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学童保育の子ども達、面白い物語を作る!/@フューチャーキッズ

シナリオで豊かな心情・感性・思考力・表現力・言葉を育む

西荻窪にある小学生のための学童保育・フューチャーキッズさん。
先日、「シナリオを書こう!~面白い物語の作り方~」を実施しました。

=今回の概要==============

・サービス名:「シナリオを書こう!~面白い物語の作り方~」
・目的:登場人物のキャラクターを作って、物語を書いてみる
・対象:フューチャーキッズさま(小学生)
・時間:約90分
※キッズシナリオの詳細
https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home 

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フューチャーキッズさんの公式サイトでは「わたしたちの学童について」のところにこんな言葉があります。

小学生という多感な時期に
さまざまな体験・人と触れ合うことで、
豊かな心情・感性・思考力・表現力・言葉
を育んでいきます。
ここで過ごす子どもたちが、
素敵な思い出をたくさんつくることができますように。

この想いは、シナリオ・センターにも通ずるところがあります。今回担当した新井は2010年に「1億人のシナリオプロジェクト」()を発足。「業界向け」「企業向け」「子ども・学生向け」といったカタチで、シナリオの技術を使った、面白い物語の書き方やコミュニケーションの問題解決などに取り組んでいます。
「1億人のシナリオプロジェクト」詳細はこちらで。

今回参加してくれた子どもたちは「シナリオを書くのは初めて」ということでしたが、登場人物のキャラクター設定もシナリオ作成もどんどん書いていきます。

そして驚いたのが、今回の模様をリポートするため同行した、わたくし広報の齋藤がウロウロしていると、「こんな名前にしたの!」「この主人公、こんなことしちゃうの!」「ねぇ見て見て!」と積極的に声を掛けてくれたこと。

皆さん、表現するのが楽しい!という気持ちが溢れていて、「僕はこんなふうに書く!」と友達同士でワイワイと書き進んでいく子もいれば、「こういうふうにしたいんですけど、この言葉であってますか?」と表現ひとつひとつ丁寧に考えていく子もいました。

この様子を見ていて、シナリオを書くことで、豊かな心情・感性・思考力・表現力・言葉を育むことができる!と感じました。その模様をご紹介いたします。

元気いっぱい!にキャラクター設定からスタート

「まもなく始まりますよ!」というスタッフの方々の掛け声で、わーっと皆さんが席に着きました。前の席からどんどん埋まっていきます!

〇新井:お!みんな元気だね!
〇子どもたち:今日はシナリオを書くんですよね?
〇新井:正解!物語作るの好き?

――「好き!」という子もいれば、「うーん、文章書くのはあんまり……」という子もいます。

〇新井:今日はね、こういうふうに考えていけば面白い物語が作れるようになるよっていう方法をお伝えします。文章を書くのがちょっと苦手、という人でも書けるから大丈夫。

というのは、いきなり文章を書くんじゃなくて、まずは登場人物の「キャラクター」を作ります。

このイラストにあるヒーローを見てください。

〇新井:このヒーローの名前・年齢・特技・苦手なもの・くちぐせ・性格、を考えてもらいます!

――皆さん、一斉にプリントに書き込んでいきます。

――ヒーローのキャラクター設定ができたら、同じ要領で“相棒”と“敵”のキャラクターも作ってもらいました。

ちゃんと“計算”されたキャラクター設定にびっくり!

――皆さんそれぞれ面白いキャラクターを作っていて、発想力が豊か!
例えば、こんな感じです↓

■主人公の名前:ぐるぐるマン(52)
・特技:マフラーに見立てた「ヘビ」と一緒に遊ぶこと。お母さんが作ってくれたトンカツを食べること。
・苦手なもの:ペロペロキャンディー。理由はぐるぐるマンなのでグルグルしちゃうから。
・口癖:「ぐるぐる~」
・性格:真面目で優しくて勇敢。

■相棒の名前:DRILLマン(50)
・特技:悪者を倒すためにドリルの問題を出す。大食い。
・苦手なもの:運動、自転車、一輪車、車、早口言葉、歌、狭い所
・口癖:「ぼくのドリルちょうだーい」
・性格:ドリルを神様だと思っている。おっちょこちょいでよくやらかしてしまう。ドリルを買って、よくぐるぐるマンに怒られてしまう。

■敵の名前:Ms.ワイン(49)
・特技:ワインのコルクを投げること。手から火を出すこと。
・苦手なもの:ヘビ、ドリル、オレンジジュース
・口癖:「ワインはいかが?」
・性格:おとなしい、おしゃれ、化粧がくどい

――魅力的なキャラクターだと思いませんか!
最初、“相棒”の名前「DRILLマン」をパッと見たとき、工具のドリルかと思ったら、作者である女の子は「あ、そっちじゃなくて、教材のほうのドリルなんです。ドリルが大好きなキャラクターで、敵を倒すためにドリルの問題を出すんです」と教えてくれました。短時間でしっかりとキャラクターが出来上がっています!

