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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

「秋の夜長に楽しむオススメ映画」シナリオ・センター講師10選

(左から)岩村洋子講師、上原正志講師、安藤るみ子講師

秋は、夜の時間が一番長い季節といわれています。
だからよく、“秋の夜長”という言葉が使われますよね。

そんな秋の夜長、いつも以上にゆったりと、映画を楽しみませんか?

この季節に楽しめるオススメ映画を教えてくれたシナリオ・センター講師は、

今回マイベスト映画もオススメ・岩村洋子講師(本科)
『ターミネーター』『ダイハード』もオススメ・上原正志講師(研修科)
秋の夜長にラジオドラマ講座もオススメ・安藤るみ子講師(アドバンス講座)

――のお三方です。

今回オススメした映画、もし観たことがあったら、顔なじみのように安心して、
もし初めてだったら、どんなドラマ展開になるのかワクワクしながら、秋の夜長を楽しんでくださいね。

岩村講師オススメ:秋の夜長に、その国の歴史や文化をじっくり味わう

秋の“夜長”ということで、2時間以上の作品を3本選びました。その国の歴史や文化をじっくり味わってください。
また、「2時間“強”だと長いな…」という方に向けて、2時間“弱”の作品も1本選びました。

①『芙蓉鎮』【1987年/中国】

芙蓉鎮(ふようちん)というのは町の名前。中国で起きた文化大革命を初めて、中国人スタッフが真正面から描いた作品。岩波ホールで記録的なロングランになりました。

いち庶民のヒロインが文化大革命で翻弄され続けますが、悲劇に終わらないラストに、監督の「誰もが幸せになれる権利がある」という強い想いが伝わります。

脚本を書くとき、こういった作品のテーマがきちんと伝わるように描くにはどうしたらいいかの参考にもなるかと思います。

この映画は私のナンバーワン。目に焼き付いているシーンがあります。それは、ヒロインの二番目の夫になると思われる学者が掃除夫にさせられ、階段の路地を朝靄の中、踊るように箒で掃除しているシーン。思い出すたびに切なくなりますね。

劇場で観たとき、感動でしばらく席を立てませんでした。「余韻が残る」ってこういうことなんだなって分かりますよ。

随分前になりますが、ゼミの女性の生徒さんが20枚シナリオで、『芙蓉鎮』に似た作品を書いてきたことがありました。そのことを伝えると、なんと彼女は、この映画がキッカケで中国に留学したことがある、と!驚きました。

1本の映画が心を動かし、留学を決意させた。映画がもつチカラの凄さを改めて感じましたね。

上映時間は165分。

☆製作スタッフ・キャスト=監督・脚本:シェ・チン/脚本:アー・チョン/出演:リウ・シャオチン

②『さらば、わが愛』【1993年/香港】

中国の近代史を背景に京劇の世界に生きる、ふたりの男性を描いた壮大な物語。

この映画で文化大革命が描かれますが、ふたりの京劇の俳優が中心です。京劇の世界をこの映画を観て、身近に感じられると思います。

また、色彩豊かな画面も見どころの1つです。主演のレスリー・チャンの妖艶さには目を見張ります。

この映画で興味深いのは、同性愛的な気持ちを描くなど、この時代のタブーにも触れているところ。美しく丁寧に描いています。

演出のチカラもあるかとは思いますが、こんなふうに映像で表現するには、どう脚本に書けばいいのかを考えてみるのも、脚本を書くためのいい勉強になるのではないでしょうか。

上映時間は172分。

☆製作スタッフ・キャスト=監督:チェン・カイコー/原作・脚本:リー・ピクワー/出演:レスリー・チャン、チャン・フォンイー

③『大いなる西部』【1958年/アメリカ】

ウィリアム・ワイラー監督の西部劇です。

『ローマの休日』のグレゴリー・ペック、『ベンハー』のチャールトン・ヘストンの二大スターが、素手で殴りあうシーンが長く続き、なぜこんなに喧嘩のシーンを延々と見せるのか、若かった私には疑問でした。

ですが、そのうち、男性は真剣に殴りあって初めて真の友になれるのかもしれない、と納得しました。セリフではなくシーンで見せる。こういう部分もぜひ注目してほしいですね。

