を聞いてみましょう。
「唐下さん、キッズの反応どうでした?」
シナリオは映像にするための設計図だからとても大切!
〇唐下:当日、花柄のアロハシャツで教室に登場すると、子どもたちからは拍手とともに「マジシャンが来た!」「手品やって~」という声があがり、冒頭から大盛り上がり。
明るくてノリがいい3年2組のみんなに、これまでの取り組みを尋ねてみました。
すると、「5グループに分かれて、ホラーやヒーローものの3分くらいの映画を作ったけど、シナリオがイマイチで、もっと面白いものにしたい!」とのこと。
まずは映画づくりに必要なおおまかな役割(監督、シナリオライター、助監督、カメラマン、録音係、美術係、俳優 等々)をご紹介。
現時点でやってみたい役割を聞いてみると、美術係が最多の10人、次いで俳優が7人、カメラマン5人、シナリオライター3人、プロデューサー3人、録音係は0人という結果になりました。
続いて、以下のような映画づくりの手順――
①企画(アイデア出し)
②シナリオ作成
③撮影準備
④撮影
⑤編集
⑥公開
――を説明。
特に、②「シナリオ作成」の重要性を強調しました。
というのは、みんなに「前回映画をつくったとき、撮影に入る前にちゃんとシナリオを書いた?」と聞いてみたところ、「シナリオはそこまでしっかり書かずに撮影に進んでしまった……」という返答があったからです。
そこで、「シナリオは映像にするための設計図だから、最初にシナリオを作っておくと、監督もシナリオライターも助監督もカメラマンも録音係も美術係も俳優も、スタッフ全員がそのシナリオを見て準備ができます。だから、シナリオがあると、撮影をスムーズに進めることができるんです!」と伝えました。
この言葉に、みんなは
「たしかに!シナリオがないと話が分からないし、撮影できない!」
「ぼくたちはエスパーじゃないんだから!」
とまたまた大盛り上がり。
「だからシナリオって大切なんだ!」と実感してもらえて、すごく嬉しくなりました。
シナリオ誰に観てもらいたいかを決めることも大切!
〇唐下:みんなにはこんなことも聞いてみました。
「前に映画をつくったとき、誰に見てもらいたいか、考えた?」
すると、「校長先生かな~?」「お母さんは嫌だな~」と、少し戸惑いながらも答えてくれました。
「今度 映画をつくるときは、誰に伝えたいかを考えてみるといいよ」と話すと、みんなが前のめりに!
続けて、こんな例をみんなに話しました。
「例えば、小学1年生に向けて映画をつくるとしたら、みんなどうする?」と聞いてみると、「小1にも分かるようにしないと!」「『あんぱんまん』みたいなのがいい!」という意見がすぐに返ってきました。
次に、「じゃあ、校長先生に向けて映画をつくるなら?」と尋ねると、「感動的なやつ!」「大人っぽいやつ!」といった声があがりました。
解説を始める前にみんなはもう、観てほしい相手によって内容や表現が変わることに気づいていたようでした!
この後、 “練習”としてもう少し、こんなことも聞いてみました。
前回、ホラー映画を作ったグループが2つあったそうなので、
「例えば、小学1年生に向けてホラーを作るとしたら?」
すると「かわいいお化けが出てくる!」と即答。
「じゃあ、校長先生に向けてホラーを作るとしたら?」と聞いてみると
「すごい怖いやつ!」とまたまた即答。
もうみんなは、映画のジャンルは同じでも、観てほしい相手によって内容が変わる、ということをマスターしていました!
この日のキッズシナリオでは、「作品のテーマ」「登場人物のキャラクター設定」「面白くするには、主人公を困らせること」についてご紹介。実際に簡単なシナリオも書いてもらいました。
授業の前半でシナリオの大切さを実感してもらえたので、シナリオを書くときのみんなはすごく真剣!
教室は活気に溢れて、友達と相談しながら書く子もいれば、ひとり黙々と集中して鉛筆を走らせる子もいました。
終了時間が近づいたので、「一旦ここまでにしよう」と声を掛けると、「まだ終わってな~い!」「もっと書きたい!」という反応が返ってきました。
撮影する前にシナリオを書くことが大切!ということを実感してもらえただけでなく、シナリオを書く楽しさも実感してもらえたようで嬉しくなりました!
最後に、「前よりパワーアップした映画をつくれそう?」と質問してみると、みんな声を揃えて力強く「つくれる!!!」。帰り際には「映画をつくったらぜひ観てください!」「また教室にも来てください!」と言ってくれました。
映画の完成を楽しみにしています!
* * *
唐下さん、ありがとうございました!
「映画を作る」というと「映画を撮影する」というイメージが強いですよね?
でも実は、映画を作るためにはまずシナリオを書くことが大切なんです。
「総合的な学習の時間に映画を作りたいけど、何から始めればいいか分からない」「いきなり撮影したらうまくいかなかった」とお悩みの先生や生徒さんがいらっしゃいましたら、まずはシナリオをつくるところから始めてみてください。
そして「シナリオの書き方を詳しく知りたい!」ということでしたらお気軽にご相談ください。
▼シナリオ・センター
TEL:03-3407-6936
MAIL:scenario@scenario.co.jp
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