しかも、“敵”の“苦手なもの” 「ヘビ」「ドリル」にご注目ください。「ヘビ」は主人公・ぐるぐるマンの、「ドリル」は相棒・DRILLマンの“特徴や特技”です。それを、敵・Ms.ワインの“苦手なもの”に設定しているのです。豊かな心情・感性・思考力・表現力・言葉が育まれているのを感じませんか?計算された設定にびっくりしてしまいました。

ではいよいよ、キャラクター設定をした後はシナリオ作成&発表です!

設定したキャラクターをもとにシナリオ作成&発表

*

〇新井:みんな、キャラクター設定、上手に出来ていましたね。ではいよいよシナリオ作りです。この3人をシナリオの中で動かしてみよう!

どんなシーンかというと、緊急事態が発生して本部からヒーローに「街の人を助けに行ってくれ!」と指令が出ます。そのとき、このヒーローは、相棒は、そして敵はどんなことを言ったり、行動したりするのか。「この登場人物はこんなキャラクターだから、こう言うかな、こんなことするかな」というのを書いてみてください。

――シナリオが完成したら発表!

さきほどご紹介した、主人公・ぐるぐるマン、相棒・DRILLマン、敵・Ms.ワインを設定してくれた女の子のシナリオでは、早く出発したいぐるぐるマンに、DRILLマンが「マントにドリルをつめるから、待ってよぉ」とモタモタしてしまいます。すぐに助けに向かいたいDRILLマン。真面目で優しくて勇敢というキャラクターが出ていますよね。また、DRILLマンのこのセリフはドリルを神様だと思っているということがよく出ています!

他にも、主人公を真面目なキャラクターにして、相棒を少しルーズなキャラクターに設定してくれた子のシナリオでは、主人公が出発しようとすると相棒が遅刻してしまいます。そんな相棒に主人公は「早くしてよ、遅れて敵に逃げられるぞ!」とイライラ。ルーズなキャラクターだから遅刻してしまうし、真面目なキャラクターだからちょっときつい口調でイラついてしまう。行動やセリフにキャラクターがちゃんと出ていました。

そしてこんなことも。
新井が「あと他に誰か発表してくれますか?」と呼びかけると、ひとりの女の子が齋藤のそばにやってきました。どうしたのか尋ねてみると「発表したいけど恥ずかしい……。ここに隠れて発表したいです……」とポツリ。

そこで、隅っこから発表することになったのですが、「やっぱりちょっと恥ずかしい……」ということで、齋藤が代読。

――初めて人前でシナリオを発表するのだから、ちょっと恥ずかしいですよね。でもシナリオは初めて書いたとは思えないほど、大胆で生き生きとした主人公・相棒・敵とのやりとりを描いてくれていました!

こんな風に、皆さんが、「登場人物のキャラクターを設定→シナリオ作成→発表」する様子を見ていると、豊かな心情・感性・思考力・表現力・言葉が、まさに今、じわじわと育まれているんだなぁと感じました。

*     *     *

例えば、学童保育で働いていらっしゃる方で「みんなが楽しめることを何か企画したい」「物語を作って友達同士で見せ合っている子がいて、とっても楽しそう。みんなでできないかな」ということがありましたら、今回ご紹介したシナリオ作りがオススメです。まずはお気軽にシナリオ・センターまでお問い合わせください。

キッズシナリオについて:出前授業やオンライン創作クラス「考える部屋」

・出前授業
シナリオ・センターは、1970年創立。優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に創設以来、700名以上の脚本家や小説家が誕生しています。2010年から「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」という思いから、小中学校への出前授業として『キッズシナリオ』プロジェクトを開始。創作を楽しみながら、想像力と表現力が身つくカリキュラムを提供しています。
https://youtu.be/_5YJL-Zuibc 

※キッズシナリオの活動をアシストくださる方、随時募集中です!
シナリオ・センターが小学校・中学校で実施しているキッズシナリオの活動を後押ししてくれるアシストの方々(個人・法人)を募集中しています。手弁当で実施しているので、アシストしてもらえるととても助かります!
>>ご興味のある方は、こちらをご覧ください。
 
・小学5.6年~中学生向けオンラインクラス「考える部屋」
創作が好きな子どもたちが日本全国から集まって、切磋琢磨する特別クラスです。創作を楽しみながら、考える力を身につけていきます。
>>詳細はこちらをご覧ください。

シナリオ・センターでは、小学校や中学校など教育団体への出前授業を実施しています。オンラインでも実施可能です。「こんなことを子どもたちに伝えてほしい…」というお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

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