西部劇特有のオーバーな銃撃戦や暴力のシーンを廃し、そこに暮らす人たちの生活を描いた理知的な演出もみてください。テンポの良い音楽も魅力的。音楽からも西部の雄大な大地を想像できます。

西部劇というと馬にまたがった男たちが銃撃戦を繰り広げて…といったイメージがあるかもしれませんが、この映画にはきちんとしたドラマがあります。西部劇がちょっと苦手というかたにもオススメです。

上映時間は167分。

☆製作スタッフ・キャスト=監督:ウィリアム・ワイラー/脚本:ジェームズ・R・ウェッブ/出演:グレゴリー・ペック、チャールストンヘストン

④2時間弱のものでオススメなのは『日の名残り』【1993年/アメリカ】

アンソニー・ホプキンスが演じる老執事長とエマ・トンプソン演じる女中頭の実らぬ秘めた恋が、日本人の感性を揺さぶります。

初めて観たとき、“武士道”をイメージしたんです。「洋画なのになんでだろ?」と不思議でした。でも原作者を知って納得。日系イギリス人作家・カズオ・イシグロさんの作品でした。今年、ノーベル文学賞を受賞されて話題になりましたよね。

この老執事長、好きという想いを伝えられない。「彼女は若いから、僕なんかよりももっといい相手が見つかるんじゃないか」と。そういうキャラクターが、特に日本人好みなんじゃないかなって思います。

上映時間は134分。

☆製作スタッフ・キャスト=監督:ジェームズ・アイヴォリー/脚本:ルース・プラヴァー・ジャブヴァーラ/出演:アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン

※YouTube ムービー(提供元:SonyVOD (JA, AU) : Culver DigDistr)
日の名残り(字幕)予告編より

上原正志講師オススメ:勝つか負けるか。秋の夜長にハラハラ勝負映画!

出身ライターのジェームス三木さんは、「ドラマは、戦って勝つか負けるか、愛が成就するかしないか、の2種類」と仰っています。そこで今回は、秋の夜長に、スポーツ観戦感覚でハラハラドキドキ楽しめる、シンプルな設定の“勝負映画”を3本オススメします。

⑤『激突!』【1971年/アメリカ】

私の大好きな、究極のシンプルな“勝負映画”。
原題の『Duel』は「決闘」という意味。運転中に追い抜いたタンクローリーに執拗に追いかけられる、道を急ぐセールスマンの恐怖を、弱冠24歳のスティーブン・スピルバーグ監督が見事に描いています。

主人公の車は赤。その車を執念深く追いかけるタンクローリーは薄汚れた灰褐色。
なにより、このデザインがいいですね。金魚を狙う凶暴なウツボのごとく、ずーっと追いかける。タンクローリーに乗っている運転手が誰かなんて、どうでもいい!ってなります。

身近で日常的なスピード感あふれるストーカーもの。これほどシンプルな設定の映画も珍しい。
シンプルだからこそ、それだけ作り手の能力が問われます。ベテランのリチャード・マシスンの原作・脚本はもちろんのこと、撮影・編集もいい。おとなの仕事、してます。

ドライブイン、スクールバス、踏切、ガソリンスタンドの使い方も効果的です。主人公が“決闘”を決意するのも納得・共感できます。

このリメイク版『激突!2015』は、車で旅する女性2人が、ノロノロ運転のレッカー車を追い越したら…という設定にしています。

もし、皆さんがリメイク版を作るとしたら、どんな登場人物のキャラクターで、どんな設定でハラハラドキドキさせますか?こう考えてみるのも脚本を書く練習になりますよ。

☆製作スタッフ・キャスト=監督:スティーブン・スピルバーグ/原作・脚本:リチャード・マシスン/出演:デニス・ウィーバー

※YouTube ムービー(提供元:NBC Universal Asia)
激突!(字幕版) – 予告編より

⑥『眼下の敵』【1957年/アメリカ、西ドイツ】

潜水艦モノも大好き。これはその白眉!

