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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人間を知る、人間を描く、

朝日新聞1/30夕刊記事

十把一絡げ

シナリオ・センター代表の小林です。もはや2月になっちゃいました。
明日は節分。豆まきです。
鬼って、一般的には悪いとか怖いとかの代名詞のように使われていますけれど、地方によっては、村を守ってくれる強いものと善い鬼としてあがめられているところもあり、この際、鬼も味方になってもらって、コロナを吹っ飛ばしてやりましょう。
今年の恵方は、南南東だそうです。
シナリオ・センターでは、恒例行事ですから、もちろん豆まきもし、スタッフ全員一同南南東へ向かって、誰ともしゃべらずにひたすら恵方巻を頬張ります。
一気に食べるといいとかいう説もありますが、誤嚥性肺炎で担ぎ込まれても医療崩壊の今ご迷惑ですから、ゆっくりいただきます。(笑)
みんなでコロナ退散を、皆さんに一日も早くお会いできることを祈りつつ。

今日の数字はいいかんじで、東京の感染者393名とか。
久々の400名以下になりましたとのことですが、だから?という疑問が心のどこかにいつもひっかかります。
多かろうが少なかろうが、一人一人の人間が、辛い思いをしていることには変わりがない。
一人一人の生活をみつめることが、本来政治のあるべき姿ですから、しっかりと見て、感染者のみならず今の状況で生きていくための方策をしっかりと打ち出してほしいです。
数字を見るんじゃない、人を見るのです。
先日、菅首相はシングルマザーや非正規労働の方々と面会されたとのこと。
皆さんとお顔を合わせて、一人ひとりみんな違う人間、立場で、十把一絡げで考えちゃいけないということを心から思われたことと信じます。
1都3県、緊急事態宣言は延長になるようですが、きっといいかたちの助成、公助をしてくださることでしょう。

冬ドラマ

土曜日の新聞を読んでいましたら、今期のドラマが面白いという記事が載っていました。
しかもタイトルがいい。「一変した人生光る脚本力」、わくわくしながら読みました。
今期はオリジナルも多く、面白いドラマが目白押しで、もちろんセンター出身ライターの方々のご活躍は当たり前(笑)で、私もいつも以上に録画も多く、毎日拝見するだけで寝るのは3時近くになってしまうくらいです。
記事で取り上げられていたのは、7作品。
宮藤官九郎さんの「俺の家の話」は、プロレスラーの息子が能楽宗家に戻り、後継ぎと父親介護の日々を描いた作品。
父と子の会話、ずれた交わり、クドカンさんらしい設定は奇抜だけれど、巧妙で笑えてちょっと心痛いドラマが展開しています。
森下佳子さんの「天国と地獄~サイコな2人~」は、年賀状で「ちょっと毛色の変わったドラマにしたので見て下さい」とお知らせいただいてたのですが、「お~、こうきたか!」という面白さ。
ただの入れ替え物ではなく、2人のキャラクターを見事に入れ替えの妙味にしているところは、さすが森下さんです。
福田靖さんの「書けないッ!」は、結構、出身ライターの方々から「身につまされる」「ああいう目にあった」というお声をいただいていて。(涙)?(笑)?
「あるある」のテレビ業界の実際を見ている感じが、身につまされたり、笑えたり・・・。
岡田惠和さんの「にじいろカルテ」、岡田さん初めての医療ものですが、都会に住んでいた難病を患っている医者が、田舎の診療所で、ほっこりする地元の人との交流を描いていて、癒されます。
難病を患っていることを隠して就職したことを主人公が告白する場面で、上司の医者が「医者で、患者、最強だなぁ!」という四の五の説明しないセリフがサイコー!。まだ2話ですが、人の優しに出会える癒しのドラマだと思います。
吉田紀子さんの「その女ジルバ」、本社から飛ばされて物流倉庫で働きながら、ひょんなことから熟年バーのホステスになる冴えない40歳の独身女性のあらら。
バーの初代ママジルバの人生を通して、戦争、東日本大震災を経験した人たちの交流を描き、優しさを全面に出しながらも鋭く社会を切っていく吉田さんの視点に惹かれます。
宮本武史さんの「バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~」名脇役たちの業界での身につまされるお話第3弾。
人気ドラマのパロディーやコンプライアンスに神経をとがらす現場など、テレビ業界の現場を垣間見れる面白さにはまります。宮本さん、回を追うごとに面白くされています。
熊本浩武さんの「直ちゃんは小学三年生」は、大人の役者さん4人が小学三年生に扮して、親の離婚やジェンダー問題などにも踏み込み、大人の見解を小学生ならではの転換でみせていく、最初は気持ち悪く見えたのに(すみません!)なぜか可愛く見えてしまう、いえ、見せるシナリオと役者さんの手腕に脱帽です。

ご存じのように、このうち4作品がセンター出身の方々でした。嬉しい!
すみません、ちょっと自慢。(笑)
あ、それと久しぶりにチャンと脚本家と向き合った記事になっているのが嬉しい。
脚本家の立場って、女性と同じで、絶対に必要で大事で同じ立場なのに、なぜか低くみられているんですよね。
この立場も変えていかなくっちゃ。すべては、脚本ありきなのですから。
脚本なくして、ドラマが創れるかぁ~!!福田さんのドラマに影響されているわけではありません。(笑)
オリジナルが増えたことも嬉しいですし、コロナ禍での制作者の皆さんの倍旧の頑張りが見えるようで、声援を送りたくなります。

ライターズバンクも、コロナ禍にもかかわらず、昨年も今年もオファーはまったく途絶えることなくいただいています。
エンタテイメントの灯は、消えない、消さないと、制作者の皆さんの心意気をひしひしと感じます。
見る側も今まで以上に人の本質に触れて傷ついたり、癒されたりしている現在、作る側は、より人の本質に迫り、人間をしっかりと描くことが大切になってくると思います。

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