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親子で高める発想力
@ファミリー・クリエイティブ・フェス/ SSFF&ASIA 2025

親子で高める発想力@SSFF&ASIA 2025

米・アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2025」(SSFF&ASIA 2025)では、親子で楽しめる世界のショートフィルム「キッズプログラム」の上映に加え、今年初の取り組みとなるイベント「ファミリー・クリエイティブ・フェス」を2日間、LIFORK HARAJUKUで開催しました。

イベントのテーマは「子どもとクリエイターになる場所」。ショートフィルムの鑑賞をきっかけに芽生えた「自分も発想してみたい!」という気持ちを育むべく、実際にアウトプット&クリエイティブ体験できる場として色々なワークショップを展開。

そのひとつとして、シナリオ・センターは、小学1年生以上の子どもたちに向けた「キッズシナリオ 映画の登場人物をつかってお話を作ってみよう!」(1回完結)を開催。新井が1日目を、田中が2日目を担当しました。

=今回の概要==============

・サービス名:「キッズシナリオ 映画の登場人物をつかってお話を作ってみよう!」
・目的:鑑賞したショートフィルムの“その先の物語”を自由な発想で書く
・対象:小学1年生以上(親御さんはご見学可能)
・時間:約2時間15分
▼GIGAスクール対応プログラム「キッズシナリオ」詳細
https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home 

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お子さんの作品にはポジティブな声掛けやリアクションを!

こちらのブログでは新井が担当した1日目の模様を広報の齋藤がレポートいたします。

このイベントは親御さんのご見学が可能なため、お子さんの近くに座って見守っていただくのですが、それに際して、新井は冒頭、親御さんに向けてこのような“お願い”をしていました――

〇新井: 「大人」と「子ども」が一緒にキッズシナリオに参加される場合、起こりがちなことがあります。

それは、お子さんが書いた作品に対して、親御さんが「もっとこうしてみたら?」と声を掛けたとき。
親御さんが良かれと思って言った言葉が、お子さんにとっては「それは間違ってるよ」と指摘されたような気持になってしまうケースがあります。創作に「正解・不正解」はありません。こうしなければいけない、はありません。

なので、親御さんにお願いがあります。お子さんの作品にはポジティブな声掛けやリアクションをしてあげてください。そうすると、その反応でお子さんはもっと面白い物語を楽しみながら生み出せることができます。

 

--そうなんです。お子さんの発想力は親御さんの感想や反応で高めることができるのです。お子さんが発想したアイデアに親御さんが微笑んだり、「いいね」とちょっと声を掛けるだけで、発想力がぐんぐんと高まり、よりいいアイデアが生まれていきます。

その模様をご紹介いたしますので、「親子で楽しめる体験型のイベントを何か開催したい」という企業の皆さま、是非参考にしてください。

映画の登場人物を使ってオリジナルの物語を
ポイントは登場人物のキャラクター設定

本イベントではまず最初に、ノンダイアログ(セリフのない)の短編アニメーション映画を鑑賞。

その後、鑑賞した作品の登場人物を使って、オリジナルの物語を考えていきます。

どの作品の、どの登場人物を使うかは、こんな感じの“くじ引き”で決めていきます↓

この登場人物を「主役」にします。シナリオ・センターオリジナルのキャラクター設定シート(画像↓)を使って、この主役の名前・年齢・性格・口グセなどを考えます。「主役」のキャラクターが決まったら、同じ手順で「脇役」も設定していきます。

〇新井:物語を作るときはまず登場人物がどんなキャラクター(性格)なのか、から考えていきます。どういう性格なのか、と最初に決めておくと、物語の内容も考えやすくなります。例えば、優しい性格だったら、仲間が困っているときはすぐに助けに行こうとする、とかね。

――新井の解説を聞いた子どもたちは早速、キャラクター設定シートに取り掛かります。

シートが出来上がると、すぐ近くにいる親御さんにチラリ。

「えー!年齢を1111歳にしたの?」「この性格、イラストにあってるね!」といった親御さんの反応を受けて、お子さんはとっても嬉しそう。そして、「もっとこうしてみよう!」とどんどん発想力が高まって、書き直したり、書き加えたり。

こんなふうに親御さんの反応も参考にしながら登場人物のキャラクター設定をブラッシュアップしたら、次にやるのがシナリオ作りです!

またまたシナリオ・センターオリジナルのシナリオプリントが登場。
そこに「柱(場所・時間帯)」「ト書(動作・しぐさ・情景)」「セリフ(登場人物の言葉)」を書きます。

 

シナリオが完成したら、キャラクター設定シートに戻ります。

この枠の中にシナリオの「柱」の場所が分かるようなイラスト(背景の絵)を色鉛筆で描いていきます。

シナリオや背景のイラストを描くときも、親御さんにチラリ。物語の内容に笑ってくれたり、驚いてくれる親御さんの反応を見ながら、子どもたちは「もっとこうしよう!」とどんどんブラッシュアップしていきます。

最後に登場人物を動かしながら発表
登場人物のキャラクターらしさが光る背景やシナリオに!

