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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

良くも悪くも

ドラマ誌7月号(映人社刊)

想定外

シナリオ・センター代表の小林です。6月の東京は、アラートが解除されたにもかかわらず感染者が増え、その理由が夜の街なので、ステップ3になっても大丈夫だそうで。
よくわからない法則で、夜の街責任にしてしまうだけって、大丈夫でしょうか。
検査をすれば感染者がでるに決まっていて、私たちも検査したら無症状感染者かもしれません。
ま、自衛しなければならない都民ですから、自分の力で乗り切るしかありません。(笑)
他の自治体はどうされているのでしょう。
諸外国のコロナ対応を見るたびに、この独特の日本の対応はいいのか悪いのか・・・と思います。
きっと誰もの中の不満は、やれマイナンバーと口座の紐づけだとか申請がうまくできない奴が悪いという前に、中抜きだの、再々委託だのしていないで、さっさと給付しろ!ってところでしょう。
東日本大震災をはじめここ数年の大災害への対応を見ても、緊急事態が起きたら何もできていない。
災害大国日本なのですから、日ごろから何が起きても対応できる知恵を行政が持っていなければ、行政として存在する意味はないですよね。
記録も記憶もないまったく想定もできない人々に給料を出しているって、それこそ想定外でした。(笑)
議員、官僚、上に立つ人の条件として、人としてあるべき常識を持っていること想像力に長けていることが欲しいです。
コロナ禍のおかげで色々なことが見えてきちゃいました。

 

ドラマ誌7月号

コロナ禍で困ったことばかりではなく、これをバネにして飛躍していこう、変化しようと、もっと良くなる方法を模索していらっしゃる方はいっぱいいます。
ドラマ誌の7月号が発売になりました。
7月号のドラマ誌、特集は脚本家の出発点となったコンクールの受賞作を掲載しています。
掲載作品は4作品。
「第1回フジテレビヤングシナリオ大賞・GIRLーLONG-SKIRT~嫌いになってもいいですか?」坂元裕二さん
「第5回フジテレビヤングシナリオ大賞・屋根の上の花火」尾崎将也さん
「第8回フジテレビヤングシナリオ大賞・ときわ菜園の冬」金子ありささん
「第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞・アシ!」古沢良太さん
4方のシナリオを読まれて、今超大御所になられた売れっ子脚本家たちの出発点を知ることができる、これから臨む方にとってはとても勉強になります。

シナリオ・センターの超人気脚本家おふたりが奇しくもリモートドラマ繋がりになりました。
森下佳子さんがエッセイでリモートドラマについて、岡田惠和さんがWOWOWで放映されたリモートドラマ「2020年五月の恋」の全シナリオが掲載されています。
もうひとつ、「橋田賞新人脚本賞」受賞の小泉理恵子さんの受賞の言葉も。

リモートドラマですが、森下佳子さんのリモートドラマは、過日その面白さを述べさせていただきましたが、あの大河ドラマ「おんな城主 直虎」の柴咲コウさんと高橋一生さんにモロツヨシさんの3人が出演。
巧い役者さんならではとも言えますけれど、やはり大事なのは、今までにない企画・シナリオの発想、森下さんの腕がさえていました。
森下さんは、リモートドラマについて「初めての試みで、荒削りな部分も多々あったものの、評判も良かったようで、第2弾も続くこととなった。そればかりか実はこの試みは海外のエンタメ雑誌にも掲載され、彼女(註:NHKプロデューサー)の元には海外のドラマ制作現場からメッセージが入るようにもなったそうだ。撮影のノウハウもどんどん開発されているというし、そのうち『完全な状態で撮れない場合の代替物』という位置づけから『リモートでしかできない面白さ』を訴求するレベルに、ひいては『海外の役者さんとも一緒に作れるフォーマット』として飛躍する可能性も出てきているのではないかと思う。なんかそうなったらコレは本当のすごい話だ。」(一部抜粋)と書いていらっしゃいます。
これは抜粋なので、ドラマ誌でちゃんと読んでください。先輩はやっぱりすごい、さすがだと思います。

岡田惠和さんの「五月の恋」4話です。私は連続で毎晩拝見したのですが、全部の放映が終わった次の日、4話通しで拝見しました。また違った醍醐味で、実に巧みな会話を堪能させていただきました。
このお話も先日書かせていただきましたので、掲載シナリオについてです。
ご覧になった方はおわかりいただけると思いますが、シナリオを読んでみるとラジオドラマのように書かれているのです。
会話劇のお得意な岡田さんならではの電話だけのドラマ。
岡田さんは、「こだわったのは電話で話をすることでした。電話のシーンを書くのは昔から結構好きで。基本電話って顔が見えないから、そもそも相手に対する演技だと思っていて。」とおっしゃっていました。
電話のシーンって、こういうことなのです。映像表現の小道具として電話を活かせるかどうかは、岡田さんの言葉を念頭に置かれて描かれるといいと思います。

ああ、やっぱり、やっぱりばかり言ってしまいますが、先輩の方々は、売れっ子になる方々は、やっぱり違う、ただでは起きない。
どんな状況になっても、ちゃんとアンテナをフル稼働させて、新たなことを考えていらっしゃる。こうした状況を、しっかりととらえて、先を見据えていらっしゃるのです。
ドラマ誌7月号に足がかりをいただきました。私たちも負けずに動かなくてはいけませんね。

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