シナリオ・センターでは、学校や様々な施設で、子どもたちに向けた出前授業「キッズシナリオ」を実施しております↓
先日、静岡県の磐田市立富士見小学校6年生に向けて、出前授業「キッズシナリオ」を実施しました。
=今回の概要==============
サービス名:みんなが楽しめる映画を作ろう!
目的:映画の作り方を学ぶ
対象:磐田市立富士見小学校さま(6年生)
時間:約100分
形式:Google Meet によるオンライン授業
▼GIGAスクール対応プログラム「キッズシナリオ」詳細
https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
▼キッズシナリオ 事例まとめ
https://www.scenario.co.jp/online/23609/
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富士見小6年生の皆さんは、授業「総合的な学習の時間」(総合)の中で、“みんなが楽しめる映画”を作ることになりました。
「でも、その方法が分からないんです……」と皆さんからご相談を受けまして、今回はオンラインで、シナリオ・センターの田中とともに藤吉講師がキッズシナリオを実施することに。
では、今回のキッズシナリオの模様を聞いてみましょう。
「藤吉さん、キッズの反応どうでした?」
みんなが楽しめる映画を作るコツ①
楽しいと思って観ているのはストーリーではなく登場人物!
〇藤吉:キッズシナリオ開始と同時に、富士見小の皆さんがパソコンの画面越しに手を振ってくれたのですが、「本当にみんなが楽しめる映画を作れるのかな……」と少し不安げな様子……。
初めての映画作りですからね、分からないことだらけなのは当たり前。
なので、「皆さん、大丈夫ですよ! 本日ご紹介するシナリオの技術を使えば、みんなが楽しめる映画を作れるようになりますからね!」と声を掛けてからのスタートとなりました。
まず最初にお話ししたのが、みんなが楽しめる映画を作るために大切なのは“登場人物”、ということ。
すると画面には「なんでだろう?」という皆さんの不思議そうな顔が映っています。
そうですよね。
「映画を作る」と言ったら、まず初めに取り掛かる作業は「ストーリーを考えること」って思いますよね。
そこでこんな質問を。
「皆さんが楽しいなと思う作品を思い浮かべてみてください。
その作品の“なに”を観て、楽しいなって思いますか?」
私のこの質問に「うーん」と首を傾げています。
ですので今度は、皆さんも「知ってる!」「楽しめる作品だと思う!」と言っていたアニメ『クレヨンしんちゃん』を例に出してお話しすることに。
『クレヨンしんちゃん』の楽しいところは何だろうと考えてみると、
しんのすけがおバカなことをするところ、という人もいるのでは?
あるいは、
ピンチのときでもかわいいお姉さんを見つけると、しんのすけがデレっとしちゃうところ、
という人もいるかもしれないし、
もしくは、
しんのすけの“かーちゃん”のみさえが「しんのすけ!」って怒るところ、
という人もいるかもしれませんよね。
つまり、
しんのすけ や みさえ のような“登場人物”のことを観て、楽しいなって思うのではないでしょうか。
もっと言うと、
その登場人物がどんなことを言うのか・するのか、を観て面白いな、楽しいなって思うのでは。
だから、
みんなが楽しめる映画を作るにはまず、どんな登場人物を作るか、を考えましょう!
このことをお伝えすると、皆さん納得!
「そうかそうか」と頷いている様子が画面越しに見えてきました。
みんなが楽しめる映画を作るコツ②
楽しいと思って観てもらうために大切なのが登場人物のキャラクターを設定すること
〇藤吉:では、登場人物を作るにはどうしたらいいか。
方法は、登場人物の「キャラクター(性格)」を設定すること。
例えば、先ほどの『クレヨンしんちゃん』の主人公・しんのすけは、どんな性格かと言うと、お気楽マイペースなキャラクター。だから、毎回おバカな行動で周りにいる大人たちを振り回しちゃう。
かーちゃん”のみさえは、どんな性格かをざっくり言えば、サバッとした性格。
しんのすけがおバカなことをするたびに「しんのすけ!」と叱り飛ばして、なんとか事を納めます。毎回怒っていますが、陰険なジメッとし怒り方ではないですよね。サバッとしていますからね。
こんなふうに、どんな人なのか、を設定しておけば、
こんなキャラクターの人物なら、
こういうときはなんて言うかな、どんな行動を起こすかな、
と考えることができます。
こうお伝えすると、皆さん前のめり!