最後に、みんなで発表!
枠の中に描いたイラストを背景に、主役と脇役の登場人物を動かしながら、シナリオを読んでもらいます。
発表してもらった中で、特に印象的だったのがこちら。

主役は「ぽよよん(3歳)」、脇役は「るるるん(4歳)」。
「柱」は海の底。
海底というと、暗くてジメーとしたイメージがありますよね。
でも、この海底は鮮やかなブルーやピンクやグリーンで彩られています。

「なんでだろう」と思っていると、新井が嬉しそうに近づいてきて、こう呟きました。

〇新井:すごいね、この海底。こういう色合いや雰囲気にしてるのは、ぽよよんとるるるんのキャラクターが関係してるんだよね。

ぽよよんは明るい性格でパーティーを開くことが大好き。寂しさを感じることが苦手。るるるんは楽しいことが大好きな性格で、パーティーを開くことが得意。暗いところが苦手。

ぽよよんも、るるるんも、寂しさや暗さを感じることが苦手。だから、暗さを感じさせる「海底」じゃなくて、「これからパーティーが始まる!」というワクワクを感じさせるような明るい「海底」にしてるんだね。

――なるほど!
でも本当かなと思い、“作者”に確認してみると、嬉しそうにうんうんと強く頷いてくれました。

この明るい色とりどりの海底で、ぽよよんとるるるんがパーティーを開きます。海底だけでなく、物語の内容も、ぽよよんとるるるんのパーティー好きなキャラクターがしっかり活かされています。

その他の子どもたちの作品も、冒頭に新井が解説したように、キャラクターがしっかり設定されているので、その登場人物の“らしさ”が光るセリフや行動でシナリオが作られていました。

発表中、親御さん方は写真やムービーを撮影。
お子さんの“晴れ姿”をバッチリおさめていただきました!

今回ご紹介したのは1日目の模様ですが、シナリオ・センター田中が担当した2日目も、子どもたちだけでなく親御さん方にもとても喜んでいただけたようで大盛況のうちに終了となりました。

ご参加ありがとうございました!

 

*     *     *

 

シナリオ・センターでは、小学5年生~中学生を対象にした創作クラス「考える部屋」も実施しています。
以前、このクラスに参加している生徒さんから、<今まで家で一人で物語を作っていたときは、誰かに聞かせたり見せたことがありませんでした。だから、「考える部屋」で自分が作ったシナリオを発表して、面白い!って言ってもらえてすごく嬉しかった。感想をもらったり、反応が返ってくるのがこんなに嬉しいとは思いませんでした>という感想をもらったことがあります。

この言葉を、今回のイベントの様子を見ていて思い出しました。やっぱり、自分の作品に対して「面白い!」といった感想や反応があると、嬉しくなってヤル気が湧いてきて、「もっとこうしたら面白くなるんじゃないか」と発想力が高まるんですよね。

そして、こういった感想や反応をしてくれる相手が親御さんだと、より発想力が高まるんだな、と実感しました。

今後もシナリオ・センターでは、今回のように親子で楽しめるようなキッズシナリオも実施させていただければと考えております。「親子で楽しめる体験型のイベントを何か開催したい」という企業の皆さま。そのイベントの目的に合わせて内容をカスタマイズすることができますので、まずは是非お気軽にこちらまでご連絡ください。

▼シナリオ・センター
TEL:03-3407-6936
MAIL:scenario@scenario.co.jp

※いろいろな施設や学校で出前授業「キッズシナリオ」も実施しております。
事例をご紹介しておりますので、「ご参考までにご覧ください。
コミュニケーション力 を上げるシナリオ研修 事例まとめ 

どの年代の方も楽しく書き続けるために

今回ご紹介した登場人物のキャラクター設定の他、「面白いシナリオを作る方法をもっと詳しく知りたい!」という方は新井の著書を是非。

・2024年6月19日発売
▼『大人になっても「書くこと」を好きでいたい君へ シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』(KADOKAWA)
Amazon販売サイト https://amzn.to/3V3WV3o 

※こちらのブログも併せてご覧ください
あなたのアイデアを、物語に仕上げるための『シナリオ・センターが伝える 14歳からの創作ノート』

・出版記念イベントとして開催した特別講義「頭ひとつ抜けた小説を書くためのシナリオ・センター式 創作術」
【カクヨム】アーカイブ動画&書き起こし記事

【シナリオ・センター】「小説 最後まで書けない」を解決

子どもたちにむけて実施するキッズシナリオについて:出前授業やオンライン創作クラス「考える部屋」

・小学5.6年~中学生向けオンラインクラス「考える部屋」
創作が好きな子どもたちが日本全国から集まって、切磋琢磨する特別クラスです。創作を楽しみながら、考える力を身につけていきます。
>>詳細はこちらをご覧ください

・出前授業
シナリオ・センターは、1970年創立。優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に創設以来、700名以上の脚本家や小説家が誕生しています。2010年から「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」という思いから、小中学校への出前授業として『キッズシナリオ』プロジェクトを開始。創作を楽しみながら、想像力と表現力が身つくカリキュラムを提供しています。
>>ご参考までにこちらの動画を。

※キッズシナリオの活動をアシストくださる方、随時募集中です!
シナリオ・センターが小学校・中学校で実施しているキッズシナリオの活動を後押ししてくれるアシストの方々(個人・法人)を募集中しています。手弁当で実施しているので、アシストしてもらえるととても助かります!
>>ご興味のある方は、こちらをご覧ください。

シナリオ・センターでは、小学校や中学校など教育団体への出前授業を実施しています。オンラインでも実施可能です。「こんなことを子どもたちに伝えてほしい…」というお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

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