シナリオ・センターでは、学校や様々な施設で、子どもたちに向けた出前授業「キッズシナリオ」を実施しております。
先日は、「子どもスマイルイベント in サンシャインシティ」(主催:一般社団法人 東京キワニスクラブ、豊島子ども WAKUWAKUネットワーク)で実施させていただきました。なお、こちらのイベントは毎年実施させていただいております↓
▼子どもスマイルイベント in サンシャインシティ 2023
▼子どもスマイルイベント in サンシャインシティ 2024
=今回の概要==============
・サービス名:「じぶんだけのものがたりをつくってみよう!」
・目的:登場人物のキャラクターを作って物語を書く
・対象:池袋近くに住むひとり親家庭の子どもたちやベトナム、ネパール、ミャンマー、トルコなど外国ルーツの子どもたち(24名)
・時間:約1時間
▼GIGAスクール対応プログラム「キッズシナリオ」詳細
https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
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参加してくれた子どもたちは物語作り初体験。最初は少し戸惑い気味でしたが、お菓子を食べながらリラックスムードで進んでいくと、だんだんエンジンがかかってきました。そして終盤には、今回担当したシナリオ・センターの田中が「書いたシナリオを発表してくれる人!」と呼び掛けると、「はい!」と元気よく手を挙げてくれました。
よく、「“勉強”は知識や技能を習得するために行う作業のことで、“学び”は好奇心や興味を持って自発的に探求する行為」と言われます。
子どもたちがシナリオの書き方を知る。「書き方が分かった!」と知識や技能を習得できます。
そして、書き方が分かると、楽しくなってきて、「もっとこう書いてみようかな?」と好奇心や興味を持って自発的に探究するようになります。
こう考えると、物語作りは、勉強にもなり、学びにもなる。
もっと言えば、楽しい勉強であり、楽しい学びでもある、と言えるのではないかなと、今回の子どもたちの様子を見ていて改めて思いました。
その模様を広報の齋藤がご紹介。「子どもたちに向けた体験型イベントを何か開催したい!」という企業の皆さま、シナリオ・センターのキッズシナリオの様子を是非ご覧ください。
お菓子を持つ手がペンを握るようになり、どんどんとアイデアが!
子どもたちにはまず、物語の主人公である「ヒーロー」と、その「相棒」のキャラクター(性格)を考えてもらいます。キャラクターは、イラストを見て「名前」や「口ぐせ」などの性格を形作る事柄を順々に考えていきます。
「登場人物のキャラクターを考えよう」と言われると難しく感じるかもしれませんが、こんなふうに名前や口ぐせなどから考えていくと、子どもたちのアタマの中でどんどんイメージが膨らんでいきます。
最初は静かにお菓子を食べているだけだった子も、お菓子を持つ手がペンを握るようになり、ジュースを飲みながらじっとプリントを見つめ、思いついたアイデアを少しずつ書いて、最終的には前に出て、自分で考えたキャラクターをホワイトボードに書いてくれました。
ヒーローと相棒のキャラクターが決まったら、いよいよシナリオの作成へ。
シナリオ・センターオリジナルのシナリオプリントに、セリフ(登場人物が喋る言葉)やト書(登場人物の動作や表情)を書きこんでもらいます。このとき、ちょっとしたポイントで、物語が面白くなります。
そのポイントがこちら↓
〇田中:「ヒーローが人助けに行こうとすると、邪魔が入って立ち止まってしまう」というふうにすると、これを読んだ人は「この後どうなっちゃうの?続きが知りたい!」と惹きこまれます。それをちょっと意識しながら、物語を作ってみよう!
この田中の言葉に、子どもたちは“そうやって考えていけばいいのか!” “分かった!”という表情に変わり、一斉に書き始めました!
物語作りには子どものいろいろな能力を引き出すチカラがある
シナリオが完成したら、前に出て発表してもらいます。
田中の「発表してくれる人!」という呼びかけに、パッと手を挙げてくれます。「発表したいけど恥ずかしい……」という場合は田中が代読。結果、なんと4名の子どもたちが発表してくれました!
どういった作品を描いたのか、気になりますよね。
そこで、1作品をご紹介。
主人公のヒーローは「げんたろう」で「大丈夫!」が口ぐせ。
相棒は「れい」で少し心配性。
秘密基地に本部からの「緊急事態発生!」との声が。げんたろうが「よーし!いくぞぉー!」と出動しようとすると、相棒のれいが「ちょっと待ってよぉ……人が多すぎて誰が困っているか分からないよ」と街のほうを指します。
そんな れい に げんたろう は「大丈夫。人ごみの中に入れば見つかるはずさ!」と急いで走り出します。れいが「ちょっと!急ぐと危ないよ!」と声を掛けると げんたろう がこけてしまいます。すると、げんたろうは「前の方に倒れている人がいるよ!早く行かなきゃ」と前を指さして――。
初めて書いたとは思えないクオリティに、田中をはじめとする周りの大人たちはびっくり。
発表してくれた“作者”は、みんなから「すごい!」という言葉と拍手をもらってニッコリ。
最後に、田中が「今日書いてみたように、これからもいろいろな物語を書いてみてくださいね!」と皆さんに呼びかけると、「はーい!」という元気な声が返ってきました!
皆さんに書いてもらったシナリオは一旦お預かりして、田中が感想コメントを書いて、後日お戻しします。そのことを伝えると「楽しみにしています!」と言いに来てくれた子もいて、大盛況のうちに終了となりました。
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今回の様子を見ていると、物語作りには子どものいろいろな能力を引き出すチカラがあるんだなと感じます。
最初はあまり興味なさそうにしている子も、登場人物のイラストを見るとだんだん「この登場人物はこんな名前でいつもこんなことを言ってて……」と考えたくなってきて、登場人物のイメージが固まってくると物語の中で動かしたくなっていく。
物語の作り方が分かっていくと、興味が出て、好奇心も出てきて、創造力と想像力が湧いてきて――、というふうに、子どもたちの中で眠っているいろいろなチカラがちょっとずつ出てくるのではないかな、と思います。
今後もシナリオ・センターは、こうした楽しい“勉強&学び”をたくさんの子どもたちに届けていきたいと考えています。「“あ、分かった!楽しい!もっとこうしよう!” と子どもたちに思ってもらえるような体験型のイベントを何か開催したい」という企業の方がいらっしゃいましたら、是非お気軽にこちらまで。お声掛けをお待ちしております。
▼シナリオ・センター
TEL:03-3407-6936
MAIL:scenario@scenario.co.jp
※いろいろな施設や学校で出前授業「キッズシナリオ」も実施しております。
事例をご紹介しておりますので、「ご参考までにご覧ください。
▼コミュニケーション力 を上げるシナリオ研修 事例まとめ