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シナリオの技術を使った思考の整理術
@昭和女子大学「ライティング講座」

==エッセイやレポートなどで自分の考えを文章化するとき。今回ご紹介する「シナリオの技術を使った思考の整理術」をお使いください==

先日、昭和女子大学人間文化学部日本語日本文学科の皆さんに向けて、シナリオ・センター代表・新井一樹が「ライティング講座」(全2回)を担当いたしました。

第2回の授業が終わった後、教室でちょっとした“変化”が起きました。
皆さんが、机の上の消しゴムのカスを丁寧に集めて、ゴミ箱へ捨ててから帰っていったのです。
その行動の理由は、授業で扱った「思考の整理術」にありました。
それはなぜか。こちらのブログでご紹介。

=今回の概要==============

・サービス名:「ライティング講座」(全2回)
・目的:シナリオ視点を「創作」と「思考の整理」に役立てる
・対象:昭和女子大学人間文化学部日本語日本文学科
・時間:各約90分
※カレッジシナリオなど、子ども・学生向け出前授業の実施例
https://www.scenario.co.jp/online/23609/ 

※前回、昭和女子大学の学生さんに向けた実施した模様はこちら
▼就活の自己PRを考えるときもシナリオの技術で!@昭和女子大学
https://www.scenario.co.jp/online/35173/ 

====================

シナリオの技術を使って、
第1回目は「創作」第二回目は「思考の整理」

第1回目では、短いシナリオ作成を通して、
「シナリオはこうやって描くんだ!」「物語はこういう要素から考えるといいんだ!」
という気づきを体験していただきました。

あわせて、「創る側の視点」を知ることで、映像鑑賞や読書がより深く楽しめるようになることもお伝えしました。

第2回目では、事前アンケートで多くいただいた「自分の考えをまとめるとき」「就活の自己PR・レポート・卒論を書くとき」に役立つことを知りたい、というご要望にお応えし、シナリオの技術を応用した“思考の整理術” をお話ししました。

文章を書くときに迷いやすい
「何から書けばいいのか」「どう構成すれば伝わるのか」
という悩みを、シナリオならではの視点で整理する、という内容です。

参加者全員が「物語の構成について理解が深まった」と回答
構成が分かると文章を書くことが楽しくなる!

事前アンケートでは、数名の方が「書くことは好きではないけれど創作は好き」と回答されていましたが、全2回の講座終了後には、参加者全員が「物語の構成について理解が深まった」と回答。

その中には、次のような声も寄せられています。

<参加者の声(一部抜粋)>
・授業を受けるまではなんとなくで文章を書いていたため途中で手が止まってしまうことも多かったのですが、構成や登場人物などのポイントを中心に考えていく事で、より早く沢山のアイデアを出すことができました。起承転結の中で「転」が自分の伝えたいテーマ、「結」が相手がどう感じるかということをセリフで考えてみる、ということが印象に残りました。

・文の構成や伝えたいことの表し方を知ることができました。

・創作を普段は感覚一辺倒でやっているので、理論的に構成を学ぶ機会に恵まれてとてもありがたかったです。構成をきちんと考える癖をつけると、鑑賞やレポート作成に役立つことを初めて知りました。ご講義いただきありがとうございました。

この感想からも分かるように、今回特に反響が大きかったのが、第2回目の「シナリオの技術を応用した“思考の整理術”」でした。

「書くことが苦手」と感じている方にこそ、新しい視点を得られる内容だったのではないかと思います。

そこで、本ブログでは、この第2回の講座内容を一部ご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

まずは「モチーフ」を設定する

〇新井:第2回目は「シナリオの技術を応用した“思考の整理術”」についてお話しします。
今日使うシナリオの技術は「構成(起承転結)」です。

創作では、書き始める前に「起・承・転・結」それぞれの機能を押さえ、流れをざっくり決めておくことで、筆が止まったり“迷子”になることを防げます。

この「起・承・転・結」は少しアレンジすると、創作だけでなく、就活の自己PRやレポート・卒論を書くときにも応用できます。

今回は練習として、自分の嫌いなモノやコトについて、この構成を使って自分の考えを整理してみましょう。

まず、どんなモノやコトが嫌いですか?

