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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

考える

後藤所長のお別れ会に集まってくださった出身ライターの方々

ポチ

シナリオ・センター代表の小林です。のっけから過激で申し訳ありませんが、嬉しそうにアメリカ追従のお上をみると、自分の国をどうしようとしているのか、自分のやっていることの意味がわかっているのか甚だ疑問になります。
円安は加速し、いらない武器を買わされ、米軍の指揮下に自衛隊は入れられる?
何を血迷っているのか戦争放棄の国なのに一緒に武器を作ることにもなり・・・。
沖縄はもっとも象徴的ですが、アメリカ軍基地のあるところはどこもオスプレイが墜落しようが、婦女暴行されようが、ひき逃げされようが、日米地位協定という日本憲法より強いらしい協定で、すべてが不問に処されます。
日本は、一見平和で独立した国に見えますが、戦後79年経ってもアメリカの属国から抜けていないのですね。最近とみに強くなった気もします。
アメリカのポチと呼ばれるお上が情けなく、下々が力を持たなければいけないと思わずにいられません。

豊かな国になったはずの日本は、200万円から300万までの年収の人が圧倒的で、500万未満が6割、7人に1人の貧困の子ども。
裏金や万博や外苑の開発にお金も力も注げても、貧困家庭や被災地への支援にはろくに見向きもせず、勝手に税金を湯水ごとく使うくせに税金は払わない、子ども支援も国民から保険料で徴収しようとする。
旧統一教会の教義を受けて憲法を変えようとする、派閥のトップの言いなりでしかない、自分の頭でなに一つ考えない人たちが国を動かしていると思うとゾッとします。
私たちが唯一やれることは、しっかり自分の目で選んだ人へ投票することです。
大東亜戦争(第二次世界大戦)の始まりは、近衛内閣の閣議決定からです。
今や簡単にやたらに下す閣議決定。私たちは簡単に戦争に駆り出されるということを肝に銘じておきましょう。

作家の佇まい

昨日は川村元気さんの創作のお話しを、今日は出身ライター長田息育恵さんのインタビュー記事を抜粋させていだきます。
創作にはそれぞれご自分の作家性、視座がとても大事なので、これから創作を目指す方々に先輩たちから学んでいただけたらと思っています。

朝ドラ「らんまん」で話題を博した出身ライターの長田育恵さんは、4/30からのNHK総合で放映される吉川英治文学賞・毎日芸術賞のW受賞した桐野夏生さん原作「燕は戻ってこない」を脚色。
「命は誰のものか」をテーマに、代理母をモチーフに生殖医療のあり方、女性の様々な生き方を描いた原作を長田さんがドラマ化されました。
長田さんは、戯曲でもドラマでも、歴史や人を通して社会とのかかわりをとても大切に作品を描かれているように思います。「らんまん」では、日本が近代国家を目指して時代から敗戦後迄、実存する植物学者を通して変わる時代を描かれていました。

長田さんは、お正月、朝日新聞(1/5)のインタビューで、以下のように語っていらしたので抜粋させていただきました。
「(らんまんは)祖母・姉・妻に見守られて成長する主人公の物語に絞った方がストーリーがわかりやすい。そういう考え方もあります。でも私は『らしさ』縛られて、忖度したりして、自分の中に湧き上がる違和感に目をつぶることはすまいと決めました。」
「小さなことでも、納得できないことはやり過ごさない。立ち止まり、対峙する。そういうささやかな局地戦を粘り強く続けることでしか、自分がより良いと思う方向へ、ものごとを動かすことはできないのではないでしょうか」
「執筆の基本姿勢である『歴史の中のひとり一人の物語』を考えるようになったきっかけは、祖父の話を聞かなかった後悔です。(略)子どもの頃同居していた母方の祖父は終戦のころまで旧満州にいたのですがくわしいことがまるで分かりません。(略)
思い出すのは、部屋にお茶を持っていくといつも、一心に写経していた姿です。戦争中、とてもつらい目に遭ったのかもしれない、残虐な行為に加担したことがあるのかもしれない。
想像するしかありませんが、私はたぶん、被害者・加害者、両方の子孫なのでしょう。ものを描く基本の視点になっています。」
「(脚本で何を大切にするかというと)主人公に限らず、すべての登場人物が『もう一人』の自分であったかもしれないと考えることです。劇中の人物に私自身が乗り移りながら書きます。そうすることで初めて、登場人物の目の前に広がっている景色が見えてきます。」
「(全員に乗り移るのは)疲れます。(笑)でも、私が作った物語を追体験してくれる観客に、多様な価値観を示したい。できるだけ違う出自や立場、考え方の人を数多く登場させて、嘘のない言葉を語らせたいのです」
「力を持つ人に都合がよかったりする価値観は、美しい言葉で飾られ、大義名分が付き、『潮流』になっていく。それが時に、誤った方向へ流れたり、異なる意見やものの見方を抑圧することは歴史が証明しています。現実に私も今黙っていることで、その潮流を作る一員になっているかもしれない。その危険性はいつも意識するようにしています」

抜粋なのでわかりにくいかもしれませんが、長田さんの視座は感じていただけるかと思います。
長田さんの作品の魅力を垣間見た気がします。4月30日から始まる「燕は戻ってこない(NK総合)、楽しみです。

人は皆違う、異なる考えも想いもどう受け止めて、どう描いていくか。
作家の佇まい(作家性・視座)はここから生まれてくるように思います。

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