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初心者・子どもも書ける!シナリオ(脚本)の書き方

シナリオ(脚本)の書き方【動画付き】/初心者・子どもも書ける!

脚本家への一歩目。シナリオの原稿用紙への書き方

「シナリオの書き方を知りたい」という方に向けて、700名以上のシナリオライターを輩出しているシナリオライター養成学校「シナリオ・センター」が解説いたします。初心者の方も、お子さんも、簡単に実践できるシナリオの基本的な書き方や、「シナリオを書き出したけど途中で書けなくなった……」ということが起こらないように、シナリオを書き出す前にしておくといいことも併せてご紹介します。

=目次==
・そもそもシナリオとは/シナリオは映像にするための“設計図”
・シナリオの基本的な書き方①「柱(場所・時間帯)」  
・シナリオの基本的な書き方②「ト書(動作・しぐさ・情景)」
・シナリオの基本的な書き方③「セリフ(登場人物の言葉)」
・シナリオを書き出す前にしておくといいこと①「1行ストーリー」
 1行で書きたいことを整理する
・シナリオを書き出す前にしておくといいこと②「登場人物のキャラクター設定」
 キャラクター(性格)を決めることで自然なセリフや展開が生まれる
・シナリオを書き出す前にしておくといいこと③「構成(起承転結)」
 話の大まかな流れを整理する
・シナリオの書き方を学べるスクール・講座
 シナリオ・センターの講座では「原稿用紙の書き方」からスタート

そもそもシナリオとは
シナリオは映像にするための“設計図”

シナリオには「計画を実現するための筋道」という意味もありますが、ここでいうシナリオは、映画・テレビドラマ・アニメ・ゲーム・演劇などを作るための設計図のことで、場面構成や人物のセリフ・動きなどを書き込んだもの。

「シナリオ」の他にも、脚本、台本、筋書き、戯曲(主に演劇のシナリオ)と呼ばれる場合もあります。
なお、ここでは「映像のシナリオの書き方」について焦点を当ててご紹介します。

シナリオ・センターの講座でも、最初は「原稿用紙の書き方」からご紹介します。
意外とここからスタートするシナリオの講座は珍しいようです。もしかすると「原稿用紙の書き方からなんて、そんな初歩中の初歩からやるの?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、書き方をまず初めに理解しておくことは実はとても重要なのです。というのは、シナリオの書き方を理解することは、シナリオの目的を理解することだからです。

シナリオは小説と同じように「文字」で書きます。でも目的が異なります。
小説は、伝えたいことを文章・描写で表現するために文字を書きます。
小説は「文章表現」です。

対してシナリオは、伝えたいことを映像で表現するために文字を書きます。
文章表現ではなく「映像表現」。シナリオは映像にするための“設計図”なのです。

だから、シナリオには映像に映るものだけを描きます。
シナリオ・センターでは「シナリオ脳になろう」と言っています。
自分の伝えたいことを文章で表現するのではなく、映像で表現するにはどう書けばいいかを考えよう、ということです。

シナリオ脳になるために、シナリオならではの書き方をおさえましょう。
シナリオは、「柱(場所・時間帯)」「ト書(動作・しぐさ・情景)」「セリフ(登場人物の言葉)」の3つの要素で書きます。

以下に例を挙げます。小説の書き方との違いが明確になるように、まずは小説の場合からご紹介します。

小説は、以下のように表現したい内容をすべて「地の文」で書くことができます↓

例)
窓から外を見ながら新井は思った。今日は大事なプレゼンがあるから頑張ろうと。

シナリオの場合は、以下のように「柱(場所・時間帯)」「ト書(動作・しぐさ・情景)」「セリフ(登場人物の言葉)」の3つの要素で書きます↓

例)
〇新井家・リビング(←柱)
   スーツを着た新井が窓から外を眺めている。(←ト書)
新井「いよいよ、プレゼンの日か」(←セリフ)
   ネクタイをギュっと締める新井。

上記の小説の書き方とシナリオの書き方を見比べてみてください。
小説の地の文で書いた「(今日は大事なプレゼンがあるから)頑張ろう」という「感情」は、映像には映りません。だからシナリオを書くときは、この「頑張ろう」という感情を「ネクタイをギュっと締める」という映像に映る動作で表現しています()。

こちらの記事も併せてご覧ください。
感情を映像で描写するには

このように、シナリオは3つの要素「柱」「ト書」「セリフ」で描き分けます。言い換えれば、この3つの書き方を知っていれば、初心者の方でも、子どもでも、シナリオは書けるのです。