第二次世界大戦下の南太平洋、米独の駆遂艦とUボート(潜水艦)の息詰まる攻防。徹底したゲーム感覚の展開で、緊張感の連続。

それぞれの艦長が、相手の腹を探り合い、裏をかき、神経戦に耐え、いつしかリスペクトし、そしてクライマックスの決戦。勝負が決まって、初めて顔を合わせ、敬礼し合うのが感動的です。

ラグビーでいう “ノーサイド”。敵味方の区別がなくなり、互いの健闘をたたえ合う。

「戦争はスポーツではない。そんなキレイごとではない」という意見もあると思います。でも、このサワヤカ過ぎる後味は貴重です。

☆製作スタッフ・キャスト=監督:ディック・パウエル/脚本:ウェンデル・メイズ/出演:ロバート・ミッチャム、クルト・ユンゲルス

※YouTube ムービー(提供元:Fox) 眼下の敵 (字幕版)より

⑦『脱出』【1972年/アメリカ】

マニアの間で高い評価を受けているものも選びましょう。

ダム建設によって巨大な人造湖の底に沈んでしまうというカフラワシー川。沈んでしまう前に川下りをしようと、奥深い渓谷へやって来た4人の男たち。やがて、地元民と些細なトラブルがおきて…。

この映画は、「自然」「未開」「開発」「破壊」「喪失」「文明」「死」といった深遠なテーマが混然一体となった高尚な映画です。

だけど、「都会から来た4人のカヌーに乗る男たち」と「地元民」の「対決」も楽しみましょう!
地元民がホントに怖い!

また、4人の唯一の武器であるアーチェリーの使い方も効果的。小道具の使い方の参考にしてください。

ただ、アメリカで行われた「映画史上最も恐ろしいシーン100選」で37位にランクインしているので、良い子の皆さんにはオススメできないかもしれません…。

とはいえ、シナリオ・ライターになりたい方にとっては、“恐怖”をどんな風に映像でみせるのか、という勉強になります。研修科ゼミでは、「復讐」「死」「不安」など、人間の欲望を研究する課題がありますので、そのときのヒントにもなるのではないでしょうか。

☆製作スタッフ・キャスト=監督:ジョン・ブアマン/原作・脚本:ジェームズ・ディッキー/出演:ジョン・ボイト/バート・レイノルズ

安藤るみ子講師オススメ:秋の夜長、眠れなくなるかも、な3本

生徒さんにオススメ映画を聞かれると『アイ・アム・サム』と答えているのですが、“秋の夜長”というテーマを考えて、違う3本を選びました。11月14日からは、ラジオドラマ講座が開講します。ですので、「ラジオドラマにもできるかも!」という視点で選んだ映画もあります。何だと思いますか?

※「ラジオドラマ講座」については、11/14(火)開講「ラジオドラマ講座」~音の世界の描き方を身につける! をご覧だくさい。

⑧『リアル・スティール』【2011年/アメリカ】

『リアル・スティール』とはちょっと運命的な出会いをしました。

観たい映画があって映画館に行ったのですが、時間を勘違いしていてもう始まっていたのです…。ため息をつきながら上映スケジュールを眺めていたら、ちょうどいいタイミングで『リアル・スティール』が始まります。

「ロボットものかぁ……時間つぶしに観るか……」と観始めたら、あれよあれよと一気に引き込まれて、泣きながらエンディングロールを見つめていました(先入観だけで判断してごめんなさい!)。

この映画は、ロボット+ヒューマンドラマです。

ロボット格闘技用のロボットを操るチャーリー(ヒュー・ジャックマン)の失敗続きの人生、情けないキャラクターが、離れて暮らしてていた息子のマックス(ダコタ・ゴヨ)と暮らすうちにどう変化するのか。さあ、お立会い!

