menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

命を助けるためには、医学の力だけでなく、人と向き合う政治の力も必要だ

新米女医ですが、異世界では活躍しています(コスミック文庫刊)

パンデミック

シナリオ・センター代表の小林です。コロナウイルスの猛威に世界中で困惑の嵐です。
パンデミック(世界的大流行)に指定されるかどうかの瀬戸際らしいです。
人と人の感染、死亡可能な病気の誘発、全世界に拡散というのがパンデミックの定義らしいですが、パンデミックといえばスペイン風邪が有名です。
世界の3割以上の人が感染したというのですからすごいことです。しかもこのスペイン風邪、三波にわたって3年も続いたとか。
1918年から1920年のことですから、今から100年前のことで、さぞかし大パニックだったこと思います。
今は、21世紀、医学は日進月歩ですから、スペイン風邪のようにはならずに、きっと早めに収束できると信じたいのですが・・・。
それにしても、誰もわからない新型ウイルスですから、右往左往するのは仕方がないとしても、ほかの国と比べて、日本の後手後手な対処、何やら嘘っぽい動きはどうにかならないものかと思います。日本の場合は、人災になりかねないですよね。
各々がくれぐれも気をつけて過ごすしかないのですが、想像力を巡らして自分を守り、人に迷惑をかけないようにしながら、乗り切っていきましょう。

 

新米女医ですが異世界では活躍しています

医者はこうでなくてはなりません。そして、医者が患者のために身を粉にして働けるようにするには、政権を担う者がしっかりとバックアップしなければなりません。
新米女医が異世界の王子と力を合わせて医療改革していきます。
「新米女医ですが、異世界では活躍しています 3」(コスミック文庫刊)
出身ライター亜坂たかみさんの女医シリーズ3作目がでました。

研修医の野乃花が、ふとしたことから異世界に転移。古い医療しかない異世界ガルバード王国で、アレックス王子の協力のもとに、異世界で医療改革を行います。
王立診療所を作り、貧しい人も無料で治療が受けられるようにしたり、なけなしの知識をフルに回転させて、医療器具や薬を作ったりと奮闘します。
野乃花とアレックス王子は、ほのかに想いを寄せ合っているのですが、お互い口にがだしません。
ある日、この世界には存在しないはずの聴診器を持った黒髪の男性医師がいることを聞いた野乃花は、会いに行きたいのですが、3日もかかる村までは研修医の育成中でもあり、患者を置いてでかけることができず、諦めつつ仕事に打ち込みます。
その間、薬の窃盗犯に疑われたり、犯人に仕立て上げられた男の無実を晴らしたり、心臓病のおばさんや肺結核のお母さんを助けたりと八面六臂の活躍。
アレックス王子の計らいで、やっと会えた男性医師は、現在の日本と異世界とを行ったり来たりしている同じ病院の循環器の日本人医師で、その異世界との出入り口がなくなりそうだと教えてくれます。そこで野乃花は・・・。

しっかりとキャラクターができているので、シリーズ3作目でも、まったくぶれることがありません。
なので、2巻からちょっと間が空いているのですが、まったく違和感なくすんなり物語に入っていくことができ、どんどん読んでしまいました。
亜坂さんのこの作品は、ライト文芸とかキャラクターノベルといわれるジャンルです。
ライトノベルほど軽くなく、キャラクターが決めて。ここに書き手の文学への教養、知識、創造力がにじみ出ます。
亜坂さんは深い教養・知識・経験を駆使して、読み手を意識して、文体も考え、構成を作ることができる方です。これが、売れる作品=魅力ある作品となるのだと思います。

プロとアマの違いは、伝える相手を想い、伝え方を考えられることかと思います。
他人の作品をよく読み、自分の想いやこだわりだけで書くのではなく、広い視点でどう伝えるかを考えられる力を持つことこそプロの道を歩めるのではないでしょうか。
これは小説に限らず、ドラマも、アニメも、戯曲も、創作すべてに言えることだと思います。
プロの道は、他人を想う力、想像力がものを言います。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