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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

齋藤恵美さん、おめでとう!

ndjcチラシ

ndjc:若手映画作家育成プロジェクト

シナリオ・センター代表の小林です。2月終わっちゃいます。明日は弥生、3月です。あっという間に春が。早く来てほしいような、時の流れの早さに追いつけないような・・・。

昨日は、「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」の上映会へ行ってきました。
この「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」は、映像関係の学校やPFF、映画製作者連盟などの推薦を受けて、シナリオなどを提出して選ばれます。
選ばれた方たちが、ワークショップでシナリオを含めて映像技術を半年学ばれ、その中から製作実地研修参加作家を5名決定します。 この5名がオリジナル劇場映画(25~30分)を製作会社がついて、脚本監督として創りあげます。
制作実地研修参加作家に選ばれるのは並大抵なことではありません。
その上、映画関係者、マスコミなどを対象とした合評上映会、プロジェクト検討委員、脚本指導者による講評会が実施されます。
シナリオ・センターも推薦団体として推薦させていただき、昨年は目黒啓太さん、今年は齋藤恵美さんと2年続いて最終の制作実地研修参加作家に選ばれました。
このndjc:若手映像作家育成プロジェクトは2006年から行われており、昨今では数々の映画賞を受賞した「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督、公開中の長澤まさみと高橋一生で話題の「嘘を愛する女」の中江和仁監督など今年度まで62名のうち21名の方が商業映画デビューをしています。
いわば監督の登竜門と言えるでしょう。
きっと、目黒さんも齋藤さんも、近々映画監督デビューを果たすものと期待してます。

辛口だからこそ

今回公開された5本の作品は、SFチックな化け物と一人ぼっちの女の交流を描く「化け物と女」脚本・監督池田清(PFF推薦)、モノクロで勝負でフランスからやってきた女の子が織りなす「カレーライス」脚本・監督奥野俊作(日本映画制作者連盟推薦)、ママを失った5歳の男の子の心の闇を描いた「もんちゃん」脚本・監督金晋弘(東京藝術大学院映像研究科映画専攻推薦)、大学野球部の3人の男たちの未来を描く「さらば、ダイヤモンド」脚本・監督中川和博(PFF推薦)、そして、カプセルホテルに働く田舎から出てきた女の子の変化を描く「トーキョーカプセル」脚本・監督齋藤栄美(シナリオ・センター推薦)です。

昨日の上映会は一般の方も観ていただけるよう有楽町のスバル座で行われました。
5本の映画を上映後、5人の新進監督が紹介され、シナリオ・センター推薦の齋藤栄美さん(本科所属)が、周防正行監督と対談を行いました。
周防監督は、若手の時はどう撮るかばかりを考えていて、何を描くのか、描きたいのかを考えていなっかった。 案外自分では、なにを描きたいのかが明確にわかっていないことが多いというお話をしてくださいました。
齋藤さんの作品は、カプセルホテルで漠然と働いている女の子が、お客様や従業員との接触、そして「華やかな色の鬘」という忘れ物と出会うことで経験したことの一夜を体験し、変わっていきます。
周防監督からは、「今、生きている人間を感じられなかった。カプセルホテルはそういうものなのかもしれないが、肌触りが伝わってこなかった。活字で描かれた言葉に引きずられては監督としてはいけない。観客をどのように意識していくかが大切」と辛口の批評をいただきました。
シナリオも監督もそうですが、自分で創っているとなかなか俯瞰でものを見るということができません。
人の見てもらう、読んでもらうというのはだいじなことだと感じた上映会でした。 ゼミナールも、様々な感想意見があるかと思います。辛口の感想もあるかもしれません。
ですが、他人の伝えるということはそういうことなのです。
齋藤さんも、周防監督からの辛口な真摯にみてくださったからこそ言える批評をきちんと受け止めることで監督への大きな一歩となることでしょう。
なにを伝えたいのか、どう伝えたいのか・・・常に心して他人の意見に耳を傾けることが成長するための大事なことだと思います。

シナリオ・センターの受講生には、脚本家のみならず、監督を目指してシナリオを学んでいらっしゃる方もたくさんおいでです。
監督を目指す方に朗報です。
4月23日月曜日、シナリオ・センターホールで、齋藤栄美さんと制作のアルタミラピクチャーズの桝井プロデューサー、ndjcの代表の方をお呼びして、鼎談を行います。次の推薦を考えている方も、監督もいいなと思っている方も、監督ってなんだと思っている方も、奮っておいでください。
監督も、プロデューサーも、一番はシナリオです。

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