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編集者必読!作家のチカラを引き出すディレクションとは
~インタビュー:トゥーンクラッカー編~

編集者必読!作家の力を引き出すディレクションとは

エンタメシナリオ研修を実施/トゥーンクラッカーさん

webtoon(縦読みデジタルコミック)の制作等で多数のヒット作を生み出すトゥーンクラッカーさん

同社の編集者(=ディレクター)向けに、シナリオ・センターが全6回の「エンタメシナリオ研修」を実施いたしました。

本記事では、

・研修を導入した理由
・編集者が抱えていた“ディレクションの悩み”
・研修後にどんな変化が起きたのか 

――を同社取締役CCO・鷲山さん、そして実際に受講していただいたディレクターのiさんに、
研修の講師を担当したシナリオ・センター代表の新井一樹がインタビューさせていただきました。

webtoon編集者の方、シナリオライターとのやり取りに悩む方は必読です。

トゥーンクラッカーとは:
縦読み、横読みデジタルコミックの制作の自社制作・プロデュース業務をはじめ、ゲームなどのオリジナルコンテン制作など幅広くIP創出を行う企業

『不倫女の私、地獄へ堕ちろ』(LINEマンガ8部門で1位獲得)

『全知全能トラップマスター』(LINEマンガ男性総合1位獲得)

『その高校生、亡霊(ガイスト)につき』(LINEマンガ男性総合1位獲得)

『凪いだ夜に君は消えた。~離婚したはずの夫から逃げられない~』(ピッコマ総合1位獲得)

――他、沢山のヒット作を手掛けられています。

エンタメシナリオ研修とは:
編集者がシナリオライターに指示を出すための「共通言語」を身につける研修

シナリオライターに対するディレクションに重要なシナリオの基礎技術と
ディレクションスキルを鍛えるプログラムです。

編集者は脚本家とともに制作を進めるため「共通言語」が必要となります。
登場人物のキャラクターの作り方、構成の立て方、セリフの機能など、
シナリオの基礎技術を習得することで、シナリオライターとの共通言語を習得できます。

さらにディレクションする際に必要な一行ストーリーの作り方や三行ストーリーの作り方、
また、構成の機能を理解し、脚本家への指示の出し方をレベルアップさせます。

=今回の研修の概要==============

・サービス名:webtoon編集者向けディレクションスキルUP研修

・目的:編集者のディレクション力養成と共通言語の獲得

・対象:トゥーンクラッカーさま
編集者(ディレクター)の他、ネームクリエイターなど他の職種の方も一部ご受講。

・形式:対面

・時間:90分×6回
第1~4回:新井 担当
第5・6回:ベテラン編集者でもあるシナリオ・センターの武者講師 担当

・カリキュラム
第1回:全体の概論(面白くない話の5つの特徴/クリエイティブとロジック)
第2回:登場人物のキャラクター(=性格)
第3回:構成(起承転結)
第4回:シナリオライターに対するディレクションの手順と方法
第5回:シナリオライターとの成果を生む関係構築術①
第6回:〃②

▼エンタメシナリオ研修 事例まとめ
https://www.scenario.co.jp/online/23609/ 

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なぜ研修を導入したのか

〇鷲山さん
トゥーンクラッカーでは、いわゆる「webtoon」を作っているのですが、
作り方は従来のコミックと違って、各工程のスペシャリストが集まって分業制で制作しています。

シナリオを作る人がいて、ネームという漫画の設計図部分を作る人がいて、
キャラクターデザイン(キャラデザ)をする人がいて、
というようにそれぞれの工程に分かれて、ひとつの作品を作るというのが特徴です。

読者の年齢層は広くて、主に10〜50代。
若い世代はタイパ重視の方が多いからか、ランキング上位の作品を読む傾向が強く、
そのランキングの最初の流れを作るのは40~50代の課金をしてくださる層です。

〇新井
なるほど。じゃあ、あまり年齢は関係ないんですね。

〇鷲山さん
はい。どの年齢層の方にも「この先を読みたい!」と思っていただけるような
“毎話 気になる構成”で作ることがより重要です。

その意味で、勿論すべての工程が大事なのですが、改めてシナリオの重要性を強く感じていました。

それからうちは、即戦力となるディレクター(編集)経験者の募集だけでなく、
積極的に新卒採用も行っているので、シナリオの基礎知識やディレクション能力、
そもそもの経験値にばらつきがあるという状況にありました。

