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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

映画監督・脚本家 川崎僚さん
『 あなたみたいに、なりたくない。 』を制作して

「自分で脚本を書いて、自分で映像化したい」という方は、実際に映画監督・脚本家として活動されている方はどんな方なのか気になるのでは?そこで今回は、映画監督・脚本家 川崎僚さん(元本科)のコメントをご紹介。

川崎さんは2018年に初長編映画『wasted eggs』(監督・脚本)を手掛け、タリン・ブラックナイツ映画祭に正式招待された他、イタリアのレッジョ・エミリア アジア映画祭で上映されました。

2019年には「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」の参加メンバーに選出。『あなたみたいに、なりたくない。』(監督・脚本)を制作し、今年2020年に東京・名古屋・大阪で公開されました。

『月刊シナリオ教室』では、『あなたみたいに、なりたくない。』についてや、映画監督・脚本家として活動される上で大切されていること等々をお聞きしたインタビューを掲載予定ですのでお楽しみに。

それに先駆けて、こちらのブログ用にもコメントをいただきました。川崎さんはどんな想いで映画を作っているのか、監督・脚本を兼任するのはどんな感じなのか、というのがよく分かります。映画監督・脚本家になりたいかたは勉強になりますよ。

まずは『あなたみたいに、なりたくない。』のあらすじから。

『あなたみたいに、なりたくない。』あらすじ

28歳の地味なOL・鈴木恵は、「婚期を逃した孤独な女性」と陰口を叩かれている先輩・小山聡子のようにはなりたくないと、結婚相談所に入会する。次から次へと婚活男性に会ってみる恵だったが、これまで自分自身としっかり向き合ってこなかったこともあり、相手を見つけられないまま疲れ果てていく。そんなある日、街で偶然会った聡子の自宅へ招かれた恵は、彼女の意外な一面を知る――。

©2020 VIPO

「本当に自分がどう生きて生きたいのかを考えるキッカケになれば」

――『あなたみたいに、なりたくない。』を作ろうと思ったキッカケは何ですか?

〇川崎さん:28歳の頃、本気で婚活をしていました。マッチングアプリから結婚相談所まで、ありとあらゆるサービスを利用したけど、結婚相手を決めることができませんでした。その時、婚活とは結婚相手を探す活動のようにみえて、実は自分がこの先どう生きていきたいのかを真剣に見つめ直す活動だと気付きました。

無意識に周りの人から「二十代のうちに結婚しなくちゃ後悔する」という価値観を植え付けられていたことに気付き、私自身はまだ結婚を望んでいないのだという気持ちに気付いた結果、今の私がいます。きっとあの時婚活をしていなければ、映画監督にはなれていませんでした。

当時の自分のように、焦っている若い人たちに年齢や「女の幸せは…」と言った性別で決めつけられてしまうような固定概念から解放されて欲しいと思いました。また、その大切なことに気づかせてくれた人生の先輩たちを賛美する映画にもなればと思い、この映画を作りたいと思いました。

――この作品に込めた想いとは?

〇川崎さん:この作品を見た人に、「結婚しなきゃいけない」という焦りから解放されて欲しいと思いました。

今の時代は多様な価値観が認められて生きやすくなっているはずなのに、表面上はそう見えても、まだまだ古い価値観は根付いており、「女性の幸せは結婚と子育てだ」と本気で思い込んでいる人たちが大勢います。

幸せの価値基準は人それぞれです。
周りの人の声に惑わされず、本当は自分がどう生きて生きたいのかを考えるキッカケになって欲しいと思いました。

「演出をして気付かされることも、脚本を書いてきたから活かせることも」

――この作品だけでなく、脚本を書く際、いつも心掛けていることはありますか?

〇川崎さん:構成は美しいのか、無駄なものはないのか、足りていないものはないのかをなるべく客観的に考えるようにしています。

セリフに関しては、ちゃんと地に足の着いたものになっているのかを気を付けながら書いています。また、なるべく声に出して読むようにし、一人一人の役の感情がちゃんと一本通っているのかチェックしています。

――脚本家としても、監督としても活動されている今、シナリオ・センターで学んだことで役立っていることはありますか?

〇川崎さん:テクニック的なことはもちろんのこと、継続は力なりだということ、そして挑戦するのに年齢は関係ないことをシナリオ・センターで学びました。

映画を初めて撮ったのは27歳の時、周りの人は大学生等の若い子ばかりでしたが、そんなことは関係ないと思えました。

シナリオ・センターに通っていた時の同じクラスの仲間たちは年齢なんて気にせずに挑戦し、コンクールで賞を取るなどちゃんと結果を出していました。その頑張っている姿を見ていたからこそ、臆せずに頑張ることができました。

――川崎さんのように監督・脚本家として活動したい生徒さんが沢山いらっしゃいます。そんな“後輩”に向けて是非メッセージを。

〇川崎さん:演出をして初めて、自分のト書きが的確だったのか、自分のセリフがちゃんと伝わるものなのか、気付かされます。

脚本を書いてきたからこそ活かせることもありますし、脚本を書き続けた中で出来てしまったクセの様なものに、足を引っ張らされてしまう事もあります。

どちらもこなすのはとても大変ですが、挑戦し、勉強し続けて欲しいです。どんなことでも必ずできるようになります。

私自身も、面白い映画を作るためにできるようになった事もある一方、まだできていない事もたくさんあります。一生勉強だと思ってやり続けたいと思うので、みなさんも是非一緒にがんばりましょう。

監督志望者は「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」に応募してみては?

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」は、NPO法人映像産業振興機構(VIPO)が運営する文化庁委託事業で、次世代を担う長編映画監督の発掘と育成を目的とし、2006年からスタートしたもの。

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督や映画『嘘を愛する女』の中江和仁監督など、いま注目の若手監督を沢山輩出されています。

シナリオ・センターではこれまで、目黒啓太さん(2016年度)、齋藤栄美さん(2017年度)、川上信也さん(2018年度)、そして川崎僚さん(2019年度) を推薦させていただいており、皆さんこちらのプロジェクトで監督デビューされました。

ご参考までにこちらの記事「映画監督 になるために/ndjc2018参加決定!川上信也さん」も併せてご覧ください。
 
※シナリオ・センター出身の脚本家・小説家・映画監督の方々のコメントを掲載『脚本家・小説家コメント記事一覧/脚本や小説を書くとは』はこちらからご覧ください。

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