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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

知る

ドラマ誌4月号

廃炉

シナリオ・センター代表の小林です。今日はホワイトデーで、お返しを色々いただきました。嬉しい~!!
この歳ですから本命などサラサラいない私にとって、バレンタインデーは投資。(笑)ホワイトデーに還ってくるお菓子は、私の食べたことがないものが多いのでとても楽しみなのです。
なんて奴だと思われるかもしれませんが、このお菓子の選択に男女差ってでるんですね。
この男女差はどちらが良くてというものではなく、好みの差。男と女では違うんです。私はだから楽しいと思うのですが、これは差別?
男と女には体力的にも精神的にもどう頑張っても違いがあります。
それをもって差別とするのではなく、区別とすれば楽しめると思うのですが。
誰ひとり同じ人がいないのですから、誰もが違うのが当たり前で、だからお互いを認め合って楽しめばいいのではないかと思っています。
男社会は、その違いをあえて差別にしてきた、本当は区別なのに。これからはここをぶっ飛ばしたいと思っているのです。

東日本大震災の福島の原発事故から、「廃炉」に興味をもった学生が、廃炉技術者の育成に力を入れている福島高専に進学されるというニュースを拝見しました。
塚田愛由希さん。「自分の中で『(廃炉に)興味まっしぐら』っていうのが今まで多かった部分はあるんですけど、いかにそれを他人の興味とうまい具合に合致させて、廃炉に興味を持ってもらうか、福島に関心を持たせていくかっていう部分を今後重視できたらまたおもしろくなるのかなと思います。
今までも、誰かしらに伝えたいっていう思いはあったんですけど。関心のない人たちの個人個人に着目して、その人たちはふだん何に関心を持っているんだろう。それとうまく廃炉を、福島を結び付けるためにはどうすればいいんだろうっていうところを考えていくのが大事なのかなとか今回感じました。
将来、技術面で廃炉に貢献しつつ情報発信も。福島を大人気にするぐらい。それが夢ですね」
ここまで考えている若者がいてくれることに、まだまだ日本は捨てたもんじゃないと、ちょっとホッとしました。

罠の戦争

ドラマ誌4月号に、出身ライター後藤法子さん脚本「罠の戦争」(関西テレビ)のシナリオが掲載され、作者ノートにこのドラマが生まれた経緯を後藤さんが書いていらっしゃいます。
私はめちゃめちゃにはまっていて、毎週楽しみに拝見しています。
関テレは、前期の「エルピス」といい、ちょっと社会を攻めた作品を作っているようです。
「エルピス」も今の放送法論議を彷彿させてくれて、めちゃ面白かったのですが、「罠の戦争」もゼッタイあるだろう政治の汚い世界を描いています。

「草彅さんでまた〇〇の戦争をやりたい」というところから、どんな設定でどんな悪にリベンジするのか、色々考えられ、「巨悪といえば国家権力だけれど、最初から怪し気な政治家たちに囲まれた主人公にしてみる?」というところから、知り合いの議員秘書からいろいろ聞いたり、政治資金パーティーや選挙会場の見学、秘書仲間が集まる焼肉会など、しっかりと調べ、大臣秘書官の経験を持つ方に監修していただいたりして作られているのだそうです。
「犬飼が大臣なら、普段事務所にいる秘書に他に、大臣秘書官が必要。
どうせバカ息子が登場するなら、この息子を秘書官にして周囲から呆れられている設定にしては?永田町では珍しくないことですよ」というアイデアをいただき、ドラマ開始前後、本当にその通りの大臣秘書官のニュースが流れて苦笑されたとか。(笑)

この後藤さんの作者ノートを読まれると、どれだけきちんとした下調べが必要かということがわかります。
昨今は、ネットで簡単に調べられることもあって、それで済ます方が多いですが、ものを描くという作業は、上っ面を知っただけで書いたのでは、誰にも伝わりません。
とことん調べて、実際に動いたり聞いたり、現地にいったりするシナリオハンティングが、作者の視点を生み、鋭い切り口をみつけるのです。
足や目や耳を使うこと、五感を研ぎ澄ましてドラマづくりに臨んでいただきたいと思います。
ドラマはフィクションであるからこそ、事実が大事になります。
後藤さんのシナリオを読むと、なるほどと思われるでしょう。
ドラマ誌4月号、是非お読みください。

柏田道夫講師の「改訂版 恋愛物を書くために~見ておきたい名作映画とそのつくり」も掲載されています。

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