そこで、この足並みを一旦揃えたいというか、底上げしたいよねと。

〇iさん
私は新卒で入社して今年で3年目になります。
シナリオを書いた経験はなく、入社当時は一読者でした。

でも、企画の立ち上げから関わり、クリエイティブ全般を管理する
というディレクターの立場でいざ作品を作るとなったとき、
「自分が面白いと思っている作品のレベルまで面白くできない。
そのレベルまでもっていくにはどうすればいいんだろう……」という苦しみがあって。

ライターさんに対するディレクションの仕方も自己流でやっていた部分がありました。
例えば、送られてきたシナリオを読んで、「この部分はもっと面白くなるんじゃないか」と思っても、
それはあくまでも自分の感覚なので、どうお伝えすればいいか悩むときがありました。

〇新井
他の皆さんもそういう同じような悩みがあったんですかね?

〇鷲山さん
大なり小なりあったと思います。

ただ、ディレクター同士でノウハウやナレッジの共有をしているので、
今回の研修で教えていただいたポイントに近いことを実践しているところも勿論あります。

とはいえ、シナリオを読んで「なんか微妙だな」と思っても「なんか面白くないです」とは言えない。
でも、この感情は伝えないといけないので、彼女のようにあの手この手でやるわけですが、
こういう感覚的なフィードバックは“最短ルート”ではないですよね。

新卒のディレクターもきちんと育てていきたいという想いがあるので、
この機会にしっかりとシナリオの基礎知識やディレクションの方法を確認すれば、
組織としてヒット作づくりの再現性を高めることができるんじゃないかと思いました。

「最初にシーンを磨く」から「キャラクターに言及する」という考え方へ

*

〇iさん
研修を受ける中で、これまで私が大事にしてきたことは間違ってなかったんだ、
これからもしっかり意識していこう!と確認できた部分もありました。

ただ、この「大事にしてきたこと」というのは、こう盛り上がればいいんじゃないかとか、
こういう設定にすればいいんじゃないかとか、
「シーンを磨くこと」にどちらかというと重きを置いていて、
「登場人物のキャラクター」についてはそこまで……という感じでした。

研修を受けて、私が思っていたよりも登場人物のキャラクター設定は
断然重要なんだなと気づかされました。

例えば「真面目すぎる性格」とか、こんなにシンプルで抽象的な表現でいいんだと最初は驚いたのですが、
この考え方を取り入れたらライターさんとのキャラのすり合わせもスムーズにいくようになって。
「登場人物のキャラクターに言及する」、そして、
その設定したキャラクターがブレないように「キャラブレに言及する」ということも本当に刺さりました。

〇新井
登場人物のキャラクターを意識するようになって、プライベートで作品を鑑賞するときもちょっと見る眼が変わったのでは?

〇iさん
そうですね。
例えば少女漫画で文化祭や夏休みとか、よく出てくるお決まりのイベントってありますよね。

以前の私だったら「まあ時期的にそうなるでしょ」と思っていましたが、そうじゃなくて、
「このキャラクターのこういう魅力を立たせるためにこのイベントを出しているんだな」と
考えながら観るようになりました。

あと、キャラクター設定の大切さを踏まえたうえで受けた第3回目の「構成」で、
起承転結それぞれの機能を押さえることができたのは私の中で結構大きくて。

〇iさん
例えば、起承転結の「承」は事件・事実・事情を積み重ねてドラマを進行させる機能。
主人公に「障害(困らせること)」をぶつけて、イライラさせたり、迷わせたりする。

さきほどのイベントの話で言うと、
例えば「承」のところで主人公になんらかの障害が起こるとします。
じゃあ、この主人公のキャラクターならではの障害ってなんだろう。
その障害をこのキャラクターならどう乗り越えるだろう。
そのためにはどんなイベントがいいだろう?

こんなふうに、ただ「この季節だからこのイベントのシーンだよね」じゃなくて、
登場人物のキャラクターや「承」の機能も考えながら、
だったらこのイベントだよね、と考えられるようになりました。

〇新井
それはよかった!