「ドラマは変化」です。その変化にものすごく感情移入できる作品です。秋の夜長に、「明日からやってやるぞ!」と思える作品なので、目が冴えて眠れなくなるかも、です。

☆製作スタッフ・キャスト=監督:ショーン・レビ/脚本:ジョン・ゲイティンズ/出演:ヒュー・ジャックマン、エバンジェリン・リリー

⑨『重力ピエロ』【2009年/日本】

伊坂幸太郎作品の映画化です。

仙台の街で起こる連続放火事件、過去の悲惨な事件が家族の絆を引き裂こうとする。重い作品で、秋の夜長に観始めたらラストまで観ることができるかな、と後悔してしまうかもしれない作品です。でも、観て欲しいです。

見た目や性格が全く違う兄の泉水(加瀬亮)と弟の春(岡田将生)のセリフのやりとりや行動がいいんです。キャラクターってこうやって観る人に紹介していくんだな、と思えます。

ラストに向かって暗い重さの中に光が見えてきます。ラストまでどうしても見たくなります。

私個人としては、兄弟の母を演じた鈴木京香さんが良かったです。母を演じるイメージがなかったのですが、母としての悲しみ、母としての愛を感じさせてくれました。

伊坂幸太郎ファンには文句を言いたくなる設定もあるようですが、映画として見せるための工夫もあります。原作モノをどうやって映像化するのか。勉強になります。

☆製作スタッフ・キャスト=監督:森淳一/企画・脚本:相沢友子/出演:加瀬亮、岡田将生、鈴木京香

※You Tube
asmikmovie 映画『重力ピエロ』予告編より

⑩『英国王のスピーチ』【2010年/イギリス、オーストラリア】

1925年。吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世(コリン・ファース)とその治療にあたった言語療法士のライオネル(ジェフリー・ラッシュ)の友情が軸になっているのですが、ジョージ6世の妻、エリザベス妃を演じたヘレナ・ボナム=カーターがすごくよかったです。

うまいなぁ、と感心しつついつの間にか泣いている、という秋の夜長にぴったりな作品。

ユニークな治療をするユニークなキャラクターのライオネルと彼に反発するジョージ6世が心通わせていく展開は、シナリオをおもしろくする「キャラクターの魅力」と「葛藤」が満載です。

自信のない吃音の演説から国民の心をつかむ演説に変化していく過程は、ラジオドラマにしてもいいかも、と感じています。

書き方がわからない方、ラジオドラマに興味のある方、11月にラジオドラマ講座がありますよ!

☆製作スタッフ・キャスト=監督:トム・フーパー/脚本:デヴィッド・サイドラー/出演:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター

※You Tube
シネマトゥデイ 映画『英国王のスピーチ』予告編より

11月14日からラジオドラマ講座を実施します!

時代劇やSFなど、映像コンクールではNGでも予算を気にしないラジオドラマなら書けます!
なんでも書けるのですが、映像シナリオとは違う形式なので基本を知ることが必要です。
疑問だらけの見よう見まねで書くよりも、サクッと勉強しちゃったほうが近道です。
講義を聞いてその場で書いて覚えちゃおう、という気軽に受講できて確実に身につく講座です。
興味を持ったら運命の出会いです。お待ちしています!

あらすじなどの詳しい情報はこちらでチェックしてみてください

※Yahoo!映画サイト『芙蓉鎮』はこちらからご覧ください。

※Yahoo!映画サイト『さらば、わが愛』はこちらからご覧ください。

※Yahoo!映画サイト『大いなる西部』はこちらからご覧ください。

※Yahoo!映画サイト『日の名残り』はこちらからご覧ください。

※Yahoo!映画サイト『激突』はこちらからご覧ください。

※Yahoo!映画サイト『眼下の敵』はこちらからご覧ください。

※Yahoo!映画サイト『脱出』はこちらからご覧ください。

※Yahoo!映画サイト『リアル・スティール』はこちらからご覧ください。

※Yahoo!映画サイト『重力ピエロ』はこちらからご覧ください。

※Yahoo!映画サイト『英国王のスピーチ』はこちらからご覧ください。

ラジオドラマ講座 概要

「ラジオドラマ講座~音の世界はこう描く!!~」

・期間:2017/11/14~11/28
・時間:19:00~20:30
・講師:安藤るみ子(シナリオ・センター通信講座・ラジオドラマ講座担当講師)
   藤井香織(脚本家)
・定員:40名
・会場:シナリオ・センター 3階ホール
・受講料は以下をご覧ください。
 会 員(講座生・ゼミ生):10,000円(税込)
 元会員(一の会・修了者・退会者):12,000円(税込)
 一 般(シナリオ・センターでの受講未経験者):15,000円(税込)

※講座詳細やお申し込みはこちらからお願いいたします。

過去記事一覧

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