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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

感じること

映画「ひまわり」から

反対声明

シナリオ・センター代表の小林です。本日、シナリオ・センターは、「ウクライナ侵攻反対声明」(シナリオ・センター公式ホームページにて)を出させていただきました。

ウクライナ侵攻への反対声明
シナリオ・センターは、ロシアによるウクライナ侵攻に強く反対します。
シナリオ・センターで学ぶものは、「人はみな違って、みんないい」ことを知っています。
さまざまな人が存在するからこそ、無限にドラマが生まれることを知っています。
人は誰一人同じではありません。異なる想い、考えを持っているのは当たり前です。
すべての人間には尊厳があり、決して自分と異なる人を排除してはなりません。
私たちは、文化・芸術を通して、世界中の心ある人々と手を携え、言論の自由を奪い、世界平和を破戒する行為に、反対の声をあげ続けたいと思います。                                                                                                                                                                          シナリオ・センター代表 小林幸恵

創作するという立場の人間が、他人に対してどれだけ想像力を持てるか、試される時だと思っています。
日本劇作家協会、日本演出者協会、国際演劇評論家協会、そして日本ペンクラブ、日本文藝協会、日本推理作家協会の共同声明、各大学など、創作する立場の方々が次々とウクライナ侵攻に対する反対声明を出されているのも、文化・藝術の力は「ペンは剣よりも強し」、言葉は大きな力をも持っていると信じているからではないでしょうか。
政治的な色などはまったくなく、人道的な立場として、人間としての反対声明です。
戦争はどんな理由があろうと決してするべきものではありません。
命あるものが、無差別に殺されることのないことをただただ願うばかりです。このような想いで声明を出しました。
皆様にご理解いただければ幸いに存じます。

映画ひまわり

ウクライナ続きの話になりますが、1970年に上映された「ひまわり」が再上映され、大きな話題を呼んでいるそうです。
ご覧になった方も多いかと思いますが、私は1970年上映時に見ました。広大なひまわり畑の一面の黄色が今でも目に焼き付いています。
上映後、観客の多くが立ちあがれず、涙を拭いていたり、真っ赤になった眼を隠していたり、私を連れて行ってくれた上司が男泣きしていたのも覚えています。

映画「ひまわり」は1970年に創られたイタリア映画で、2大名優ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが、戦争で引き裂かれた夫婦を演じます。
戦争が終わり、まだ帰らない夫を探し当てると、そこにはソ連で新たな家庭を作っている夫の姿が・・・。
戦争は、すべての人の人生を狂わせてしまう、世界の片隅の普通の人たちの日常が奪われてしまいます。
有名なセリフとして、ひまわり畑をみせながら、住民がソフィア・ローレンに言います。
「イタリア兵とロシア兵が埋まっています。ドイツ軍の命令で穴まで掘らされて。
ご覧なさい、ひまわりやどの木の下にも麦畑にもイタリア兵やロシアの捕虜が埋まっています。
そして無数のロシアの農民も老人、女、子ども……」
映像は、見渡す限りのどこまでも続く金色に輝くひまわり畑。
ですが、その下には、多くの戦争の犠牲になった人々が眠っているのです。
戦争の残酷さを、殺し合いで見せるのではなく、声高に反対するのでもなく、ヘンリー・マッシーニの切ないメロディにのって映しだされる広大なひまわり畑で見せる、感じさせる、これこそ映画のすばらしい力だと思います。
ひまわりはウクライナの国花だそうです。
全国各地で順次上映されるようですので、是非見ていただきたいです。
これが、映像の力、文化芸術の力です。

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