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スタッフが行く、表参道スポット
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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

視点

Eggs 選ばれたい私たち

みている

シナリオ・センター代表の小林です。今日はちょっと雨模様の東京です。そういえば、甲子園も降っていたような。
今日も東京感染者394人、山形、愛媛は過去最多、大阪は時短要請になったとのことですが、その中で聖火リレーはスタートしました。
密にならないように規制をかけたのに、規制が外れた場所で密になって、なんの為の規制だったのかという声もあり、どうもやることなすこと今いちピントがはずれているようで、こんな状態でオリンピックはできるのか・・・不安は大きくなるばかりです。

昨夜、フジテレビヤングシナリオ大賞作品、的場友見さんの「サロガシー」が放映になりました。
今朝、出社した途端に電話のベル。久しぶりのお電話に何事かと思いましたら、某ベテランプロデューサーの方から、「サロガシー」絶賛のお電話。
24:55からの放映だったので、残念ながら、私は録画をまだ拝見していないのですが、「捉え方、作者が自分しか描けない、自分の視点を持っていてすごい!感動した!」と。
こういうお電話をいただくと本当に嬉しいです。
その昔、出身ライターの坂口理子さんが受賞されたNHK創作ドラマ大賞「おしゃしゃのしゃん!」が放映された時も、放映後すぐに出身ライターの岡田恵和さんから「受賞作品とは思えなかった。力がある人ですね」というお電話をいただき、びっくり。
嬉しくてすぐに坂口さんへお知らせしたのを覚えています。
今回のフジテレビヤングシナリオ大賞では、実はもうおひとり、月刊シナリオ教室に掲載されたコンクール作品をご覧になったプロデューサーさんから「お会いしたい」とのご連絡もいただいています。
作品が外に出れば、どこかでどなたかが見て下さるのです。ありがたいことだと思います。
みなさん、描き続けていれば、見て下さる方が出てきます。チャンスをくださる方が現れます。
頑張りましょう。

Eggs 選ばれたい私たち

常に女性を描く出身監督の川崎僚監督の初長編作品「Eggs 選ばれたい私たち」が4月2日からテアトル新宿で上映となります。
サロガシーは、代理出産のことですが、こちらは、エッグドナー、卵子提供者に志願した独身主義の女性、レズビアンの女性のお話しです。
「サロガシー」をご覧になってお電話をくださったプロデューサーの方が、とても捉え方を感心されていましたが、川崎監督も常に時代を、人間としての在り方を捉えています。
女性問題を描くのが得意な川崎監督ですが、実は女性を描くということは、現代社会の矛盾を、女性視点で切り取っていることなのではないかと思います。

この映画は、子どものいない夫婦に卵子を提供するエッグドナーに志願したいとこ同士の主人公です。
独身主義の純子は、ドナー説明会で偶然従妹の葵に再会。
彼女がレズビアンであることを知る。恋人に追い出された葵は純子とともに住み、ともにドナーに選ばれ、卵子を提供して謝礼金を得たいと思っている。
選ぶのは子供を希望する夫婦。
どちらが選ばれるかという期待と不安を感じながら「遺伝子上の母になりたい」という同じ目的に向かって、選ばれるために新たな生活をはじめようとするのだった。

川崎僚監督は、「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」で新鋭監督して選ばれ、ndjcで製作した「あなたみたいに、なりたくない」を公開して話題を呼びました。
今回初の長編映画に取り組みました。
「あなたみたいに、なりたくない」は婚期を逃した先輩社員をみて「あなたみたいに、なりたくない」と思っていたOLが、先輩女性の生き方を知って・・・というお話しでしたが、「Eggs 選ばれたい私たち」は、産まなくても「母になりたい」という女性の生き方を描いています。
結婚も出産もしなくて、子どもができる。子供のない夫婦の気持ちを描くことはよくありますが、産まなくても「母になりたい」と思う女性からの視点で描くこの作品は、まさに社会の、母性の、男女の、人間のあり方を描いた面白い作品だと思います。
サロガシーもエッグドナーも、現代社会を切り取った視点かと思います。ただ、興味本位に描くのではなく、何が問題で、なにを見つけることができるのか、作者しか描けない世界を大事に描いているからこそ、魅力ある作品になるのかと思います。
本来は2月公開の予定でしたが、コロナ禍で延期。満を持しての公開です。是非ご覧になってください。

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