秘密を抱えている人物に、感情移入する
こんにちは。エンゼル浅田です。
あなたのシナリオをパラダイスに導きます。
「お巡りさんとエロ本の法則」、知ってますか?
これまでも紹介したことがあるので、ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、改めて説明します。
あなたが通勤や通学やお買い物などで毎日のように通る道に、交番があるとします。
いつも制服のお巡りさんが交代で立っています。毎日のように通るので、だいたい顔を覚えてしまいました。
だからって、どうってことはありません。今日は、この人が立ってるな、ふーん、ぐらいのことです。
でも、ある日スーパーへ行ったら、そのうちの1人のお巡りさんが買い物をしています。
私服で、小さな子どもを連れています。
奥さんに頼まれたらしく、メモを見ながら「これかなあ?」「違うって。いつもママが買ってるのはこっち。パパ、だめだなあ」なんて子どもに叱られているのを目撃します。
翌日、交番の前を通りかかると、そのお巡りさんが立っています。
それまでとは全然違う見方になっているはずです。
とても身近に感じられますし、あれやこれや自然に想像してしまうでしょう。
さらに、ある夜コンビニへ行くと、そのお巡りさんがいます。
何とエロ本のコーナーでキョロキョロ周りをうかがいつつ、立ち読みしているではありませんか。
こうなると翌日、そのお巡りさんを見たくてしょうがなくなります。
通りかかった時に、さすがに立ち止まってジロジロ顔をのぞきこんだりはしないものの、気持ちは釘づけになるでしょう。
これです。
観客や視聴者を釘づけにするには、このエロ本の立ち読みを目撃させればいいわけです。
いやいや、実際にエロ本を立ち読みしているシーンを描くわけではありません。その人物の人には見せない、むしろ隠そうとしている秘密の顔を描くのです。
人には誰でも秘密があります。秘密のない人なんていません。
自分の秘密を人には知られたくないくせに、人の秘密が大大大好きです。なので、秘密を抱えている人物に、ものすごく引きこまれ感情移入するのです。
秘密は観客や視聴者を引きつける最強の武器と言えるでしょう。
使い方としては、まず最初に観客や視聴者に秘密をバラしておくのがお勧めです。
何か秘密がありそうだぞと引きこんでおいて、実はこうでしたとバラす手もありますが、最初にバラしておく方が、感情移入はしやすくなります。
また、実はこうでしたパターンは、どんな秘密なのか観客や視聴者は先読みします。
秘密をバラした時に「へえ! そういうことだったのか!」となればいいのですが、これがなかなか難しいのです。
観客や視聴者の読み通りだと、「なーんだ、やっぱりそうか」とガッカリされますし、読みが外れたら外れたで「それは、ちょっとおかしいんじゃないの?」と、疑問や反感を持たれてしまったりします。
実はこうでしたパターンの場合、決して読まれない意外性がありながら、ものすごく説得力のある秘密が求められます。