シナリオ・センターの新井です。
小学校の先生が学習発表会で、生徒さんとも一緒になって劇の脚本が書けるようにアドバイスをくださいとのことで、小学館『小一 教育技術』2014年10月号で脚本の書き方について、取材記事に協力させて頂きました。
シナリオ・センターは、600名以上のプロの脚本家や小説家を養成しているシナリオ作家の養成スクールです。『小一 教育技術』の取材記事では、小学生向けに実施しているキッズシナリオの取組みを基にしています。ダイジェスト版ですが、「ちょっと脚本を書いてみたい」という方にも、参考になればと思います。
2024年7月にKADOKAWAさんから『~
ご紹介するポイントは6つ。
①テーマを決める
テーマとは、劇を通して伝えたいことです。
大枠となるテーマを決めると比較的書きやすくなります。”大枠”といっても、具体的な言葉にすることがポイントです。例えば、「友情」ではなく、「友情は大切だ」などです。
テーマは書き進めていく上で、よりクリアーになっていくこともあります。あまりテーマに縛られず、方向性として決めておくくらいに考えてもいいかもしれません。
②キャラクターを設定する
ドラマの根本はキャラクターです。
書きなれていないとストーリーから考えがちですが、キャラクターから考えていくことで、思いもよらぬ展開が生まれたりします。
ポイントは、あこがれ性と共通性という二面性を作ることです。
③ストーリー構成を考える
キャラクターができたら、ストーリー構成を考えます。起承転結で考える場合、それぞれの機能を把握しておくと、何を書くべきか整理されます。
起 話のおこり テーマに対するアンチテーゼ
承 ドラマの展開部 事件・事情がおこるところ
転 クライマックス テーマを訴える部分
結 余韻 テーマを定着させる部分
④箱書をつくる
箱書を作らない脚本家もたくさんいますが、箱書を作ると全体の構成を俯瞰することができます。
初めての方は箱書をつくると頭が整理されると思います。箱書の時のポイントは、具体的なイメージを映像で思い浮かべながら作ることです。
※③④については、『小一 教育技術』p68-69に図解付きで解説されています。
⑤ト書とセリフを書く
小学校の先生が作る場合は、子どもたちと一緒に考えていくといいのではないでしょうか。
キャラクターができていて、箱書ができていれば、「こういうシーンで、この人はどんなことをする?言う?」と進めていくと、子どもたちの意欲も上がっていくと思います。
大抵、大人が考えるよりも、イキイキとしたセリフやト書が出てきたりします(笑)
※発想の出し方についてのヒントは、こちらから
>>子どもでもサクサク書ける!物語の書き方
⑥演出する
いよいよ、劇を形にしていきます。演出する際には、演じる人物のキャラクター、その時の気持ち、目的などを、子どもたちにイメージさせると照れずにうまくいきます。例えば「この子はどんな性格なんだっけ?」「この時、どんな気持ちでここにいるの?」などと問いかけると子どもたち自身で考えることができると思います。
>>ご参考にしてください。
子どもが映画のシナリオと映像を作るときのアドバイス法
脚本が書いてみたくなった方は…
シナリオ・センターの基礎講座は、魅力的なドラマを作るための技術を学べます。映像シナリオの技術は、人間を描く全ての創作に応用することができます。
あなたの作家性を伸ばすことができる講座の詳細は、下記のリンクからご確認ください。
■シナリオ作家養成講座(6ヶ月) >>詳細はこちら
■シナリオ8週間講座(2ヶ月) >>詳細はこちら
■シナリオ通信講座 基礎科(6ヶ月) >>詳細はこちら