〇iさん
「承」の他にも、「起」は天地人(時代・場所や舞台・人物)を紹介する機能があり、
「アンチテーゼ」(“転”で伝えたい逆のこと)から始めること。
「転」は作品のテーマを感じさせる機能。
「結」テーマの定着と余韻をもたせる機能。

これを改めて確認できたことで、物語を作るときの1つの「軸」が自分の中にできて、
ライターさんへ変更のご相談をするときもしやすくなりました。

「やっぱりシナリオは大事!」という意識が社内的に爆上がり

〇iさん
あと、シーンの長さも盲点だったというか。

これまでは「このシーンはなんかダレてる気はするけど説明すべきことはしているし……」
みたいな感じでした。

でも、起承転結の「起」は物語の1~2割程度、「承」は7~8割程度、
「転・結」が残りの1~2割程度、で考えると構成しやすいということを知って、そっか!と。

機能の他にこういう配分も分かっていると、自分の感覚ではなくロジックで、
ライターさんにフィードバックができるのですごく助かっています。

〇新井
じゃあ、以前に比べて今はディレクションしやすくなりましたか?

〇iさん
はい。研修の第4回目で「ディレクションには手順がある」という話の中で出た
「主人公が〇〇しようとする話」を設定する、というのもすごく役に立っていて。

「これは主人公が何をしようとする話なんだっけ?」というところから
ライターさんと丁寧に擦り合わせをしていくようになりました。

で、これがちゃんとできていたら、作品のテーマは定まっているかを確認して、
次に登場人物のキャラクターはブレていないかを確認して、
というふうに順序立ててフィードバックしていく。

こうすることで、私の歴代の中だといま一番いい感じにライターさんと
二人三脚ができているなという体感があります。

〇新井
iさん史上一番なの!?うれしいなあ。

〇鷲山さん
研修を受けて、「やっぱりシナリオは超大事だよね」という意識が社内的に爆上がりしたと思っていて。

あの講義は編集者だけじゃなく、ネームを書いているネームクリエイターたちも一部参加していたので、
職種を超えてこの意識が浸透したというのは成果として大きいなと。

それから、研修での学びを実践することで「これまでで一番面白いものがちゃんとできている!」
と実感しながらディレクションしている編集者が増えていることも大きいかなと思います。

手前味噌ですが、本当に作品のレベルは上がっていると思います。

〇iさん
私も同じ意見です。
シナリオに対して、職種に関係なく社員同士でも意見を言い合うんですけど、
今まではちょっとフワッとした意見だったのが、今は「少しキャラブレしてるのでは?」とか
「これは主人公が何をしようとする話なのかちょっと不明だよね」みたいな、
的確なコメントでやり取りをするようになりました。

社員一丸となって作品のブラッシュアップができるようになって、
「みんなでいい作品にしていってる!」という実感がすごくあります。

〇新井
さきほど鷲山さんが「ヒット作づくりへの再現性を高めたい」と仰っていましたが、そうなりそうな感じはしますか?

〇鷲山さん
めちゃめちゃありますね。
シナリオの完成度にその兆候がもう出始めているので。

〇新井
シナリオに対する意識が高まったことで本当にレベルアップしてるんですね!よかった!

〇鷲山さん
うちは新卒・未経験からスタートするディレクターも多いので、
彼女のようにシナリオを書いたことがない一読者だった者が、
いざライターさんにディレクションしていくとなったとき、
例えば「このシーンがなんか気になるな」とか「このセリフがちょっと……」とか、
見えやすい表層部分だけを指摘してしまいがちなんですよ。

本質的にはもっと違うところを指摘しないとシナリオ全体は良くならないのに、
どうすればいいか知らないと見えている部分しか指摘できない。

で、なんとなく良くなった気になってしまう。

これは「ディレクションの落とし穴」だと思うんです。
ライターさんに何かしらフィードバックすれば、“ディレクションしてる風”になってしまうので。

今回の研修で、この落とし穴に落ちないための知識を得ることができました。
これは本当に大きな進歩ですし、嬉しく思っています。

〇新井
あと、聞くところによると、研修の回を重ねるごとに、拙著『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日本実業出版社)を皆さんが読んでくれるようになったとか。

〇鷲山さん
はい。だいぶ前から「いい本だよ」と社内に置いていたのですが誰も……。
でも今はもうみんなが読んでいます(笑)。

〇新井
ありがとうございます(笑)。シナリオに対する意識が高まった証拠ですね!

