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恋愛モノを書くヒントが満載 マンガ『永遠の誘惑』

マンガにはシナリオ創作に役立つヒントが満載。魅力的なキャラクターとはどんなものなのか。設定だけで面白いと思わせるにはどうしたらいいのか。その答えはマンガにある!シナリオ・センターにてマンガ原作講座を担当する仲村みなみ講師の『マンガから盗めっ!』(「月刊シナリオ教室」)からご紹介。
今回取り上げるのは『永遠の誘惑』。一言で言えばあり得ない設定。でも、違和感なし。それはなぜでしょう?その答えが分析できれば、恋愛モノを書くとき役立ちますよ!

「永遠の誘惑」前原滋子(講談社)

かつて恋した男の息子と恋をする独身女医の凪子。夫の愛を疑うセレブ主婦真梨絵、元生徒からの求愛に迷うバツイチ教師、木綿子。3人の過去と現在が複雑に絡まりあう、大人のラブストーリー。

「永遠に不滅です」なジャンル、恋愛モノ

のっけからナンだが既婚女性の方に本音でお聞きしたい。

「私は一番好きな男と結婚したわ」という人はどれだけいるのだろうか。

ちなみに私の周囲ではほぼ皆無であった。「学生時代に初めてつきあった相手が最高の男だったわ~」と言う人がけっこういる。「だから、今の姿見てがっかりしたくないから、同窓会には死んでも行かないの」だって。そりゃお互い様ですがな。

…というわけで、今日のお題は「永遠に不滅です」なジャンル、恋愛モノである。しかも「大人」の。

女性の普遍的な欲望を刺激する企画

桐野凪子は36才の女医。高校時代の同級生、睦月が忘れられず未だ独身である。

ある日、凪子は睦月に面差しが似た20才も若い男、如月(きさらぎ)と恋に落ちる。

「もう一度、大人の恋をまだ知らなかった頃に戻ってみたいな。(中略)手や肩が触れただけで幸せで胸が震えたあの頃に―」

人は失ったものを取り戻したいと思う動物だ。だから「もう一度、誰かに熱く見つめられてドキドキしたい」と思うのもごく自然。

でも、実行する勇気も自信もチャンスもない。そんな「気持だけでも少女に戻りたい大人」の欲求を満たしてくれるのが「純愛ドラマ」である。

そういえば韓流ブームが起こるずーっと前、テレクラ主婦が氾濫しだした頃、講談社の編集者が「次に来るのは絶対純愛大河」と断言してたっけ。うーん、さすが。ヒット作を生むには「普遍的な人間の真理」を知る事が必要なのですね。

「ありえない」設定でも、心情がリアルならリアリティを感じる。

凪子の恋人、如月は実は元同級生睦月の息子(しつこいようだが20才年下!)で、しかも母親は凪子の親友の真梨絵である。

またもう1人の主役・木綿子の恋の相手は、なんと10年前、小学6年のときに木綿子が受け持った児童(!)で、10年後教職に就き、偶然同じ小学校に赴任してきた。どいつもこいつも腐れ縁すぎというか、世界狭っ!である。

一言で言えばあり得ない設定。だけれど、一人一人の心情がリアルで、「この人ってこういう性格だから、こんな事をしてしまうのよね」と納得できれば全く気にならない。

必要なのは心情のリアル。設定のリアルじゃないんですね、特に恋愛ドラマでは。

掲載開始からすでに7年。人間関係はどんどん複雑化しており、ストーリーは遅々として進まない。

でもまあ、いいんじゃないかしらん。少女のように高鳴る胸を気づかれぬよう装ったり、枕を涙で濡らしてみたり、かと思うと悪女の如く策略を練ったり…そんなプロセスもまた楽し。早々に決着なんてつけない。それが大人の恋の楽しみ方だもんね。

出典:仲村みなみ著『マンガから盗めっ!』(月刊シナリオ教室2005年12月号)より

※シナリオ・センターの書籍についてはこちらからご覧ください。 

次回は2月の第1火曜日に更新予定です

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