◆「クライアントの気持ち」に寄り添ったプレゼン内容を考える鍵は起承転結の「起」「結」!
シナリオの構成(起承転結)を応用すると、相手の気持ちに寄り添ったプレゼン内容を組み立てることができます。
今回は、シナリオ・センター代表・新井一樹が三菱鉛筆さんの「nu!の会」で実施した研修内容をもとに、実践的な方法をご紹介。
=今回の概要==============
・サービス名:シナリオ技術で磨くプレゼンテーション「気持ちを動かすプレゼン設計」
・目的:相手の気持ちを考えたプレゼンができるようになる
・対象:三菱鉛筆さま「nu!の会」
・形式:対面+Zoomによるオンライン
・時間:90分
▼ビジネスシナリオ研修 事例まとめ
https://www.scenario.co.jp/online/23609/
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◆「nu!の会」とは?
三菱鉛筆さんが外部講師を招き、セミナーやワークショップを通じて新しい知見を得る場。
創新(=イノベーション)に繋がる発想のきっかけになることが目的。
「nu!」とは、コーポレートブランド「uni」を上下逆さまにしたもの。
“タブーをなくし、もっといい未来を考える”という想いが込められている。
◆プレゼンは「転・結→起→承」の順で考えると伝わりやすい!
シナリオを書く場合の起承転結の機能は――
・起:「天(時代)」「地(舞台・場所)」「人(登場人物のキャラクター人物)」を紹介する部分。
また、「アンチテーゼ(テーマの逆)」から始める。
・承:事件・事実・事情などの障害が発生する部分
・転:テーマ(この物語で伝えたいこと)を感じさせる部分
・結:テーマの定着と余韻を持たせる部分
これをプレゼン用に置き換えると――
・起:クライアントが抱える課題や悩み(クライアントの気持ち)
・承:クライアントの不安を解決する手立て(プレゼンする側の気持ち)。
「こういうことがありますよね?」「こういとき困りますよね?」という“リトマス” をかけて、クライアントのリアクションを引き出して、「転」のところで説明するための根拠を作る。
できるだけ「うんうん確かに」と頷いてもらえるようなリトマスを考える。
・転:伝えたいこと(プレゼンする側の気持ち)
・結:このプレゼンを聞いたクライアントに望む反応や感想(クライアントの気持ち)。
ポイントは――
「転・結→起→承」の順で考えること。
当日は昔話『桃太郎』を使ったワークを実施。
「転・結→起→承」の順で考えていただきました!
◆クライアントの気持ちと桃太郎の気持ちは似ている
*

〇新井:昔話『桃太郎』では、桃太郎はすんなり鬼退治に行きますよね。でもね、死ぬかもしれない鬼退治に、二つ返事で行くわけないと思うんですよ。
そこで皆さん、桃太郎のおじいさんになって、「桃太郎に鬼退治に行ってくれ」と桃太郎にプレゼンしてください。
いま、「え?桃太郎で考えるの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、クライアントと桃太郎の「気持ち」には共通点があります。
桃太郎は、鬼退治に行きたくないけど、行く必要はある、と思ってますよね。
きっと皆さんのクライアントさんも、「必要性は感じているんだけど……」と躊躇することもあると思うんですよ。
なので今日は、プレゼンの目的を「桃太郎に鬼退治に行ってもらう」として、クライアントを「桃太郎」と想定して、練習してみましょう!
◆『桃太郎』ワーク内容
・桃太郎のキャラクター(=性格)を設定
→具体的な人物を思い浮かべると、起承転結を設定する際の言葉選びが明確になる。
・転(おじいさんのセリフ)
→「このキャラの桃太郎なら、こう言えば動く」と考え、「鬼退治に行くと桃太郎にとってこんないいことがある」という“鬼退治に行く価値”を提示する。
・結(桃太郎のセリフ)
→「転」で伝えたことを受けて、どう思ってほしいか。
・起(桃太郎のセリフ)
→「鬼退治に行きたくない理由」「不安」「引っかかり」を言語化。
・承(おじいさんのセリフ)
→「起」で出た事柄に対して、気持ちをほぐすような解決策を提案する。
◆参加者の方の中から、一例をご紹介!
ある参加者の方は、ご自身の息子さんのキャラをベースにデフォルメして桃太郎のキャラクターを設定し、起承転結を考えてくださいました。
・桃太郎のキャラクター
自己中心的・選民意識が高い・疑り深い・斜に構えている
・転(おじいさんのセリフ)
「“正義漢”ぶるのをダサいと思うのは、ダサいよね」
・結(桃太郎のセリフ)
「結局、俺しかいないってことか(笑)。言いたいことは分かる。今回だけね」
・起(桃太郎のセリフ)
・承(おじいさんのセリフ)
起「俺には関係ない」に対して→
承「全然行かなくていいよ」
起「どうせ誰かが行くし、俺である必要はない」に対して→
承「そうだよね、でもみんな基本行かないよね」
起「“正義漢”ぶるのダサい」に対して→
承「無理しなくていいよ。本当に」
◆上記における新井の感想/「起」「結」はクライアントの気持ち!
*

