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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

【 題材選び の参考に】第41回BKラジオドラマ脚本賞 佳作受賞 圡山由紀子さん

==題材選びでお悩みの方は、今回ご紹介する内容に触発されていいアイデアが浮かぶかもしれません。自分ならどんな題材にするか、考えてみてください==

NHK大阪拠点放送局(BK)主催「2020年度第41回BKラジオドラマ脚本賞」。
同賞は、関西(大阪・京都・奈良・兵庫・和歌山・滋賀)を舞台にした、あるいは関西に関わりのある、未発表創作作品であることが募集条件の1つとなっています。

応募総数141篇の中から、佳作に選ばれた圡山由紀子さん(通信作家集団)の『ミミ、ヘム、パイル』は、約130年の歴史と伝統を誇るタオル産地・大阪府 泉州地域で生産される「泉州タオル」を題材にした作品。BKラジオドラマ脚本賞のサイトで掲載されている講評では「タオル業界の裏側の興味、タオルへの愛情が感じられ、コミカルな面白さを感じさせる作品」と評価されています。

どんな作品か気になりますよね。同サイトにはあらすじ全文が掲載されていますが、こちらでは一部をご紹介↓

『ミミ、ヘム、パイル』あらすじ
泉州タオル工場で働く菅原洋平(47)は、タオル日本一大会のリーダー役を命ぜられる。その上、社長から今治タオルに勝って優勝しろとお達しが下る。だが高校生の頃から「勝負を避けて逃げるが勝ち」の信条に生きてきた男。そもそもリーダー役には同期の秦はたが決まっていたのに…。一方、菅原は一人娘の花(16)から、高校のダンス部で先輩と張り合いレギュラー選抜に残ったことでいじめられていると聞く。花は負けず嫌いで小さい頃から戦う子だった。菅原は花に、ここは諦めておとなしく先輩に譲れと助言するが、パパなんか逃げることしか知らないと言われ失望される――

受賞を記念して圡山さんにコメントをいただきました。ラジオドラマ脚本コンクールで賞をとりたい方に向けたメッセージもいただいていますので、参考にしてください。

今回、応募・受賞して

――今回、受賞の手応えはありましたか?

〇圡山さん:特に手応えがあったわけではありません。コンクールの結果に気持ちを持って行かれていたら手が止まってしまうため、常に平常心でいるよう心掛けていました。

それでも受賞を聞いたときは少しほっとしたので肩に力が入っていたのかもしれません。これからはもっとリラックスして書けそうな気がします。

――ラジオドラマの脚本をお書きになったのは初めてですか?

〇圡山さん:昨年から1時間ものばかり何本か書いています。

――なぜラジオドラマに挑戦しようと思ったのですか?

〇圡山さん:実の母も嫁ぎ先の母もラジオが好きで就寝前など毎日のように聞いていました。その姿が印象深く、いつか私の作品が流れたら一緒に喜んでくれるだろうなぁと想像したのがきっかけです。映像とはシナリオのかたちが少し違うので、森治美先生の著書「ドラマ脚本の書き方」を拝読してイメージが湧いたので挑戦してみました。

「タオル織機の音も良いかなと」

――書いたキッカケを教えてください。

〇圡山さん:関西を舞台にした作品であることが条件のコンクールだったので、場所でも物でも、関西の何かで全国的に知られて良い宣伝になる題材はないかと探していました。そこで行き着いたのが泉州タオルです。タオル織機の音も良いかなと。

――印象的なタイトルだと思いました。どんな想いが込められているのでしょうか?

〇圡山さん:ありがとうございます。ラジオはタイトルも台詞も耳で聞いて文字が想像できるものにした方がリスナーに親切だと教わりました。その上で「なんの話?パイル?」と気になってくれたらいいなとつけました。そのかわり、冒頭でこれは泉州タオルの話です、ということはすぐ出しました。タイトルはいつも最後まで悩みます。

――特にどんなことを心掛けましたか?また、「ラジオドラマだからこそココを意識して書いた」ということがありましたら併せてお聞かせください。

〇圡山さん:関西人の多くは普段の会話にもコミカルさを求めて話していますのでそこはうまく表現したいと思って書きました。業界の裏側というのは興味をそそるのですが、小難しいと聞いてもらえないので、耳だけで聞いても出来るだけ分かりやすくテンポ良く、と意識しました。

ラジオドラマはリスナーの想像にゆだねることができるので、大会のシーンはそれぞれの脳内で面白おかしく想像してもらえると楽しい作品になるだろうなぁと思って書いたのですが、どうだったでしょうね……。

――ラジオドラマ脚本コンクールで賞をとりたい生徒さんに向けてメッセージをお願いします。

〇圡山さん:結局、人にどう言われようと書き続ける意志というものが一番もろくて壊れやすく最後まで重要なのかなと感じます。

言葉のセンスは磨けるものと信じて、活字を沢山読み、人の話を聞いて勉強を続けること。

それと、良い師を求め、出会うこと。特に研修科の坂田先生にはこれまで多くのことを教わり、時に厳しくも母のような温かい眼差しで励まし続けてもらえたことが私にとって大きな支えになりました。本当にありがとうございました。

ラジオドラマコンクールに出したいかたはこちらのブログも併せて

■「第41回BKラジオドラマ脚本賞 最優秀賞受賞 山本昌子さん」

■「第14回南のシナリオ大賞受賞 竹田行人さん」

■「第14回南のシナリオ大賞 優秀賞受賞 境田博美さん」 

■「ラジオドラマ脚本コンクールで賞をとる2018①/山本雅嗣さん(第39回BKラジオドラマ大賞最優秀賞受賞)」

■「ラジオドラマ脚本コンクール で賞をとる2018②/菅浩史さん(第2回MBSラジオドラマ脚本コンクール優秀作受賞)」

■「ラジオドラマ脚本コンクールで賞をとる 2018③/山下蛙太郎さん(第12回南のシナリオ大賞優秀賞受賞)」 

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