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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

想像力

向田邦子シナリオ集(ちくま文庫刊)

理念

シナリオ・センター代表の小林です。8月のゼミナールはWEBゼミにして正解のようです。
この猛暑、オリンピック騒ぎに、コロナはおとなしくせず、東京は3177人、3000人越えです。
神奈川、埼玉、千葉は緊急事態宣言要請になり、茨城、石川、沖縄は過去最多感染者数にと、全国的に蔓延し始めています。
やれやれ、危惧していた通りになりつつあります。
この予測はほとんどの人が持っていたにもかかわらず、希望的観測好きというか、嫌なことは見ない、聞かない、知らないふりとかしてしまう一部の方々のおかげ?、せい?でこんなことに。
それでも、いまだにいいところだけ見ようとしている神経が理解できません。
最悪のシナリオを想定してください。
どうか目を見開いて耳をダンボにして、利権やIOCの思惑など余計なことに左右されずに、どうすれば国民の命を守ることができるのか、最良の「決断」をして欲しいと思います。
センター創立の頃、新井一は「アニメンタリー決断」という、太平洋戦争の始まりから終戦までのそれぞれの場面での「決断」を描いたドキュメンタリーアニメを描いています。
ろくでもない「決断」のためにどれだけの人が亡くなられたのか、それを後世の人に遺すためのアニメンタリ―だったようです。
こうした過去を踏まえて、しっかり学んで、見誤らない決断をして欲しいと願うばかりです。

そういえば、オリンピックでは「持続可能性に配慮した食材の調達」で作ったお弁当を大量廃棄したとか。人が納めたお金をなんと心得る!!
無観客になった時のことは考えていなかったのでしょうか。
急に減らしたらお弁当業者に悪いと思っての満額契約にしたとか言い訳していますが、だったら破棄しない方法を考えておくべきです。
廃棄しない方法はいくつもあるはず。食材にも失礼だし、それを作られた方、お弁当作りに励んだ方は、本当に悲しいですよね。
私だったら、その時々の必要個数以外の余ったお弁当は、事前に子ども食堂やフードバンク、炊き出しとかに回す手はずを整えておくけれどねぇ。
それにしても、多様性と調和、SDGsなどすべての理念がなにひとつできていない、こんな最低なオリンピックってあるでしょうか。
これって、コロナのせいだけではないと思うのですが。

視点

今日は、6月シナリオ8週間講座が修了となります。
この暑い中、オリンピック騒ぎの表参道へ通ってくだった方々、オンラインで休まず参加してくださった方々、よく頑張ってくださいました。
お疲れさまでした。
でも、これで修了ではありません。これからがそれぞれの創作の始まり。
シナリオ8週間講座で学ばれた映像表現の技術を駆使してドラマ作りに励んでいただきたいと思います。
昨日、出身ライターの大山淳子さんが、研修科時代に書かれた20枚シナリオの課題が、小説のもとになったというお話しさせていただきましたが、習作といえどもネタの宝庫でもあるのですから一作一作大事に創っていきましょう。
次のステップに向かって活かしていだきたいと思います。

最近、シナリオ集にハマっています。
昭和のドラマ全盛、脚本家の時代といわれた頃のドラマは、名作と言われるものが多く、BS、CS、配信などで結構見ることがことができて、本当に楽しいし、感嘆してしまいます。
ドラマが面白いということは、シナリオがとてつもなくよくできているということです。

今読んでいるのは、これで何度目でしょうか。大好きな向田邦子シナリオ集。
一話完結のドラマ5話が掲載されているのですが、まあ、どれも面白い。映像が目に浮かびます。
何度読んでも、向田さんのト書には興奮させられます。
傑作と言われる「隣の女」は、不倫の話しなのですが、歩きながら無理やり甘栗を口の中に入れられる桃井かおりとか、セックスそのものの描写ではないのに、猥雑な音を使って五感を揺さぶるようなト書は、めちゃめちゃ艶めかしく、主婦桃井かおりとともに視聴者を不倫に導きます。(笑)
ホント、うまいんだなぁ、小道具の使い方が。
「七人の刑事」は連ドラ。全454話中1作だけ書かれたそうですが、お馴染みの刑事ものですけれど、いつも以上に向田さんの手にかかると深い人間考察が生まれてくるのです。

こういうシナリオを書けるのは、他人の何十倍も感性が研ぎ澄まされていて、ご自分の視点で掘り下げることができるからなのだろうと思います。
名作に学ぶというのは、自分の視点を探ることのような気がします。
向田邦子さんの視点は持てないけれど、向田さんのシナリオからなにを見つめるべきなのか学ぶことはできる。
多くのシナリオを読むことで、自分の視点が確立されてくる、創作とは先人から学ぶことでもあるのかもしれません。
2020年鑑シナリオ集も発売になりました。出身ライターの吉田玲子さんの脚本「のぼる小寺さん」も掲載されています。ご一読ください。

 

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