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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

プロとアマの違いはどこまで下調べができているかだ

秘書への戯れはご遠慮ください!(マリーローズ文庫刊行)

発信できる力

シナリオ・センター代表の小林です。友人のお母様が亡くなり、お通夜に行ってまいりました。91歳での大往生ということで友人はお赤飯を配りたかったと・・・。
でも、90歳と言われてもまだまだという感じがします。
2月になって、作家の石牟礼道子さん90歳、俳人の金子兜太さん98歳が相次いで亡くなられましたが、最後の最後まで現役でいらして、社会に警鐘を鳴らし続けていらっしゃいました。
まだまだ頑張っていただきたい方々でした。
こんな生き方ができたら素晴らしいですが、凡人にはなかなか難しい。
私の年齢になると、先のことというとボケとか死に直結して考えてしまいます。友人たちと話していても、必ず老後の話になるほどです。
私たち団塊世代は、戦後生まれで大変な戦争体験もなく、高度成長の右肩上がりの真っただ中に青春を送り、仕事も遊びも面白いほど好き勝手にできた時代で、とても幸せに暮らしてきました。
そのツケを、経済だけでなく精神的にも今の若い方々に背負わせているわけで、そこをなんとかしないと申し訳ないと思っています。
団塊世代のほとんどが反骨精神を持って、声高に戦争反対などを訴えたり、夫婦別姓など若者たちより革新的なことを考えているのは、申し訳ない想いがあるからです。
石牟礼さんや金子さんのようにきちんと生き抜いていらした方の考えや生き方をつないで、若い方々が幸せに暮らせる世の中であるように見届けていきたいと思うのです。

ラブロマンスは無限大

出身ライター神埼たわさんが新刊本を持っておいでくださいました。
神埼たわさんは、シナリオ、戯曲、漫画原作など幅広く活躍されていますが、なんといっても大人の女性向け恋愛ロマンス小説では、第一人者でいらっしゃいます。
マリーローズ文庫再開第一作は「秘書への戯れ ご遠慮ください」(マリーローズ文庫刊)
男性恐怖症で、独りで生きていくことを選んでいる秘書の菜穂子と彼女の上司で女好きと噂のあるプレイボーイの副社長との恋の行方を描いています。
人一倍仕事もできる上にハンサムでスマートなグローバル物産の御曹司、副社長の聡介。
もてる要素ばかりの彼にかかってくる女性からのひっきりなしの電話対応に、秘書になって1ヶ月の菜穂子はうんざり。男性恐怖症でひっそりとつつましやかに生きたい菜穂子にはもてあまし気味。
そんな菜穂子は、秘書としてはレベルが高いにもかかわらず、ちょっとしたミスを犯したことで、なぜか副社長の恋人役になることを命じられる。さて、嘘からでるのだろうか、真の恋は・・・。

神埼さんの小説の評判が高いのは、キャラクター設定ときちんとした構成力です。
恋愛ロマンスというのは、シンデレラストーリーですから、素敵な王子様と結ばれるかどうかなのですね。でも、山のようにシンデレラストーリーが生まれるのはなぜか。ストーリーではないからです。
そうです。キャラクターです! これしかないのです。
キャラクターが違うからこそ、恋愛ドラマもたくさん生まれてくるのです。
様々なキャラクターに事件事情を投げ込むと色々な形になるというわけです。
神埼さんは、シナリオも小説もキャラクターなので、シナリオ・センターで学んだことを小説に生かしているだけだとおっしゃっています。
お決まりのちょっとエッチな部分もキャラクターによって反応は変わってきますし、どこにいれるのかで、お話の展開も全然変わっていきます。
ドキドキわくわくさせる 神埼さんのうまさはここにあります。
そして、プロとアマの違いは、どれだけ下調べをするかです。
神埼さんは、どのようなお話しでも徹底的に下調べをされ、資料を読み込み、ハンティングにいらしたりされるそうです。
この下調べこそが、物語に深みを増す大きな大きなポイント。
だからこそ神埼さんの小説は面白く、ヒットを飛ばしているのです。
神埼さんとお話をしながら、小説でもシナリオでも、いかにキャラクターを創るか、そして、きちんと下調べをして、感覚で創るのではなく、技術を持って、視聴者、読者に向けて作ることを考えてこそ、プロとして活躍できるのだと思いました。

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