それでは順に、「柱(場所・時間帯)」「ト書(動作・しぐさ・情景)」「セリフ(登場人物の言葉)」について詳しくご説明します。

シナリオの基本的な書き方①「柱(場所・時間帯)」 

シナリオは「柱」「ト書」「セリフ」という3つの要素で成り立っています。

まず1つ目が「柱(場所・時間帯)」。
書き始めるときはこの「柱」から。

例えば、場所は表参道の交差点、時間帯は夕方、のシーンを書くとします。

原稿用紙の一番最初のマスに「〇(まる)」を書きます。
なぜ「〇」を書くのかと言うと、実際の撮影現場ではこの○の中にシーン番号(撮影する順番)を入れるからです。

次に、場所と時間帯を書きます。

脚本(シナリオ)の柱

はい、これで「柱」ができあがりました。

時間帯の「(夕)」は「夕方に、もしくは夕方ということが分かるように、撮影してください」というスタッフさんへのメッセージになります。こう書いておけば、ロケ先で撮影する場合は「このシーンは夕方に撮影する」というスケジュールを組んでもらえますし、セットで撮影する場合は照明スタッフさんが夕方のような色みの照明を準備してくれます。

なお、時間帯は「朝」「夕」「夜」の場合に書き、「昼」の場合は書かなくてOKです。

ちなみに、この「柱」という呼び方は、シナリオ・センター創設者である新井一が考えました。

シナリオの基本的な書き方②「ト書(動作・しぐさ・情景)」

2つ目が「ト書(動作・しぐさ・情景)」。
柱を書いたら、「ト書」を書きます。

柱の隣の行に、原稿用紙を3マス下げて書きます。
これ以降も、ト書を書くときは、いつも3マス下げてください。

 

脚本(シナリオ)のト書

シナリオ・センター創設者の新井一は「ト書の1行は、ちょうど俳句の17字が、天地のすべてを表現するような、そんな重みを持っているのです。そのためには“丸太ン棒”のように必要な描写だけで、しかも、何を表現しようとするのか、折り目をキッチリつけて書かねければなりません」と言っています。

ト書は、映像に映るように簡潔に書けばOKなので、小説のように細かく描写する必要はありません。ですので、「文章を書くのが苦手」という方でもシナリオを書くことができます。

ちなみに「ト書」という言葉は、歌舞伎の脚本で人物の動きや音楽などを指定するときに「……ト立ち上がって」のように、はじめに「ト」をつけて書いたことが由来と言われています。

シナリオの基本的な書き方③「セリフ(登場人物の言葉)」

3つ目が「セリフ(登場人物の言葉)」。
柱とト書を書いたら、「セリフ」を書きます。

セリフを書く前に、そのセリフを言う登場人物の名前を書きます。
書き始める場所は、柱とト書の隣の行の、原稿用紙の1マス目から。
登場人物の名前を書いたら、カギガッコ(「 )を書いて、セリフを書き、カギカッコ(」)で閉じます。
セリフの2行目以降は、1マス下げて、2マス目から書きます。

脚本(シナリオ)のセリフ

例えば、この後に柱とト書を足していくとこんな感じになります↓

脚本(シナリオ)の柱・ト書・セリフ

小説の書き方とは少し異なるので、このシナリオ特有の書き方に最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば簡単です。「柱」「ト書」「セリフ」を書けばシナリオを作ることができます。

ただ、このままいきなり書き出すと、「途中で書けなくなった……」「何の話を書こうとしていたのか分からなくなった……」といった“迷子”になる場合もあります。そこで、迷子にならないように、シナリオを書き出す前にしておくといいことを3つ、次の章でご紹介します。

シナリオを書き出す前にしておくといいこと①「1行ストーリー」
1行で書きたいことを整理する

ここからは、シナリオを書き出す前にしておくといいこと3つ、ご紹介していきます。

1つ目は、シナリオを書き出す前に、1行ストーリーを考えること。
自分が書きたいシナリオの内容を「1行」で考えてみてください。

どんな1行かと言うと、「主人公が〇〇しようとする物語」を考えること。ポイントは「主人公が○○する物語」とは断定しないこと。

例えば、「主人公が甲子園で優勝する物語」としてしまうと、「主人公が優勝する」というところに意識が向いて、話をどんどん良い方向に進めてしまい、結果、平坦な物語になってしまう、という恐れがあります。これでは、観客・視聴者を「この後、どうなっちゃうの?」と夢中にさせることは難しい。

でも「主人公が甲子園で優勝しようとする物語」にしておけば、「優勝しようと頑張るんだけど、いろいろ試練が訪れて、最後はどうなるか分からない」というニュアンスになるので、平坦な物語にならないよう、シナリオを書くときに意識することができるのです。

※この1行ストーリーは小説を書くときも使えます。詳細はこちらをご覧ください。
「小説 書くの恥ずかしい」を克服/出版記念ワークショップ@ジュンク堂書店池袋本店

シナリオを書き出す前にしておくといいこと②「登場人物のキャラクター設定」
キャラクター(性格)を決めることで自然なセリフや展開が生まれる

2つ目は、登場人物のキャラクター(性格)を設定すること。
ポイントは主人公のキャラクターを設定するときは「〇〇すぎる性格」を考えること。

このポイントは、シナリオ・センターの浅田直亮講師(研修科ゼミ シナリオ作家養成講座 公募コンクール対策講座 等担当)が、シナリオ・センター創設者である新井一 著『シナリオの基礎技術』『シナリオの技術』等をもとに、今の時代に合わせて編み出した考え方です。公募コンクール対策講座で浅田講師が解説していた一部をご紹介。

