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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

学ぶこと

「ココ・シャネルからのメッセージ」(扶桑社文庫刊)

自給

シナリオ・センター代表の小林です。気象庁の1カ月予報では、10月も異例の残暑で、北日本を中心に大雨警報も出る可能性とか・・・日本列島中危険な感じです。
モロッコで大地震、リビアの大洪水とか地球規模の異常気象、災害の年のようです。
これが今年だけの異常で済むならまだしもですが、こうした状況にどんどんなっていくとなると、暮らしも食料もまさに風前の灯の地球です。日本の物価高騰は、ウクライナなどの戦争状況もそうですが、各国の災害状況も影響しているようですから、今のように国際情勢が危ないと、いつ輸入がストップされるかわかりません。

日本のカロリー食料自給率は38%。もちろん消費者である私たちの食生活にも問題があるとは思いますが、それ以前に根本的に農業政策、災害対策がまともに出来ていないということが大きいと思います。
食料自給率トップのカナダは233%、日本とどう違うのでしょう。お上は学んでほしいです。
日本の政策というのはいつも行き当たりばったり。減反をさせたり、牛乳を捨てさせたりして農家・酪農家を困らせたかと思うと、コメ不足や牛乳不足になったり・・・。
本当にバカなの?・・・と言いたくなります。
日本が今一番やるべき問題は、軍備でもなく少子化でもなく、この異常気象と災害の多さを前に、ひとりでも死なせない災害対策・食べられないことが起きない食糧対策ではないかと私は思っています。
産めよ増やせよ、欲しがりません勝つまでは・・・みたいなことが今起ころうとしている気がします。
お上ができないなら、私たち下々が止めなくては、子どもたちの未来などどこにも見えません。
今週の朝ドラ「らんまん」の万太郎の気持ちがよくわかります。

「ココ・シャネルからのメッセージ」

作家集団の史夏ゆみさんが、女性なら誰もが憧れたココ・シャネルの本を出されました。
「ココ・シャネルからのメッセージ」(扶桑社文庫刊)
表紙を見ただけでも、ちょっとワクワクしてしまう本です。
ココ・シャネルは、1883年に生まれ、世界中が混沌としていた時代に生き、どなたも知っているように世界中の女性を魅了したファッションデザイナーです。
彼女は貧しく生まれ、孤児になり、そこから紆余曲折を経てビジネスの世界に君臨するまでの苦労、困難は計り知れません。
そんな彼女だからこその名言がいくつも生まれています。
史夏さんは、通称のココではなくガブリエル・ボヌール・シャネル、ガブリエルの名言一つに、それに合った短いストーリーを描き、ガブリエル本人の解説をするという構成で、彼女の生き方がわかるように書いています。
「二つの大戦を越えた時代にたったひとりで働き続けることがどれほど孤独で辛いことだったが少なからず想像できます。
ガブリエルは生涯を通してそんな社会と戦い、勝ち取り、真ん中に立っていた。
その道のりこそが彼女の放つ言葉を光らせ、私たちを魅了します。
シャネルの黒が持つ気品と落ち着き同様、彼女は強く、深く、孤独で、美しかったのです」
と書かれたプロローグでお分かりのように、だからこそガブリエル・シャネルの名言は輝いているのです。

よく知られている名言は「自分らしく在ること、それこそが美しさよ」ですが、私が気に入ったのは「壁はいくらノックしても開くことはないわ。ドアを探しなさい」
この名言には、史夏さんは、新入社員がいくら上司に提言しても聞いてもらえなかった案件が先輩を通したことで成功するお話を書いています。

もうひとつ、創作を目指すに皆さんに送りたい名言は、
「才能?そんなの誰だって持っているわ。大事なのはそれを引き出すことよ。」
そして極めつけ
「そりゃ勇気が要るわよ。でも、自分の頭で考え続け、それを声に出して伝えなきゃ、前へは進めないわ。」
史夏さんは、自伝とは全く違う切り口で、ガブリエル(ココ)・シャネルの魅力ふんだんに描いています。
ココ・シャネルから、現代の私たちがやるべきことを史夏さんのオリジナル短編小説を挟み込むことで、わかりやすく翻訳して伝えてくれました。
明日へと背中をおしてくれるすてきな本です。

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