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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

現代劇も時代劇も大事なのは社会の上に生きる人々だ

時代劇でござる(春陽書店刊行)

選挙

シナリオ・センター代表の小林です。昨日の選挙には心からがっかりしました。
投票率の低さ。50%を切るなんて・・・。
あえて、マスコミが選挙をあおらなかった、テレビ各局は3年前の半分くらいしか報道をしませんでした。政府への忖度はここまで来ていました。
だからこそ、そうでなくても選挙は行くべきものであり、国民が政治家に最後通牒を突き付けられる唯一の場所だと私は思っています。
そういうと、投票されなかった人のほとんどが「どうせ変わらないから」とおっしゃいます。
むなしい気持ちはわかります。なにしても変わらない、どうせ誰でも同じだ、野党に魅力がない、選ぶ人がいない、本当にそう思います。
でもです。ベストの候補者がいなければせめてベターの人に、投票に行くことで私たちは政治家をちゃんと見ているぞ、お前らの勝手にはさせないぞという姿勢を示さなくては。それは与党にも野党にもです。主権は国民あるのですから。
私たち国民のために国があるのであって、国のための国民があるのではありません。私たち下々だからこそ、そこをないがしろにされてはいけないと思います。
今朝のテレビニュースも悲かった。選挙よりも吉本のニュース・・・。
マスコミはここまで落ちてしまったのかとほとほと嫌気がさしました。

それでも嬉しいことに、身体障碍者の方が3人当選されました。
おひとりは岩手のチェアスキーのパラリンピック選手車いすの横沢高徳さん。
そして、マスコミの話題にまったく疎外視されていたれいわ新撰組の重度障害のおふたり。
ALTで言葉も発せないけれどきちんと意思を伝えることができる舩後靖彦さん。脳性まひで首から下は動かない木村英子さん。国会に新風を送り込みました。
私は障害者という言葉が嫌いです。もっと嫌いな言葉は健常者。この対語、本当に失礼です。差別はこうして生まれるのです。
お三方には、健常者と名乗る人たちでは、見えないものを、感じられないものを、考えられないことを、どんどん伝えていただきたいと思います。
私たちの欲しいのは、閉塞感のある社会ではなく、まっとうに息ができる優しい社会でありたいと思うのです。

時代劇でござる

江戸時代もいろいろありました。でも、封建社会といわれたら仕方がないけれど、日本の現在は民主社会です。そこはおいといて・・・。
「時代劇でござる~マゲモン作家ニヨル江戸ノ手引書」(春陽堂書店刊)作者は出身ライターであり講師でもある柏田道夫さん。
シナリオ・センターの方ならご存じです。月刊シナリオ教室で連載されていた柏田道夫さんの「時代劇でござる」が本になりました。
もちろん、加筆していますから、前に読まれたという方も是非お読みいただきたい。
いつも柏田講師が嘆くのは「なんちゃって時代劇」が多すぎるということです。
やはり、時代劇は時代考証が必要です。
その昔のことで誰も本当のところは見ていないのですから、いい加減でいいというものではありません。
確かにある意味、時代劇は、柏田講師が言うようにSFでもあるのですが、それでもツボは抑えておかなければお話をつくることもできません。
そのツボとは何か、時代考証というか真実の部分はきちんとしておくということです。
柏田講師の描いた「武士の家計簿」でも、冒頭、そろばん侍がずらっと並んでそろばんをはじいている場面があります。並んでそろばんをはじいていたかどうかわからない、史実として残っていないからです。
だから、フィクションが加えられます。で、映画としては見せ場になります。

時代劇というのは、史実に基づきながらフィクションを描くということです。
この本は、時代劇の手引書としてだけでなく、読みものとして面白いうえに、「なるほどなるほど」と思いながら読めます。
時代考証というと固そうですが、史実の中から、そこで生きた人たちの息吹を感じて、フィクションとどう折り合いをつけるか、そこが作者の腕でしょう。
時代考証を知ると、面白いものを発見し、土橋章宏さんのように「超高速!参勤交代」も「引っ越し侍」も描けるのです。
柏田道夫さんの最新映画「二宮金次郎」も是非ご覧ください。
柏田講師からひと言「時代劇を描いてほしいでござる」

 

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