みんなが楽しめる映画を作るには
①登場人物が大切だということ
②登場人物を作るにはキャラクターを設定すること
――ということがしっかりと皆さんに伝わったようです!
でも、もっともっと実感してもらうために、
シナリオ・センターオリジナルのワークシートを使って、
登場人物のキャラクターを設定して、シナリオも書いてもらいました!
キャラクターをしっかり設定すると、そのキャラならではの“やりとり”が生まれる!
〇藤吉:ワークシートには、青山ひかる(12)と赤木あきら(12)という登場人物の名前と年齢だけが書かれています。
決まっているのはこれだけ。
あとは、この名前から、それぞれどんなキャラクターなのかを考えて、
キャラクターを設定したら、この2人がどんなことをするのか、
シナリオを作ってもらいます。
皆さん、「自分はこんなキャラクターにする!」とワイワイ言いながらキャラクターを設定。
でも、シナリオ作成時は一転、超集中モード!
「こんなキャラクターだから、こんなときはこんなことを言うかな」と
考えながらセリフ(※)を書いたり、
「こんなキャラクターだから、こんなときはこんなことをするかな」と
ト書(※)を書いたり、
自分が設定したキャラクターを意識しながらシナリオを描いてくれました!
※セリフやト書など「シナリオの書き方」に関してはこちらをご覧ください。
▼初心者・子どもも書ける!シナリオ(脚本)の書き方
シナリオが完成したら、発表タイム。
特に印象的だった作品をここで少しご紹介。
ある生徒さんは
青山ひかる(12)を負けず嫌いのキャラクターに、
赤木あきら(12)を怒りっぽいキャラクターに設定。
そんな青山と赤木は現在、喧嘩の真っ只中。
怒りっぽいキャラクターの赤木は、怒って青山を屋上から突き落とそうとします。
でも、負けず嫌いのキャラクターである青山は、屋上から突き落とされても負けていません。立ち向かいます。
この青山と赤木の“やりとり”。
それぞれのキャラクターがしっかり出ていますよね!
キャラクターをしっかり設定すると、そのキャラならではの“やりとり”が生まれるんだ!
ということがよく分かります。
この発表を聞いていた他の生徒さんは「楽しい!」とまたまた前のめり!
キッズシナリオが始まったときは「本当にみんなが楽しめる映画を作れるのかな……」と不安そうでしたが、終了時間を迎えたときには笑顔が溢れていて、「よし作るぞ!」という意気込みの強さが見て取れました!
皆さんなら大丈夫!
今回お伝えしたことを参考にして、作ってみてください。
“みんなが楽しめる映画”の完成を楽しみにしていますね!
* * *
藤吉さん、ありがとうございました!
学校の先生方。もし、子どもたちが「総合的な学習の時間(総合)で、みんなが楽しめる映画を作りたい!」ということになりましたら、今回ご紹介した2つのコツを参考にしてみてください。
そして、「うちも授業を受けたい」「もっとこういうことを子どもたちに紹介してほし」ということでしたら、お気軽にご相談ください。ご要望やコンセプトに合わせてキッズシナリオの内容をアレンジさせていただきます!
▼シナリオ・センター
TEL:03-3407-6936
MAIL:scenario@scenario.co.jp
※動画を作るときはこちらの書籍も参考にしてみてください↓
▼改訂版 『いきなり効果があがるPR動画の作り方』(「シナリオ教室」シリーズ/言視舎/企画・構成・著:新井一樹 /執筆:川村千重・内藤麻貴・田中和次朗)