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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

職業ものを描くときは、徹底的に知らべないと共感はうまれない

医大女子イダジョ!(文響社刊)

本の整理

シナリオ・センター代表の小林です。今日は、10月の気候なのだそうで、とても肌寒く、セーターを着たい気分で、慌てて箪笥の中から引っ張り出しました。
しのつく雨の中、半袖姿もちらほらみられ、この時期は様々ですね。
暑くなったり、寒くなったり、体調を壊しやすい時期ですから、くれぐれも気を付けてお過ごしください。

昨日は訳合って、父が遺した本の整理をしていました。
1/3くらいは亡くなった時にシナリオ・センターへ持ってきてはあるのですが、まだまだあり、古書が多いのでほこりだらけで、マスクをして眼鏡をかけて防戦しながら整理をしています。くしゃみが止まらない。(笑)
父が長年自分で描きたくて温めていたものの資料本がたくさんあります。
宮澤賢治、田中正造、岡倉天心、吉田松陰、・・・全集から関わる様々な資料文献が山ほど。
もし、研究したいとか作品にしたいとかという方がいらしたらお譲りして、父の遺志を継いでいただけたらなあ思いながら整理をしていました。
捨てるには惜しい、売るのは忍びない・・・今は、古書は喜ばれないし、初版本なども多々あるのですが、本当に頭を抱えるばかりです。
戯曲集、落語、映画関連etc・・・捨てきれない、といって自分が有効に使えるものでもないし・・・どうしたもんかなあと古書を前にくしゃみしながら悩んでいる毎日です。 

イダジョ!がんばれ!

ライターズバンクの募集から、小説ができました。
うんこ漢字ドリルで有名な文響社さんからのオファーでした。
ほぼ1年がかりとなりましたが、めでたく出版の運びとなりました。

「医大女子 イダジョ!」(文響社刊)作家集団の史夏ゆみさん。

ものすごくいいタイミングで、東京医科大問題。女性差別(?)試験が大ニュースになりました。東京医科大に限らずどの医大もどうも同じらしく、仕方がない発言から、女性蔑視発言等など大騒ぎでしたね。

女医を目指すひとりの女性の成長物語です。
普通のサラリーマン家庭の娘安月美南は、ある経験から、医者を目指します。
そこで、出会う同級生たちは、ほぼほぼ金持ちの中で、血を見て倒れる男子学生、どうしても医者になりたくて再試験で入学してきた男性、男と女の前では態度が変わる女子学生、親の期待につぶれてキャバ嬢からスナックのママになる落ちこぼれ、周りが医者だけの家庭に育って男子学生、そしてカッコいい心臓外科の医者等などちょっと色濃いキャラとともに、父親ががんに倒れて学費にも苦労しながらも、医学部の壮絶な勉強と患者への接し方などを通して、成長していくお話です。

魅力あるキャラクターが、悩みながら、つまずきながら、恋愛も医者に向って成長していく姿に、医学部の内情をとても詳細に描かれていて、興味深く読み進んでしまいました。
よくある医者ものとは一線を画した面白い小説になりました。
職業ものを書くときのお手本になります。

このお話を読んで、技術を持ち、患者の気持ちも汲んでくれるお医者様が少ないのもわかる気がしました。 医学部はお金がかかりますから、勉強ができたとしても誰でもがたやすく進学できるわけではありません。 医者の家に生まれたからという人が多く当たり前だとすれば、深くどんな医者のなりたいかなどを考えたりする方向にはなりませんもの。
主人公の美南のように、何故医者を目指すか、どんな医者になりたいかということを考える人は一握りだということがちょっと悲しい現実のようです。
何かになるということはすべて同じですね。
技術だけではなく、どんなものにも心がなければ、他人に対する想像力が大切なのです。

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