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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

気持ち

鈴の音が聞こえる 夏の鼓動 (講談社刊)

春の兆し

シナリオ・センター代表の小林です。今年はことのほか桜の開花が早いとか、東京の開花宣言場所靖国神社の桜は開花したようで、春はすぐそこにきているようです。

アベノマスクの単価や発注枚数など厚生労働省が黒塗りで提出したものに大阪地裁が開示命令を出しました。
国民の税金を使っていながら国民に開示できないということ自体ふざけているので、当たり前の判決が出たことにホッとしました。
また控訴するのかと思ったらしないようで、よかった。しっかりと内容を精査してもらいたいと思います。
赤木さんのもちゃんと開示してほしいです。財務省!!秘密はいつか暴露されるものですよ。

もう一つ朗報は、袴田さんの再審請求が通ったこと。
もう一度無罪を証明できる機会ができて本当に良かったと思います。
「疑わしきは罰せず」という裁判の大前提はどうなっていたのでしょうか。
ドラマ「エルピス」でも思いましたが、冤罪の重さをすべての人が考えなくてはならないと思います。
起訴されたら99%有罪になってしまう、警察、検察の威信がかかっているからだといわれています。
私は、誤認逮捕を押し通す裏には、警察や検察がどこかで犯人となる人間を最初から見下しているからではないかと思っています。
こんなやつはどうせいつか犯罪を犯す・・・「こんな奴」って。
自分と同じ社会を生きる一員だと思わないと、疑いの方向に凝り固まってしまう気がします。
どうしたらよいのでしょうか。
客観的に物事を見るという訓練を徹底的にしてはいかがでしょう。
見る目がずいぶんと変わるのではと思います。それには、シナリオが有効。
警察や検察に裁判官にもシナリオを描いてもらいたいです。

鈴の音が聞こえる (講談社刊)

昨日ご紹介した「ゆずのどうぶつカルテ」の作者辻みゆきさんは、実は、もう一冊同時に上梓しています。
「鈴の音が聞こえる 夏の鼓動」(講談社刊)
「ゆずのどうぶつカルテ」は終わってしまいましたが、この「鈴の音が聞こえる」はシリーズ第2巻です。
前にもご紹介した視覚障害の美空と聴覚障害のハルとの青春グラフティーです。
「しずかちゃんとパパ」、「Silent」、「星降る夜に」等々、最近ドラマでも、障がい者を描いたドラマが話題になっています。
この「鈴の音が聞こえる」も障害を抱える二人と健常者の友達たち、友情と恋に葛藤する姿を描いています。

この小説の舞台は、聖白鳩学園。この学園は、初等部・中等部・高等部のほかに盲学校、聾学校が併設されている学園です。
色々な人がいて当たり前という学園のあり方がとても素敵ですが、とはいえ、人間関係はなかなか難しい。
辻さんは、障害者、健常者がお互いを思いやるからこそ言えなかったり、今回は、体育祭、ダンス、花火大会など見せ場も多く、ちょっといつもより違う体験だったり、場所だったりすることで思わぬ行動をしてしまったりする心の機微を丹念に描いています。
常に一本筋が通っているのは、水琴鈴という小道具の意味。
鈴の音の持ち主はまだ見つからず、ハルも弟となにかあるようです。
ちゃんとシリーズ第3巻が待ち遠しい展開となっています。

最近、障害を描いたドラマやアニメ、小説、漫画も増えていて、いいことだと思います。
障害は障害ではない、できることできないことは人それぞれ、みんな違うのだから、当たり前のこと。
お互いの足りないところを補い、お互いの秀でたところを認め合う、「みんな違ってみんないい」と思える世の中になって欲しいと切に願います。

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