〇浅田講師:主人公のキャラクターをきちんと作らないと、主人公は動き出しません。
主人公のキャラクターを際立たせるために、「〇〇すぎる性格」にしてください。
例えば、主人公を「気が小さすぎる性格」と設定したとします。
気が小さすぎる性格なので、テスト前日は勉強しているのにアタフタしてしまう。
気が小さすぎる性格ゆえに、成績は「5」がとれず「オール4」。
こんなふうに、「〇〇すぎる性格」と設定すると、このイメージから履歴を作ることができます。
そして、この履歴を主人公のセリフやリアクションに反映させることができます。
このように、「〇〇すぎる性格」と設定すれば、主人公のキャラクターをどんどん濃くできて、結果、キャラクターを際立たせることができるます。

▼上記の模様 詳細はこちらに掲載しています。
https://www.scenario.co.jp/online/19528/

このように主人公のキャラクターをしっかり設定しておくと、セリフや展開を考えるときに、このキャラクターならこういうときはこんなことを言うだろうな、こんな行動をとるだろうな、と考えることができるので、“作者の都合”で決めたセリフや展開にならないように気をつけることができます。

シナリオを書き出す前にしておくといいこと③「構成(起承転結)」
話の大まかな流れを整理する

3つ目は、「構成(起承転結)」を設定して、「箱書」を作っておくこと。簡単に言うと、どんな出来事が、どのタイミングで起こるのか、話の大まかな流れを整理しておきます。

まず、シナリオにおける「起承転結」それぞれの機能がこちら↓

・起:時代(天)、場所や舞台(地)、人物(人)を紹介する機能。「アンチテーゼ」(“転”で伝えたい逆のこと)から始める。

・承:事件・事実・事情を積み重ねてドラマを進行させる機能。主人公に「障害(困らせること)」をぶつけて、イライラさせたり、迷わせたりする。物語全体の7~8割が「承」の部分です。そのため箱書を作成する時は「承①」「承②」「承③」のように分けて考えます。

・転:作品のテーマを感じさせる機能。「クライマックス」といわれるところ。

・結:テーマの定着と余韻をもたせる機能

次に、「箱書」について。シナリオ・センター創設者の新井一は著書『シナリオの技術』(P55)の中で、

【箱書の定義というようなものはありませんが、「箱書とは、構成をはっきり映像化するための計画表」】

と言っています。このような感じです↓

脚本(シナリオ)の箱書

この場合は8ブロックに分けて、①には「起」で書きたいこと、②~⑥には「承」で書きたいことを、⑦には「転」で書きたいことを、⑧では「結」でかきたいこと、を簡単に書き込んでいきます。

このように、シナリオを書きはじめる前に起承転結を意識して箱書を作っておくと、シナリオを書いている途中で「何をどう書けばいいか分からない……」とならないように、事前に防ぐことができるのです。

シナリオの書き方を学べるスクール・講座
シナリオ・センターの講座では「原稿用紙の書き方」からスタート

ここでいう「スクール」とは、大学や専門学校などのいわゆる「学校法人」ではなく、入学試験など特別な選抜や、年齢や資格も関係のない、どなたでもお入りいただける「創作の学びの場」のことです。

シナリオの書き方を紹介している「スクール」は、弊校シナリオ・センターの他にもあります。

・協同組合 日本シナリオ作家協会 シナリオ講座
・日本脚本家連盟スクール
・日テレ学院 シナリオライタークラス
・日本放送作家協会主催 作家養成スクール「東京作家大学」

などなど。

どんなことをどんなふうに進めるのか、スクールによって異なります。
前述したように、シナリオ・センターの講座では「原稿用紙の書き方」からスタートします。
いくつか講座を比べてみて、ご自分にあったスクールに通うことをオススメします。

まとめ

シナリオは、目に見えるカタチにするための「設計図」です。
だから、小説とは少し書き方が異なります。
シナリオは「柱」「ト書」「セリフ」という3つの要素で描き分けていきます。

「シナリオの書き方を知りたい」という方は、今回ご紹介した「柱」「ト書」「セリフ」の書き方と、シナリオを書き出す前にしておくといいことを是非実践してみてください。

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映像シナリオの技術を知っていると、テレビドラマや映画などの映像作品以外のもの、例えば小説やマンガ原作を書くときにも活用することができます。人間を描くすべての「創作」に応用できる映像シナリオの技術が身につく基礎講座は、全部で3種類あります。

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シナリオ・センターは、1970年創立。優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に創設以来、700名以上の脚本家や小説家が誕生しています。2010年から「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」という思いから、小中学校への出前授業として『キッズシナリオ』プロジェクトを開始。創作を楽しみながら、想像力と表現力が身つくカリキュラムを提供しています。
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