――新井の問いかけに、皆さんが答えてくれます。

・虫全般
・好きなことを楽しく話しているのに、「でもさ」と言われること
・パプリカ
・消しゴムの消しカスを机に集めているのに、それを捨てずに帰る人
・いぶりがっこ
・急に後ろから肩を叩かれたり、ワッ!と言われること。前に回って話しかけてほしい。

〇新井:ありがとうございます。

いま皆さんに挙げてもらったもの、シナリオ・センターでは「モチーフ」と呼んでいます。

「モチーフ」はテーマ(伝えたいこと)を具体化したもので、「テーマを肉体化するもの」と紹介しています。
簡単に言うと、タイトルを聞かなくても「ああ、あの話ね」と分かる“作品を象徴するもの”です。

例えば『ROOKIES』っていうドラマ分かりますか?
タイトルが思い出せなくても「ほら、不良が野球で甲子園を目指すドラマ」と言えば伝わることがありますよね。

皆さんの場合も、先ほど挙げたイヤなモノについて書くなら「虫の話」「パプリカの話」といったイメージで捉えてください。
だから、文章を書くときはまず「モチーフ」を設定しましょう。

「起・承・転・結」各機能のアレンジ方法

〇新井:ではまず、創作における「起・承・転・結」それぞれの機能からお伝えします。

◆「起」
天地人(時代・場所や舞台・人物)を紹介する機能
「アンチテーゼ」(“転”で伝えたい逆のこと)から始めること

◆「承」
事件・事実・事情を積み重ねてドラマを進行させる機能
主人公に「障害(困らせること)」をぶつけ、イライラさせたり、迷わせたりする

◆「転」
作品のテーマを感じさせる機能

◆「結」
テーマの定着と余韻をもたせる機能

〇新井:「起承転結」を考えるときは、「転→結→起→承」の順に考えるとやりやすいかなと思います。

次に、この機能を「自分の嫌いなモノやコトについて考えを整理する」ためにアレンジします。

その前に、まずは“誰に読んでもらうか”という「伝える相手」を具体的に設定してください。

相手を想定すると、起承転結が考えやすくなり、リアクションも想像できるので、映像が浮かぶ文章になります。結果として読み手にも伝わりやすくなります。

今回は、皆さんが「〇〇が嫌い」と言ったときに「えー!なんで?」と少し否定的に返してくる相手をイメージしてみましょう。

では、今回の起承転結の考え方です。

◆起
「〇〇(モチーフ)が嫌いだなんて分からない!」
=相手が最初に言いそうな言葉。相手の立場で考える。
例:「トマトが嫌いだなんて信じられない。身体にいいのに!」

◆承
作者が〇〇(モチーフ)を嫌いだと感じた理由やエピソード
例:トマトが嫌いなのは△△だから

◆転
作者が伝えたいこと(テーマ)
例:トマトはまずい

◆結
「なるほど、だから〇〇が嫌いなんだね」
=相手に言ってほしい言葉
例:「そっか、そう言われてみれば確かにトマトは△△な感じがするもんね」

〇新井:こんなふうに、起承転結の機能を知っていれば、状況に合わせて少しアレンジするだけで、文章がぐっと書きやすくなります。

※状況に合わせた「起・承・転・結」のアレンジ方法はこちらも参考にしてください。
「文章が書けない」となる前にすべきたった1つのこと

構成シートで自分の考えを“見える化”する

〇新井:それでは、これから皆さんにシナリオ・センター特製「構成シート」をお配りします。
空欄を埋める流れで、考えを整理していきましょう。

まずは「一言ストーリー」を考えます。
例えば、僕の場合はモチーフが「トマト」なので、「トマトはまずいから嫌いということを伝える」とします。

皆さんも書いてみてください。
そのうえで、「転(伝えたいこと)」「結(相手に言ってほしい言葉)」「起(相手が最初に言いそうな言葉)」「承①・承②・承③(理由やエピソード)」を考えてみましょう。

構成シートで整理すると“本当に伝わる”文章になる

――皆さん、真剣に書いてくださっています!