日本を代表するコンテンツ会社を目指して

〇新井
最後に。
トゥーンクラッカーさんは、シナリオ・センターの「ライターズバンク」(シナリオ・センター受講生をライターの道へと繋げる為のバックアップシステム)に、ほぼ毎月コンペ案件の募集を出してくださっています。

ですので、シナリオ・センターのライターズバンク登録者のかたに向けてメッセージをいただけますでしょうか。

また、トゥーンクラッカーさんは即戦力の方や未経験・新卒の方の募集も積極的に行われていらっしゃいますので、その方々に向けても是非メッセージを。

〇鷲山さん
これからも引き続き、今以上に笑える世界になるような作品をつくり、
日本を代表するコンテンツ会社になれるよう目指していきますので、
ご協力いただける作家さん、編集者さん、クリエイターの皆さん、
コンペのご参加や応募をお待ちしております。

〇iさん
熱量をもって作品を一緒に作ってくださる方と是非ご一緒させていただければと思っています。

〇新井
シナリオ・センターは、今回のような研修を通して、トゥーンクラッカーさんが日本一になるためのお手伝いを引き続きさせていただければと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。
ありがとうございました!

※エンタメシナリオ研修はこちらも併せてご覧ください。
【漫画編集者 のかた必読】作家さんにディレクションするときもシナリオ技術

※研修後にもオススメの新井一樹 著書※

――取材中、iさんにはこんな質問もさせていただきました。

〇新井
今回の研修で「レベルアップしたな」と感じていただけたからこそ見えてきた次なる課題、「今度はこの部分を良くしていきたい!」ということはありますか?

〇iさん
いまちょうど「シーンを磨く」という壁にぶつかっていて。

今回研修で教えていただいたことを踏まえたうえで、次のステップとして、
見えやすい部分であるシーンを磨くとなったとき、どうしたらいいか。

これもまた手順と言いますか、こういうところをチェックすればいい
というポイントがあるのではないかなと思っていて。

〇新井
たしかに。
今回の研修では、ライターさんにフィードバックするときは闇雲にシーンを磨くことから始めるのではなく、その前にこういうところをチェックしていきましょう、というのがメインでしたからね。

ひとつおすすめなのが、皆さんにお読みいただいている『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日本実業出版社)の第5章「シーンの描き方」の部分。

ここをもう一度チェックしていただくとその答えがあるかなと。

でも結局のところ、それに関するポイントも登場人物のキャラクターなんです。

例えば、主人公が告白するシーンについてディレクションするとします。
では、この主人公のキャラクターならどんな場所で、どんな時間帯に告白するか。
朝礼中の校庭なのか、休み時間のトイレの前なのか、放課後の教室なのか。

いつ・どこに設定するか、つまりシナリオの「柱」をどう書くかでシーンは随分変わります。

なので、その登場人物のキャラクターなら、こういうときどういう「柱」になるかを考えてみてください。

――こういった創作のヒントがつまった『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』。
物語を作りたい方、是非ご覧くださいませ。

『シナリオ・センター式 物語のつくり方』 詳細はこちらで

※こちらのブログも併せてご覧ください
面白い物語になっているかチェック!『シナリオ・センター式 物語のつくり方』 

こちらの書籍も併せて参考にしてみてください!
★『シナリオ・センター式 物語のみがき方』(日本実業出版社/新井一樹 著)

『シナリオ・センター式 物語のみがき方』の詳細はこちらで

※こちらのブログも併せてご覧ください
コンクール前に悩まないために!『シナリオ・センター式 物語のみがき方』発売開始

物語を書き終えたら“ラッピング(=直しの作業)”を!

★『大人になっても「書くこと」を好きでいたい君へ シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』(KADOKAWA/新井一樹 著 )

『大人になっても「書くこと」を好きでいたい君へ シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』詳細はこちらで

※こちらのブログも併せてご覧ください
あなたのアイデアを、物語に仕上げるための『シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』
 
脚本家・政池洋佑さん流 創作術/新井一樹 出版記念対談より
 
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【シナリオ・センター】「小説 最後まで書けない」を解決 

プロデューサーやディレクターのかたに向けたディレクションスキルUP研修、実施しています

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詳しくはこちらの「エンタメシナリオ」のページをご覧ください。
https://www.scenario.co.jp/project/entame/ 

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