〇新井:桃太郎のキャラクターを考えるときに、息子さんを思い浮かべて、そこから考えたのがすごく良いと思います!
キャラクターを設定するときは、知っている人を具体的にひとり決めることをオススメしています。
そうすると、特に「起」「結」(クライアントの気持ち)を考えやすくなるからです。
皆さん、普段プレゼン内容を考えるとき、プレゼンを通して相手がどう思うか(「結」)よりも、自分が何を言うか(「承」「転」)のほうに意識がいくのでは?
「起」「結」は相手の気持ちの部分なので、ここをじっくり考えていくことで、特に「承」で何を・どう伝えればいいのかが変わります!だから、相手が聞きたくなるプレゼンができるようになります。
是非、この方法を活用してみてください。
◆まとめ:プレゼン用の起承転結の使い方
・クライアントのキャラクターを身近な人をモデルに想定
・考える順番は
①「転(自分が伝えたいこと)」「結(クライアントに望む反応)」
②「起(クライアントの懸念事項)」
③「承(懸念事項への解決策)」の順。
・クライアントの気持ちの部分である「結」「起」は特に丁寧に考える。
◆参加者の皆様からのご感想を一部ご紹介!
*

・プレゼンにおける起承転結の「起・結=相手」「承・転=自分」を意識することは新たな発見でした。
・「プレゼンテーションは結果からまず話して――」ということはよく聞きますが、中身の構成や考え方の話は今まで誰も教えてくれなかったな、と思い出し、すごく勉強になりました。
SNSやAIが発展してきて、「相手のことをしっかり分析し、どう伝えるか考える」という行為自体、減ってきている危機感があるので、今回聞いた内容は色々な人に広めたいな、と思います。
・資料作りにも活かしてみます。
・説明する際には、誰にどんな状態になってもらいたいかを意識して、伝えたいことに共感してもらえるような資料設計を心掛けます。
・起承転結の中で「転」が一番の盛り上がりである認識はしていましたが、起承転結にそれぞれ機能があることに気付かされました。「承・転」の伝え方に意識がいっていましたが、「起・結」の相手の受け取り方をこれから考えるようにします。
・プレゼンに対する見方が、変わった気がします。
・「起と結は相手、承と転は自分、起の天地人の違いでストーリーも違う」という学びは目から鱗でした。今後のプレゼンテーションに生かしていこうと思います。
・今後のプレゼンの際には、聴き手に伝えたいことと結の部分から逆算して組み立てることを意識しようと思います。
◆どんなプレゼンでも使える万能な「起承転結」
いただいた感想の中には、
「好評だったら、新井さんの2回目講演あってもいいかも」
「今回は題材がわかりやすかったので、目的が決まっていないパターンなど応用編も聞くことが出来るとより嬉しいです」
といった次回の開催を期待してくださるお声もいただきました。ありがとうございます。
こんなふうに、一度基本的なやり方を理解すれば、様々なシチュエーションで考えてみたくなります。
いろいろなパターンを想定した“プレゼンのストック”があれば、どのような状況でも臨機応変に対応できるプレゼン内容を考えられるようになるのでは!
今回こちらの記事をご覧いただいて、「うちの会社でもこういった講義やワークをやってほしい!」ということでしたら、是非シナリオ・センターのビジネスシナリオまでお問い合わせください。
◆新井一樹 著書ご紹介
★『大人になっても「書くこと」を好きでいたい君へ シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』(KADOKAWA)

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▼あなたのアイデアを、物語に仕上げるための『シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』
▼脚本家・政池洋佑さん流 創作術/新井一樹 出版記念対談より
・出版記念イベントとして開催した特別講義「頭ひとつ抜けた小説を書くためのシナリオ・センター式 創作術」
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★『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日本実業出版社)

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★『シナリオ・センター式 物語のみがき方』(日本実業出版社)

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