〇新井:どうでしょうか?書けましたか?
書けたら、隣の人と見せ合ってみてください。

――皆さん、自分の嫌いなモノやコトについて、自分の考えを「構成シート」を使ってきちんと整理ができていました!

例えば、モチーフを「虫」にした学生さんはこんな風に整理していました。

・一言ストーリー:虫が嫌いということを伝える。
・起:「虫より人間のほうが怖いよ」
・承①:人間は見た目からどんな人か予測できる場合があるが、虫は見ただけでは分からない。
・承②:人間とは話し合えるが、虫とは話せないので考えが分からない。
・承③:同じ人間なら理解できることがあるが、虫は全く異なる存在で理解が難しい。
・転:予想できないことが多いので虫が嫌い。
・結:「そうだね、言われてみれば虫の気持ちは分からないもんね」

――これを見た新井は……

〇新井:すばらしい!
伝えたいことがとても分かりやすく伝わりました。
「そっか、だから虫が嫌いなんだね」と自然に同調したくなります。

他の皆さんも、とても上手に自分の考えを整理できていました。
起承転結をアレンジして考えると、いきなり文章を書くよりずっと書きやすくなると思います。

――皆さん、頷いてくれています。

そして授業終了後。
皆さん一斉に、机の上の消しゴムの消しカスを集めてゴミ箱に捨てていました。

その光景を見た新井は、「消しゴムの消しカスをそのままにして帰る人」をモチーフに書いた学生さんに向かって一言。

〇新井:伝えたいことがちゃんと伝わりましたね(笑)

――その学生さんも嬉しそうに頷いてくれました。

「シナリオの技術を使って思考を整理すると、本当に相手に伝わるんだ!」
その瞬間を皆さんに体感していただけたのでは!

「書くことが苦手」と感じている方は、ぜひ今回の思考整理術を実践してみてください。

※こちらの記事も併せて是非ご覧ください。
▼プレゼンに自信はあるのに、どこか不安──その正体は「結」の不足
顧客視点でプレゼンを組み立てる方法@日本テレビサービス

シナリオの技術に興味が出たら――

今回の授業を終えたあと、担当の先生からうれしいご報告がありました。
なんと、参加された学生さんの中で数名の方が「もっとシナリオを学んでみたい」と、シナリオ・センターの基礎講座に興味をもってくださったそうです。

創作の世界に一歩踏み出すきっかけになれたこと、本当にうれしく思います。
ありがとうございます。

そして、もしこのブログを読んでくださっているあなたも、
「シナリオってちょっと気になる」
「物語を描く力を伸ばしてみたい」
そんなお気持ちが少しでも芽生えたなら、ぜひ基礎講座をご検討ください。

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※こちらのブログも併せてご覧ください。
面白い物語になっているかチェック!『シナリオ・センター式 物語のつくり方』 

 

 

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※こちらのブログも併せてご覧ください
コンクール前に悩まないために!『シナリオ・センター式 物語のみがき方』発売開始

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※こちらのブログも併せてご覧ください。
あなたのアイデアを、物語に仕上げるための『シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』

脚本家・政池洋佑さん流 創作術/新井一樹 出版記念対談より

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【カクヨム】アーカイブ動画&書き起こし記事

【シナリオ・センター】「小説 最後まで書けない」を解決

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・出前授業
シナリオ・センターは、1970年創立。優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に創設以来、700名以上の脚本家や小説家が誕生しています。2010年から「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」という思いから、小中学校だけでなく、大学や色々な施設へ出前授業を実施。創作を楽しみながら、想像力と表現力が身つくカリキュラムを提供しています。ご参考までにこちらをご覧ください。

コミュニケーション力 を上げるシナリオ研修 事例まとめ

シナリオ・センターでは、いろいろな施設や教育団体への出前授業を実施しています。オンラインでも実施可能です。ご希望に合わせてカリキュラムをご提案いたします。「こんなこと、できますか?」というご相談も大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

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