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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

脚本がいいと小説になり、小説にがいいと映画になる

牛姫の嫁入り(角川文庫刊)

修了式

シナリオ・センター代表の小林です。昨日は、135期シナリオ作家養成講座の修了式でした。
修了式では、受講生の方お一人お一人に修了証書をお渡しして、その後一言受講生の皆さんからお言葉をちょうだいします。
修了証書は、必ず全文読ませていただきます。以下同文にはしません。
シナリオ・センターのポリシーというべきところで、創作はみんな違い、人それぞれのものですから、そこを大事にしなくてはどうする、以下同文で十把一絡げで終わらせてはいけないと思っています。
なので、その分時間がかかりますが、それはお互い様なのでちょっと我慢していただいています。
お一人お一人にお渡しする時、オーバーと思われるかもしれませんが、胸が詰まります。
やり切った感もあり、次のスタートへの希望に満ちていらっしゃる、入学時の不安なお顔のままの方は誰一人いらっしゃらないのです。
おひとりおひとり希望に満ちたお話をしてくださり、河合に伝えたら泣いちゃいそうです。(笑)
せっかく受講されたからには、6カ月という時間をもったいなかったと思わないように有効に使って欲しいと願っています。

嬉しいことに、135期の修了生の皆さんは、充実した時間を過ごしてくださったようでホッとしました。
基礎講座の修了は、これで終わりではなく、これからが創作者としてのご自分の感性をシナリオの技術と使って生かすべくスタートです。
「書き続けること」それだけがプロになる王道だと思います。
シナリオ・センターは常に「書き続ける」モチベーションを保てるように、バックアップしていきます。

牛姫の嫁入り

出身ライターの大山淳子さんの「牛姫の嫁入り」(角川文庫刊)が文庫化されました。
このお話は、最初は脚本でした。
城戸賞という映画界で最も権威のある映画脚本のコンクールで2006年の「城戸賞」を受賞した作品です。
この時は「三日月夜話」というタイトルだったと思います。
残念なことに映画化はまだ果たされておりません。
時代劇です。
お家を栄えさせたい右筆の加納光正は息子のために10万石の藤代家のまぼろしの姫と重姫と誘拐見合いさせようと試みます。絶世の美女と噂の重姫はここ10年姿を見せていません。そこで誘拐して見合いをさせようと女忍び・コウを雇います。その誘拐見合いを達成するために、コウは屋敷に忍び込みます。
が・・・そこには。そこでコウはあらゆる手段を講じて・・・。まあ、次から次へと困難なミッションをこなしていくコウと重姫、まず読んでください。
なにしろ、映画化を目指して描いた脚本を小説にしたのですから、面白くないはずがない、時代劇エンタテイメント、読んでみなくちゃ面白さは伝わらないです。
なんで映画化が進まないのかもわからないです。
同じくシナリオ・センター出身ライターの土橋章宏さんの「超高速!参勤交代」も城戸賞受賞後、小説にしてやっと映画化になったら大ヒット。和田竜さんの「のぼうの城」もそうです。
そうです、絶対に「城戸賞」受賞して小説になったものは、映画化して面白いのです。

解説の映画プロデューサー富山省吾さんもこう書かれています。
2006年の城戸賞受賞時からの蓄積を糧に、大山さんが「牛姫の嫁入り」の脚本を描いたらどうなるか。
登場人物への大山さんの暖かな視線とエンタテイメント作品を徹底的に追及する作家としての姿勢に、設計図として脚本を描く緻密な技量が加わった傑作が生まれる予感に胸が高鳴ります。
それは「三日月夜話」と名付けられた城戸賞作品とは一味も二味も違う、13年の年月をかけて美しく練りあげられた脚本として、新しい生をうけるのです。」
そして、読者の皆さんにこう呼びかけます。
「一人一人の観客が素晴らしいと感じる映画を自ら発見し、自分で動いてその作品をヒットまで高める。驚くべき現象が日本映画界で生まれ、継続しています。
小説の世界ではどうなのでしょう。
「牛姫の嫁入り」は脚本から生まれた小説です。
その小説が読者の声に後押されて映画になったら素晴らしいと思いませんか。

脚本から小説に、そして映画に。コウと重姫なら私たちをミラクルな未来まで連れて行ってくれる気がするのです。(略)
もし、満足いただけたのであれば、映画化希望の大きな声を上げてください。
そして同じ意見の人たちと一緒に集まって、映画化実現の機運を盛り上げましょう。当然僕も参加させてもらいます。」

私が書きたいことすべて富山さんが書いてくださいました。ありがとうございます。
「映画で見たい!映画で見たい!」土橋章宏さんの「引っ越し大名」に続いてほしいです。

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