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三人称一視点で 小説を書く ときの心得~視点者はそのままで~

「シナリオのテクニック・手法を身につけると小説だって書ける!」というおいしい話を、脚本家・作家であるシナリオ・センター講師柏田道夫の『シナリオ技術(スキル)で小説を書こう!』(「月刊シナリオ教室」)からご紹介。
今回は三人称一視点で小説を書くときの心得について。三人称一視点で小説を書いていると、違う視点からも書きたくなって、途中から視点者を増やしたり、変えたくなることがありませんか? でも、柏田講師は視点者を定めたら、できるだけその人物で通せ!といいます。それはなぜか。柏田流で学んでいきましょう↓

シナリオを書いていた人は特に、三人称一視点がおすすめ

純文学とかではなく、いわゆるエンタメ系の小説を目指そうとされるのでしたら、できるだけ三人称で書くことをオススメします。

それも三人称多視点ではなく、三人称一視点で展開させることを極力意識しながら書く。特にシナリオを書いていた人が小説を書こうとする際には、この点がネックになることが多いからです。

設計図としての役割もあるシナリオは、シーンとなる柱を立てて、ト書で柱の状況や人物の紹介をして、それぞれの人物ごとの動き(アクション)を書いて、人物指定をしてセリフを喋らせる。つまり三人称多視点で書いていきます。

この感覚のままで、小説の地の文を書くと、いわゆるト書調文体、あるいは詳しいあらすじであるプロット調になってしまうことがある。

真美は佐倉に連れられ雑居ビルに入る。
佐倉は振り返り「ここだよ」と言った。
真美は汚いビルだなと思いながら階段を登る。
「六本木芸能社・渋谷支局」と看板。
佐倉は痛む指でドアを開け、真美を中に入れる。
「おーい、お客さん、連れてきたぜ」
悪巧みを悟られないように佐倉は笑顔でごまかす。

小説講座で出される宿題の中には、こんな文章の作品を出される方がいらっしゃいます。シナリオのト書としても変ですが、小説の文章になっていません。どんなにアイデア性あふれる斬新な物語だとしても、こんな文章だと小説とは認めてもらえないわけです。

視点者を定めたら、我慢してそれを通す

通用する小説の文章を身につけることが必要となるのですが、そうした方法論や心得はいずれ。

まず三人称、それもできるだけ一視点で書く手法を身につけるところから小説の文章感覚であったり、視点のとらえ方を理解した上で、一人称がいいと思ったらそちらを選択すればいい。

で、三人称一視点の場合は、物語を通す視点人物を定めたら、その人物の目線や心理から外れないように書いていきます。

真美が視点者ならば、真美の行動を追い、真美の見たもの、感じたことを通していく。真美と佐倉が一緒にいる場面だとすると、佐倉が何を思っているかとか、何をしようとしているとかは分かりません。「佐倉はチョロい女だと思っているに違いない」といった真美の推測的な書き方をします。

どうしても、真美の知らない佐倉側の事情であったり、心理などを描きたい場合、シナリオならば真美のいないシーンを作ればいい。小説も基本は同じで、章を変えたり、行を空けて視点者が変わったことを読者に分からせた上で、例えば、佐倉だけだったり、佐倉と別の人物とのやりとりを描く。

ただし、これが小説表現のポイントでもあるのですが、この視点の転換をあまり頻繁にやると、読者を混乱させたり、その小説世界に読者を導きにくくさせたりします。

数ページごととか、数行ごとに視点者が変わったり、さらには視点が変わらなくても、場面がコロコロ変わったり、時間軸があっちこっちに飛んだりさせると(映像ではそれが武器になることも多いのですが)、まさにプロット的になってしまい、小説らしさが失われてしまう。

視点者を定めたら、できるだけその人物で通す我慢をする。これも小説を書く際の心得になります。

出典:柏田道夫 著『シナリオ技術(スキル)で小説を書こう!』(月刊シナリオ教室2015年8月号)より
次回は5月4日に更新予定です

※シナリオ・センターの書籍についてはこちらからご覧ください。 

※要ブックマーク!これまでの“おさらい”はこちらで↓
小説家・脚本家 柏田道夫の「シナリオ技法で小説を書こう」ブログ記事一覧はこちらからご覧ください。比喩表現のほか、小説の人称や視点や描写などについても学んでいきましょう。

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