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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

あつい!

桜の血族(双葉社刊)

大阪校

シナリオ・センター代表の小林です。久々の大阪校です。
気持ちはワクワクしていたのですが、まあ、新大阪を降りたら暑いこと、暑いこと。ふ~ぅ。
大阪校ができて40数年、いつも新大阪から歩いて大阪校へいきます。
大阪校は地下鉄で一駅先の「西中島南方」の駅が一番近いのですが、地下鉄に乗ったことはありませんでした。
新大阪から7、8分の距離ですから、電車にわざわざ乗るという考えは、新井をはじめ誰一人まったくありませんでした。
ですが、今年はやはり異常気象です。我慢できる暑さではありません。
北海道すら暑いのですから、大阪が東京より暑苦しいわけではなく(笑)、全国的いや地球的に暑すぎるのです。
で、40数年通っていて、初めて乗っちゃいました地下鉄御堂筋線。新大阪から西中島南方。
ラクチンでした。日傘をさしていてもガンガン照り付けてくる日射しでしたから。
そんな暑い中わざわざ足を運んでくださいました。説明会。
熱い日中に、おいでいただけたことだけでもありがたいこと、思わず講座の説明にも力が入ってしまいました。
大阪生はコンクールもよく受賞されますし、ライターズバンクでも活躍されています。
大阪パワーで新しい受講生の方も頑張っていただけると確信しています。

説明会の後、日帰りはさすがにしんどいので京都で一泊。
ちょっと郊外の鷹峯というところに泊まって、光悦寺と源光庵へ朝散歩にいきました。
光悦寺は、本阿弥光悦のお寺で点在する茶室と茶の心を表すさりげない庭園が素晴らしく、源光庵は、円型に「禅と円通」の心を表し円は大宇宙を表現しているという「悟りの窓」と角型に「人間の生涯」を象徴し生老病死の四苦八苦を表現している「迷いの窓」があり、二つの窓の前でしばらくぼんやりと佇んでいたら、ちょっと悟ったかもと・・・(笑)
たまには、こういう時間を持つことが大切だなぁと、また持てることもありがたいことと思いながら帰ってきました。

桜の血族

新幹線の中で最後のページを読み終わったら、思わず大きなため息が出ました。
凄い緊迫感に圧倒されどおしで読みました。目が離せない。緊張で疲れた~ぁ。
女性のマル暴刑事コンビのヤクザ捜査を描いた小説です。

出身ライターの吉川英梨さんの「桜の血族」(双葉社刊)
この小説、元マル暴刑事の方から「是非、吉川さんに書いてほしい!」と乞われて執筆されたそうです。
吉川さんに「書いてもらいたい」という気持ちはよくわかります。
初めて女性マル暴刑事が主役ですが、ハラマキシリーズ、13階シリーズ、海蝶シリーズを読まれてもわかるように、女性の警察官を描くのがとてもうまい。また教場シリーズや水上警察シリーズなど等を読めば、如何に綿密に調べて描いているかリアリティは吉川さんならでは。
本職だった人だからこそ、ちゃんと描いてくれるであろう吉川さんに書いてもらいたいと思うのは当然です。

警視庁組織犯罪対策部暴力団対策課の桜庭誓は、父も夫もマル暴刑事。遺伝子レベルでヤクザを理解する特殊な刑事。
結婚して退職していたのだが、夫がやくざに銃撃されたことで、現場復帰する。
上司の女性マル暴刑事藪哲子とコンビを組み、夫を銃撃した犯人を捜し、本家と関東に分裂した吉竹組の抗争を阻止しようと奔走する。
そこで桜庭誓に思いを寄せる片腕の武闘派組長の向島春刀と出会う。
向島はなぜ桜庭誓に思いを寄せるのか、果たして誓は抗争を防ぐことができるのか。

吉川さんのうまさは何と言ってもキャラクター。
人間としての強さと弱さ、男と女の感性の違い、巧みな描き方で人間の心の奥底を描きます。
テンポよく、ヤクザの抗争、マル暴刑事の夫が何故銃撃されたのかなどミステリーを追いながら、そのもとに流れる人間模様が何と言ってもすごい。
やくざものとか刑事ものとか、ミステリー、サスペンスとかの範疇に入りきらない、まさに吉川ワールドと言える読みごたえをお楽しみいただきたいです。
ラスト、こうきたか、切ない!これシリーズ化になるんですね。

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