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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

他人を想う

感染捜査~気血島決戦~

推し

シナリオ・センター代表の小林です。寒い。さすがに冬になってきましたね。
今日はクロアチア戦。もちろん頑張って欲しいですが、なによりもいい試合が見たいです。

その前に夕方からドキドキの完成試写会にお伺いします。
完成試写会にドキドキするって、「アイドル推しかい」と思われそうですが、そうです。実は心から推している「推し」がいるんです、この映画。
映画は「ひみつのなっちゃん」。
で、推しは、脚本家であり、監督の田中和次朗さんです。
シナリオ・センターにお通いの方は、特にシナリオ作家養成講座で受講されている方は、「あれ?」と思いませんでした。
そうです。そうです。シナリオ・センターのスタッフで作家養成講座チューターの、あの田中和次朗です。
メジャーデビューしました。脚本・監督で。やったねぇ~!!

来2023年1月13日から全国上映です。
「ひみつのなっちゃん」は、ドラァグクイーンたちが贈る笑いと涙のハートフルムービーなんです。主人公は滝藤賢一さん。そして渡部秀さん、前野朋哉さんのトリオが繰り広げます、珍道中。

なんだか身内のように、どんな反応を観客の方々がされるのか、ホント心配なんです。
彼は、シナリオ・センターで、事務作業から、チューターをこなし、ディレクター研修、小学校出前授業の講師までこなしながら、脚本の直しをし、撮影をし、打ち合わせをとコロナ禍で頑張りました。
どんな映画かはまたお知らせしますが、すべてに全力で取り組む田中和次朗は私の推しです。

感染捜査~気血島決戦~

吉川英梨さんの「感染捜査~気血島決戦~」(光文社刊)でました。
先日、ちょっとお知らせしましたが、「感染捜査」の第2弾です。

一弾では、豪華客船クイーン・マム号で発症した「灰人(ゾンビ)」になってしまうウイルスを警察官の天城由羽とSSTの来栖光たちが、乗員乗客、警察官・海上保安官約800名あまりを犠牲にしてなんとかせき止めました。
生き残りの二人は、1年半後、殲滅するために孤島気血島近海に沈めたクイーンマム号に残された最後の灰人(ゾンビ)を回収するためにまた動き出す。そこには由羽の縁を切った父親がベテラン潜水夫として現れ、ウイルスをまいてしまった罪と父親への憎悪の中で葛藤しながら、最後の最後まで戦い抜く姿を描いています。

先日も書きましたが、ノンストップアクションなのですが、灰人との戦いの中に、きちんと歴史的背景、舞台、組織のあり方などを描いているので、さもありなんと思うのです。
私的には内閣や議員が決断しない、票に結び付かないものに動かない、責任を取らないところに、「そうだ、そうだ!」と。(笑)

灰人との戦い方、その壮絶なまでの戦いが目に浮かぶ表現力のすごさに感嘆するのですが、なによりも読みでがあるのは、人間の物語だからなのです。
登場人物それぞれが抱えている人間模様、葛藤が涙を呼び、心を震わせます。
由羽の父との葛藤も、冷静沈着な来栖の過去も、二人の持つウイルスを出してしまった罪も、灰人として生き残って船に残されている工藤警視。その妻、その長男の葛藤、痛み。特にわずか11歳の長男の決断に胸がつぶれる思いになります。
他人のことを想像できる人たち、人はかくも優しく強いのか。
こんな人たちばかりなら、ちょっと色々もめそうではありますが、少なくともすぐに決断をし、困っている人を置き去りにするようなことはないのかと思いいます。
灰人も怖いですが、ついつい現実の方がずーっと怖いと思いながら、吉川ワールドの虜になっています。

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