menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

映画の力

ミソ帳倶楽部へようこそ

棄権はダメよ

シナリオ・センター代表の小林です。あまりの世の中の乱れにまったくついていけない、いや、ついていきたくない小林です。
衆議院選挙です。もう何をかいわんやの政治にうんざりしますが、こういう時こそ人は思考を止めてしまってはだめなのです。
何を考えても無駄だ、何を言っても無駄だと思ってはいけません。

映画「ガメラ」「デスノート」や東日本大震災を描いた出身ライター萩原恵礼さん脚本担当の「青いソラ白い雲」などの監督、金子修介監督が、にわかに驚きの形で脚光を浴びられています。
金子監督は、12年前に選挙を棄権しないための啓発キャンペーン映画を創られたそうです。

総務省・明るい選挙推進協会制作「希望の党☆」(20分)
お間違えありませんように。小池さんの希望の党のCMではありません。まだ「希望の党」など影も形もない12年前の選挙啓発映画ですから。

あらすじは、「誰が政治家になっても変わらない」とのたまう政治に無関心のお父さんが、娘に棄権しないように諭されるのですが、結局さぼってしまいます。
その選挙で「希望の党」という新興政党が過半数を制し、政権を取ってしまいます。
数ヶ月後、「国民権利義務省」からお父さんに「選挙権剥奪」の通知が。
選挙で「希望の党」は3回続けて投票しなかった国民から選挙権をはく奪するという政策を掲げていたのでした。
逆に、「希望の党」支持者になった娘を初め政治に関心の高い未成年に特別に選挙権が与えられます。
そして次から次へと生類憐みの法、痴漢は死刑等など過激な法律が作られ、ついには戦争が勃発。
娘は出征させられ・・・1票を軽んじたお父さんは反省するのですがもう・・・。
呆然とするお父さんに娘は言います。
「権利って当たり前にあるものじゃなくて、勝ちとって、それを維持する努力をしなくちゃだめなんだよ」と。
20分ほどの選挙啓発キャンペーン映画です。(YouTubeで見られるそうです)

現実はどうでしょう。
ともかく投票だけはしましょう。棄権だけはやめましょう。
入れたい人がいなくても、少なくともあなたの譲れない部分を持っている人に。
突然の話題に、誰よりも金子監督が相当驚かれているようです。当然ですよね。(笑)

映画「望郷」の驚きの見せ方

本日発売の「月刊シナリオ教室」10月号に映画「望郷」のシナリオが掲載されています。
明日29日、ミソ帳倶楽部でこの「望郷」のお話を伺います。
出身ライターの杉原憲明さんとエイベックス・デジタルの辻村和也プロデューサーのおふたりが、どうやって湊かなえさんの二つの短編を繋げて創りあげたか、脚色のお話を中心に色々とお話をしてくださいます。

シナリオが掲載されているので、映画と比べてみて欲しいと杉原さん。
この映画は、湊かなえさんの「望郷」は連作短編集で、そのなかから2編を使って映画にしたのです。
ですが、どちらの作品も主人公が過去に大きなドラマを描けているので、同時進行にすると原作の良さを壊してしまうと悩まれたそうです。
その時、ホン打ちで監督とプロデューサーから素晴らしいアイデアが出たそうです。
もう1編の「石の十字架」の設定を使わせてもらってサンドイッチにするという方法。
これが上手く功を奏して、とてもサスペンスでありながら親子の情に泣かされる素敵な映画になりました。どのような方法でサンドイッチにしたのか、2編の過去をどう見せたのか、映画を見た方は巻き戻して、まだ見てない方はみるときに思い起しながら・・・ミソ帳倶楽部を聴いてください。脚色のやりかたが学べます。
明日のミシ帳倶楽部、まだ若干空席ありだそうです。
秋になりました。映画をみる、映画を創る、楽しみましょう。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